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柔道人口が少ないながらも、日本文化として知られている柔道

――金沢大学に7年半在籍されたのち、アイスランドに移住されたということですが。

理由はいくつかあったのですが、当時は大学再編の時期で不安定だったということと、家内がアイスランド人なので、子どもを育てるための環境を考えて決断しました。

――以来、アイスランドで指導を続けられています。そちらの柔道人口はどのくらいですか。

こちらには登録制度がないので正確な人数はわからないのですが、子どもから大人までで500人弱くらいだと思います。柔道クラブは全国に8つしかありません。
ヨーロッパではサッカーなどのボールゲームが人気ですが、アイスランドも同様でハンドボールが強いんですね。2008年北京オリンピックでは男子が銀メダルを獲っています。こういう環境ですので柔道はマイナー競技。ボールゲームであまり活躍できなかった子が道場にやって来るという傾向がありますね(笑)。
柔道をやる理由としては、身体を鍛えたい、投げる技術、また身を守る技術を身につけたいといったことのほかに、日本の文化を学びたいということがあるようです。子どもの場合は、親がしつけを学ばせたいということで通わせている面もあります。人の話をしっかり聞くような子にしてほしいといった期待があるようです。

――アイスランド柔道の特徴はどんなところでしょうか。

日本人は非常に器用ですが、アイスランド人は体力的には非常にいいものを持っているのですが、それを動きやタイミングを計って技を出すということにつなげるのは不器用な印象です。
あと、こちらの生活自体がのんびりしていますので、人と競争するということにピンときていないところがありますね。社会も比較的安定していて、インフレ率は高いのですが、全体として経済的には安定しているので貧困層の割合が低く、余裕を持って暮らしている方が多く、社会がギクシャクしていないんですね。

――アイスランドに固有の格闘技はありますか。例えば、そうした格闘技の経験者が柔道もやるということもあるのでしょうか。

腰に革のベルトをつけて組んで始めるというグリーマ(Glima)という格闘技があります。最近はそちらも競技人口が減ってしまっています。ただ、この経験者が柔道をやると、やっぱりカンはいいんですね。でも、グリーマには寝技はないし、組んでから始めるので、組み際などに対応できない。ですから、ある程度は役に立つというところでしょうか。

 

次ページ > 社会の一部としての柔道だからこそ、教わる側が主体というアイスランド方式で指導

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