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【女子柔道振興委員会】JJ Voice No. 70 貝山 仁美さん

プロフィール

貝山 仁美(かいやま ひとみ) 1977年  岩手県生まれ
三井住友海上火災保険会社女子柔道部コーチ
講道館柔道女子六段

主な戦績:
2002年 オーストリア国際柔道大会 70㎏級 優勝
2002年 福岡国際女子柔道選手権大会 70㎏級 2位
2003年 チェコ国際柔道大会 70㎏級 優勝
2003年 アジア柔道選手権大会(済州島)70㎏級 優勝
2004年 全日本実業柔道個人選手権大会 70㎏級 優勝

◇バトンを渡してくれた上野雅恵さんという人
現役時代のチームメイトで1つ後輩の雅恵さんからバトンが回ってきました。雅恵さんとは同じ階級でした。試合で当たる事もありましたが一度も勝てずじまいでした。練習では互いに遠慮せずに練習し色々学ぶことが出来ました。
しっかりと考えて練習をし、そして二度と同じ負け方をしない、執念深く心技体のバランスの取れている総合力のある選手だと感じていました。それが今の指導や仕事に活かされており、何かの道で何かを成し遂げる人はどの道へ進んでも、目標を成し遂げるノウハウを持っていると感じています。
計画的にコツコツと出来る原動力は強い意志があるからだと思います。

◇柔道との出会い ~3人の恩師との出会いとターニングポイント~
さて私はと言うと、今までを振り返ると強い意思や目標と言うよりは、出会いや流れで今に至っていると感じます。

柔道に出会ったのは中学校の部活動でした。それまでは特段何の運動もしてこない小学生時代でした。書道はやっていたので「道」とつくものに縁があるのかもしれません。中学生時代の恩師である佐々木哲哉先生と出会い、周りの先輩、同級生達にも沢山お世話になり、運動をしてこなかった私にとっては厳しい練習やトレーニングでしたが、初めて自分の打ち込むものが出来た事が嬉しかったのを覚えています。

佐々木先生は遠征に連れていってくれたり、山下泰裕先生の「闘魂の軌跡」を見せてくれたりと、とにかく熱い心を教えてくれた方でした。この頃、全国大会に出ることはできましたが、勝つことは出来ずにいました。そんな私も中学2年生頃になると反抗期がきました。なぜか父親には「試合を見に来ないで欲しい」と言ってしまいました。実際はこっそり見に来ていた事もあった様です。父も高校時代に柔道をしており、私が柔道をしているのを喜んでくれていたようです。ある日、出張先から戻ってきた時、身体に不調を訴えそのまま帰らぬ人となりました。こんなに突然逝ってしまうならもっと沢山勝つところを見せてあげたかった、何でもっと優しくしてあげなかったのだろうと後悔しました。

変わらず柔道が好きだった私は柔道がしたい一念で盛岡南高校へ進学しました。そこで第二の恩師に出会います。藤原祐悦先生でした。とても物静かな先生であまり感情を表に出さないのですが、とても愛情深い先生です。藤原先生にも遠征、大会へ連れて行っていただき感謝しかありません。そしてまた次のご縁を私に授けて頂きました。柔道が好きだったので高校を卒業しても柔道を続けたいと考えていましたが、経済的な事を考え、大学進学はせずにぼんやりと「働く」という事を考えていました。

インターハイか何かの大会に行った際に藤原先生を通じて強豪住友海上(現三井住友海上)の柳澤久先生にお会いする機会がありました。その時の事ははっきりとは覚えていないのですが、藤原先生の後輩で偉い先生だと言うのは聞いていました。

ここから私の柔道人生は大きく変わりました。住友海上に入社することになりました。今のようにスマホなどない時代です。東京駅に着いてもどこへ行ったらいいのか分からず、福場(現:小澤)先輩に迎えに来て貰う有様でした。あの時お会いした「偉い先生」は住友海上の監督であり全日本女子監督もされていた方でした。先輩方は凄く強い選手ばかりでした。打ち込みで1回ずつ投げられていたのを覚えています。先輩方の打ち込みの勢いに全く耐えることが出来ませんでした。凄いところに来てしまったと思いつつ、新生活を仲間と楽しみつつ、「大学4年間というつもりで覚悟を決めて」頑張ろうと思っていましたが、2年目の後半には同期4名の中で残っていたのは私だけでした。私は不器用なので人の3倍時間がかかります、自分の存在価値に気づくのにも時間がかかったのだと思います。

