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「チャレンジ精神でイスラエルへ渡る」田中美衣さん(イスラエル女子ナショナルコーチ)

情熱を傾け、精進している柔道の道。でも、いつまでも学生時代のように柔道に関わることはできません。年齢を重ねての現役引退、あるいはケガによる競技生活の断念など、柔道への関わり方は変わっていきます。では、柔道の先の道はどこにつながっているのでしょうか? どんな職業があるのでしょうか?
女子柔道がオリンピック公開競技になってから30年が経つ2018年、元女子選手たちのその後を追いかけてみました。

 

<プロフィール> 田中美衣(たなか・みき) 1987年10月20日生まれ。滋賀県出身。

8歳のとき、虎姫スポーツ少年団で柔道を始める。長浜西中→京都成安高→仙台大→筑波大大学院→了徳寺学園職を経て、

現在、イスラエルナショナルチームコーチ。2010年東京世界選手権2 位。2013年リオデジャネイロ世界選手権出場。63kg級。四段。

 

怪我により引退を決意、興味は海外の柔道指導へ

 

――引退までの経緯を教えてください。

 

「引退を決意したのは2015年の講道館杯です。実は大会前に、前十字靭帯を切る怪我をしていたのですが、可能性があるならオリンピックの最終選考会まで頑張ろうと思い、講道館杯への出場を決意しました。ところが、成績は7位。強化選手からも外れましたので、もちろん最終選考会の全日本選抜体重別にも出られず、これで現役生活を終えようと。気持ちが燃え尽きたといいますか、ケガを治してもう一度戻れるよう頑張ることは難しいと思いました。28歳の時です」

 

――その時点では、引退後のキャリアをどのように考えていましたか?

 

「もともと教員志望で、教職の免許を取っていましたから、教員になろうかなと考えていました」

 

――教員ではなく、海外へ出ようと考えるようになったのは?

 

「引退後はすぐ膝を手術し、翌年から了徳寺学園の事務で職員として働きました。その後は地元に帰って教員採用を受けようかと考えていましたが、次第に、短期間でも海外に行ってみたいと考える様になりました。

もともと海外の柔道指導に興味があって、引退したら海外に出てみたいと考えていたんです。海外経験のある友人に、『どこかでコーチを探しているというような話はないかな』と声をかけたり、相談したりしました」

 

英語ができなくてもOK!?遠く離れたイスラエルへ

 

――イスラエルに決めたのはなぜですか?

 

「最初は別の国を検討していたのですが、英語必須という国が多くて…。困っていたところに、西田優香選手から『イスラエルの監督から話が来ている』と連絡がありました。話だけでも聞いてみようとメールのやり取りをしながら、イスラエルに決まりました。私がイスラエルについて知っていたことは、よく対戦していたゲルビ選手(63㎏級。2013世界選手権金メダル)の国だな、というくらい。周囲からは紛争地だからと止められましたが、日本を出たらどこの国も危ないと考えていたので、私自身はあまり気になりませんでした」

 

――決め手になった理由を聞かせてください。

 

「言葉は二の次でいい。英語ができないならサポートすると言われ、それならいいかと軽い気持ちで決めました。行けばなんとかなると思いましたし、嫌なら帰って来ればいいと。あまり深く考え込むことなく決めました(笑)」

 

――出発までにどんな準備をしましたか?

 

「英語の勉強をしながら、イスラエルという国について知識を深めました。ですが複雑な成り立ちの国なので、非常に難しく……。とりあえず、聖書を読んでおこうと漫画版聖書に目を通して(笑)。本当にざっくりでしたね」

 

――現地での生活はいかがですか?

 

「日常会話は、日英翻訳アプリケーションを使っています。でも、言葉はいまのところ大きな問題ではないですね。柔道はそもそも日本語ですし、言葉よりも体を使ったほうが早いので何とかなっています」

 

今後の目標は、現地での柔道指導者育成

 

――この1年を振り返っての思いをお聞かせください。

 

「早かったです。私は柔道指導のためにイスラエルに来ましたが、指導者としての私は白帯。未経験の状態で、とにかくこれまで私が受けてきた指導や、いいと思ったことを選手たちに伝えています。少しずつ、私のやり方が伝わってきたという印象ですね。ただ4年契約のため、あと3年しかない危機感も同時に感じています」

 

――これからの抱負をお願いします。

 

「オリンピックでのメダル獲得はもちろんですが、選手たちに基本をしっかり指導したいと思っています。と言いますのも、先日指導者対象のセミナーを開催したところ、そもそも指導者が基本動作をあまり知らないとわかったんです。現在ナショナルで練習している子たちはいずれ指導者になるはず。彼女たちが10年後、20年後、子どもたちに基本を伝えられるような、そんなベース作りをしたいです」

 

――その後は?

 

「まだ何も考えていません。親は帰ってこいと言っていますが、また違う国に行っているかもしれませんね」

 

*本記事は『まいんどVol.14』に掲載された記事をweb版に再構成したものです。

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