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お知らせ

【女子柔道振興委員会】JJ Voice No. 111 伊丹裕子さん

プロフィール
伊丹 裕子(いたみ ゆうこ)1988年 神奈川県生まれ
白鵬女子高等学校教諭 柔道部顧問
講道館柔道女子参段

主な戦績
2003年 全国中学校柔道大会 70㎏級 出場
2006年 インターハイ 78㎏級 出場
2007年 講道館杯全日本柔道体重別選手権大会 63㎏級 出場
2007~2009年 全日本学生柔道体重別選手権大会 63㎏級 出場

こんにちは。伊丹裕子と申します。この度、坂中優理子さんからJJ Voiceのバトンを頂きました。素晴らしい選手や監督の方々が執筆されている中、大変恐縮しております。

私が柔道を始めたのは小学3年生の時です。父が柔道経験者で、私の2つ下の弟に柔道を習わせる為に神奈川県にある相武館吉田道場に見学に行きました。テレビで柔道の試合を見る機会はありましたが、稽古を見たのは初めてで、激しい稽古と厳しい先生に衝撃を受けました。絶対に私はやらない!と心に決めていましたが、当時、3年生の割に体が大きかった私に館長の吉田功先生は「お姉ちゃん、良い体格してるね。柔道やらないか?」と言い、怖くて断る事ができず、気づけば自分の体に合った柔道衣を試着していました。しかし、吉田先生が声を掛けてくださったお陰で、柔道により、とても充実した人生を送る事ができています。吉田先生にはとても感謝しています。
それから、中学、高校、大学と柔道を続けるために進学し、素晴らしい先生方の元、日々の稽古に励んできました。あまり結果を残す事が出来ませんでしたが、先生方は真摯に向き合ってくださいました。

現在は神奈川県にある白鵬女子高等学校で教諭として柔道部の指導をさせていただいています。指導に携わってまもなく12年が経ちます。その中で、新型コロナウイルス感染症の流行は大きな出来事でした。さまざまな大会が中止となり、今年こそ!と意気込んでいた多くの3年生が涙を流しました。今でも思い出すと胸が痛みます。生徒たちに掛ける言葉も見つかりませんでした。しかし、部活動再開後の3年生は腐ることなく、一生懸命一人打ち込みを行っていました。結果を残す機会は無くなってしまいましたが、どのような状況でも一生懸命取り組む事ができる。これが、生徒たちが3年間で培った強さではないかと思いました。また、指導者にとって生徒の試合に引率できる事、どんな結果であれ一緒に一喜一憂できることが幸せなことであり、当たり前では無いという事に気が付きました。それまでは、「指導者はこうでなければならない」とか「柔道はこうあるべきだ」など、自分自身の経験や考えを生徒に押し付けすぎていたように思えました。考えが変わってからは、生徒の良い所がより見えるようになり、掛ける言葉も前向きな言葉が自然に出る様になりました。生徒たちも相談に来たり「こういう練習がしたい」と提案してくれるようになりました。「自ら強くなろう」という気持ちが見えるため、指導しているこちらも稽古の時間が楽しいです。

今は、主体性や協働性が求められる時代です。「どのような状況でも前を向いて今できる事を自ら考え、一生懸命取り組む力」が今の社会に必要な生きる力ではないかと私は考えています。柔道を通し、どんな時でも前を向ける強くて優しい女性を育てることを目標に、これからも生徒と一緒に日々精進していきます。

稽古の様子
PARIS2024 オリンピック競技大会 柔道競技(パリ五輪) PARIS2024 パラリンピック競技大会

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