世界、オリンピックを狙うこの会社で自分の価値を見出せずに鈍感力で生き残った感じでした。ただ、周りの方は私を見捨てずに支えて下さいました。会社の方々や先輩方、同僚や後輩達にもとても恵まれていたと思います。

強化選手になることができず5年目を迎えそうになった年の事です。岩手の兄から1本の電話が入りました。母が末期の癌で2ヶ月もたないとの事でした。もう柔道はやめて母の看病をしようと思いました。しかし当時の監督だった柳澤先生をはじめ、周囲の方々のご理解のもと1ヶ月お休みを頂き、鹿児島の病院へ看病に行かせてもらいました。その後も鹿児島と東京を行ったり来たりしながら練習をさせて貰ったり、試合にも出させて頂きました。2000年、母は最後に「旅立ちます」と言って本当に旅立っていきました。奇跡の様な最後でした。看取る事が出来て本当に有り難かったです。葬儀を終えて東京に戻った私は柔道をする事に不安がありましたが、皆さん受け入れて下さいました。身体も畳の感触を覚えていました。

そこからどんなに苦しいことがあっても死ぬわけじゃない、いつも見守ってもらっているのだと思えて、良い方向へ流れていったと思います。その後、強化選手に入ることができ、世界や五輪への縁はありませんでしたが、いくつかの国際大会等にも出させていただき、世界や五輪の舞台を間近でサポートする経験も出来ました。

そういった貴重な経験のもと、選手生活を終えた後は指導者としての第二のスタートを切りました。そこでも応援して頂いたり、逆にご心配、ご迷惑をおかけしたりしながら現在に至ります。

私が柔道から学んだ事は、「人とのご縁を大事にする」と言うことです。私は不器用なので必死になりすぎて周りが見えないことが多々あります。不躾な事や失礼が多くあったと反省しきりです。選手達にももっと良いサポートやアプローチはできなかったか、と未だに力不足を感じます。それでも出会った方々が愛情深くとても良い方たちばかりで、その方々のおかげで今があります。皆様、本当に有難うございました。

また、今の若い選手達には「今を大事に積み重ねる」ことの大切さを知ってもらいたいと思います。月並みですが、今日の自分が明日を作っていくので、人間関係も柔道の鍛錬も今が一番心身共にエネルギーがある時です。楽しいことも、失敗することもたくさんあると思いますが、その「今」を大事にして応援してあげたいなと想われる、慕われるような選手になってほしいと思います。人は一人では生きていけませんし、柔道も一人では出来ません。
また、目標があるならそれを明確にして夢を掴んで欲しいと思います。「いつか応援してくれる人達に勝つ姿を見せる」目標に期日を決めて、必要な事をクリアしていって欲しいと思います。大切な人が生きている間に是非、喜ばせて恩返ししてあげてください。

目標ややりたい事が定まらない人もいるかもしれません。私もそういった時期がありました。それでも何かしらにチャレンジして今を大事に生きてほしいと思います。昔は「チャンピオンになること」が一番の目標でそれ以外は無いと思っていました。それもとても素敵な目標ですが、人それぞれ、時期にもよって目標は違って良いと思いますし、そこに優劣はないと思います。

私の今後の目標としては柔道をさせて貰っている人間として、これからも色々と学ばせて頂きながら若い選手達や女子柔道が今後も国内外で活躍し、認められ、愛され、楽しまれるように少しでも何かお手伝いをして、応援頂いた方々に恩返しが出来ればと思っています。
乱文、長文読んでいただき有難う御座いました。

先日行われた全日本ジュニア選手権にて写真撮影の為、一瞬マスクを外させていただきました
実業団女子練習会。全員が抗原検査を行い当社世田谷道場にてコマツ、自衛隊、ミキハウスを迎え開催。他にもコマツ颯志道場、JR東日本竢成館道場、自衛隊体育学校、講道館等で開催しています。
2017年に迎えた保護犬かあちゃん10歳と。トリミングは雅恵監督にお願いしています。

次回は、貝山さんが強化選手になってから出会った貴重な同期で、一緒に苦しい合宿を乗り越えてきた岡崎綾子さん(島根県教育庁)が登場します。

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