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平成21年全日本選抜柔道体重別選手権大会結果(2009.4.5)

平成21年全日本選抜柔道体重別選手権大会結果(2009.4.5)

2009年4月4日(土)~5日(日)の2日間、平成21年全日本選抜柔道体重別選手権大会が福岡・福岡国際センターにて行われた。
結果は、60kg平岡拓晃(了徳寺学園職)、66kg級内柴正人(旭化成)、57kg級松本薫(帝京大学4年)、63kg級上野順恵(三井住友海上)がそれぞれ2連覇し、のこり10階級はすべて初優勝だった。
詳しい結果は下記の通り。

男子 女子
階級 1位 2位 階級 1位 2位
60kg級 平岡拓晃((学)了徳寺学園職員) 福岡政章(綜合警備保障(株)) 48kg級 福見友子((学)了徳寺学園職員) 山岸絵美(三井住友海上火災保険(株))
66kg級 内柴正人(旭化成(株)) 江種辰明(警視庁) 52kg級 西田優香((学)了徳寺学園職員) 中村美里(三井住友海上火災保険(株))
73kg級 大束正彦(旭化成(株)) 金岡真司(警視庁) 57kg級 松本薫(帝京大学4年) 宇高菜絵(コマツ)
81kg級 高松正裕(桐蔭学園高校教員) 塘内将彦(旭化成(株)) 63kg級 上野順恵(三井住友海上火災保険(株)) 谷本歩実(コマツ)
90kg級 西山将士(新日本製鉄(株)) 小野卓志((学)了徳寺学園職員) 70kg級 渡邉美奈(コマツ) 岡 明日香(コマツ)
100kg級 穴井隆将((学)天理大学職員) 猪又秀和(セコム上信越(株)) 78kg級 岡村智美(コマツ) 中澤さえ(綜合警備保障(株))
100kg超級 高橋和彦(新日本製鉄(株)) 佐藤武尊((学)了徳寺学園職員) 78kg超級 杉本美香(コマツ) 塚田真希(綜合警備保障(株))

観戦記第1日目 (広報委員 中村 勇) 写真提供:東京スポーツ新聞社
今年の全日本選抜体重別選手権大会は8月のロッテルダム世界選手権大会の最終選考会を兼ねて,各階級トップの8人によるトーナメント方式で行われた。初日の4月4日(土)は男子3階級(60,66,73kg)と女子4階級(63kg,70kg,78kg,78kg超)が実施された。

男子60kgは20代前半の若い選手達の戦いであったが、今年はまだだれも国際大会で優勝していない。その中で北京五輪代表の平岡拓晃と福岡正章が決勝へ勝ち進んだ。決勝戦は両者決め手がないまま延長戦に進むがここでも決着がつかず勝敗は旗判定2-1で平岡が接戦を制した。決勝戦の二人を含めて若いこれからが期待される選手達だが思い切り良さがなくこじんまりした試合運びが目立った。

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男子66kgはオリンピック連覇の内柴正人と60kgから階級を上げた江種辰明を軸に試合が進んだ。32歳の江種と30歳の内柴はともに若い選手を破って決勝戦に進出した。決勝は先に江種が「有効」を奪いリードしたが、掛け逃げの反則でポイントは振り出しにもどりこのまま延長戦突入かと思われたころ、残り30秒、江種の双手刈で内柴が崩れるも体勢を入れ替え横四方固に抑え19秒「有効」となり勝負がついた。オリンピック連覇を果たした後でも衰えるどころか一段とスケールアップした感じがした内柴の気力を感じた。
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男子73kgは20代前半の若い世代を中心とした戦いとなったが、本年ブダペスト大会2位の大束正彦と粟野靖浩を破った金岡真司が決勝進出を果たした。両者は大学同級生同士の対決であったが,案の定、互いに攻めきれない。延長戦を含めた8分間でも優劣がつかず旗判定(3ー0)で大束の初優勝となった。この階級も60kg級同様に若い世代が中心だが、もっと思い切りよい試合運びを心がけてもらいたい。

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女子63kgはオリンピック連覇の谷本歩実と今年のハンブルクとパリの両国際大会の覇者上野順恵が順調に勝ち上がり、実に本大会6度目の決勝対決となった。両者積極的に攻め合うがポイントを奪えず延長戦へ。その開始後すぐに上野の大外刈がが「技あり」となり決着。しっかりポイントを取って勝ちたかった上野の執念が実った。

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女子70kgの決勝戦は岡明日香と渡邉美奈の同門対決となった。手の内を知っている者同士なかなか決着がつかず延長戦へ入るが、2分頃渡邉が背負投に潜り込むと岡はたまらず反対側に背中から倒れ渡邉の初優勝が決まる。この階級は上野雅恵が引退した後、決勝戦の二人を含め混戦状態であろう。お互いが競い合いながらがんばってもらいたい。

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女子78kgでは穴井さやかを破った岡村智美が決勝戦にすすみ、優勝候補中澤さえと対戦した。力強い中澤の攻撃に対し間合いを保ちつつ切り返す岡村だが、両者とも決め手に欠き延長戦に突入。残り30秒を切ったところで強引な中澤の小外刈を返した岡村が初優勝。 国際大会では強く思い切りの良い技を掛ける中澤であるが、決勝戦では攻撃が雑になってしまい自滅してしまった。一方の岡村は臆すことなく最後まで前に出続けた気力が初優勝につながった。

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女子78kg超級は国内では無敵の塚田真希の本大会7連覇は間違いないものと思われた。昨年決勝で戦った立山真衣を破ってきた石山麻衣を払腰で難なく一蹴(いっしゅう)して、杉本美香との決勝戦に進んだ。おおかたの予想通り、塚田が優勢に試合を進める1分30秒過ぎ、杉本が低い体落を掛けたところタイミング良く決まり「技あり」、そのまま抑え込まれて合せ技「一本」。あざやかな杉本の技と予想だにしなかった塚田の敗戦に場内がどよめいた。

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初日を終えて印象的であったのは新しいルールの影響か延長戦にもつれ込むケースが多かったようだ。同門や永年のライバル同士の対戦が多いのもあろうが、「効果」の廃止や延長時間の短縮化(3分間)によりなかなか決め手に欠く対戦がめだった。海外で勝つためにはもっと思い切りよい技をもっと積極的に掛けあう試合をすべきだろう。

観戦記第2日目 (広報委員 中村 勇) 写真提供:東京スポーツ新聞社

今日は男子4階級,女子3階級が実施された

男子81kgは第一人者のベテラン塘内将彦を軸に若い選手がどうからんでくるかが注目された。しかし結局勝ち上がってきたのは塘内と階級を上げてきた高松正裕であった。 決勝戦は立ち上がりから両者が激しく攻め合う展開となったが、2分頃技がすっぽ抜けた高松に掛け逃げの「指導1」が与えられる。2分53秒、高松がフェイントで揺さぶりながら一本背負投に飛び込むと塘内はたまらず背中から落ちて「一本」。嘉納杯、ワールドカップトビリシで優勝し国際大会でも結果を残してきた塘内だが、今日は高松の執念が勝った。

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男子90kgは階級を上げてから調子が良い小野卓志に対しグランプリ・ハンブルク2位で急成長中の吉田優也らがどう戦っていくかが注目されたが、好調小野に対し決勝に駒を進めてきたのは講道館杯優勝の西山将士であった。 決勝戦はお互い慎重な立ち上がりで始まったが、中盤、朽木倒で腹ばいに倒すなど小野がやや優勢な展開になり,西山に指導1が与えられた。その後、小野はさらに攻勢を続けるが西山もなんとかしのぎタイムアップ。延長戦にはいってすぐ小野は飛びつきながらの腕挫十字固の奇襲攻撃をしかけるが不発。後半、小野が再度同じ技を狙うが今度は技が崩れて掛け逃げ「指導1」をもらう。結局このポイントが大きかったのか2‐1の旗判定で西山が初優勝した。

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男子100kgは国際大会でも絶好調の穴井隆将の戦いぶりに注目が集まった。穴井は竹谷知記と野田嘉明を「一本」で下して順調に勝ち上がり猪又秀和との決勝戦を迎えた。地力に勝る穴井だが思い切りに欠けた攻撃,猪又も押し込まれながらの不十分な攻撃と単調な展開となった。3分46秒、穴井の大外刈が「有効」となる。反撃したい猪又の技は通じずそのままタイムアップ。穴井のH17年以来の優勝が決まった。 この階級は穴井と他の選手の力の差が拡がった印象を受けた。同世代の選手が多い階級だがより競い合ってレベルアップを図ってもらいたい。

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100kg超級は棟田康幸と高井洋平の一騎打ちだろうという前評判であったが、棟田は佐藤武尊に「一本」負け、高井は高橋和彦に「技あり」負けし、結局決勝戦はこの勝った二人の対決となった。初優勝をねらう両者だが、開始1分過ぎ、佐藤は相手の払腰の足をとって後ろに返すと「有効」。中盤、佐藤が小外掛を狙うところを高橋が合わせて「有効」を奪って試合は振り出しに戻る。ここから払腰などで猛然と攻め込まれスタミナが切れた佐藤は残り46秒で「指導2」を受け勝負が決まる。高井を破り決勝でも最後まで勝利への執念を燃やし続けた高橋に軍配が上がった。 しかし、石井慧が抜け鈴木桂治が欠場した本大会で奮起すべき棟田と高井の試合には場内からはため息がこぼれた。

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女子48kgは現在のIJFランキング1、2位の山岸絵美と福見友子が順当に勝ち上がり予想通り決勝戦で対決した。最近の両者対戦成績は2勝2敗と互角であったが、早い段階で試合が動いた。まず開始2分ころ、一瞬のチャンスを生かした山岸が横四方固で抑えるが9秒で逃す。その直後、山岸の体落を返し福見が「有効」。終盤、一発逆転を狙う山岸の技は再度返され「有効」。ここでタイムアップ。この階級は4人がIJFランキング上位10位(浅見4位、伊部8位)におり、他の選手も国際大会で優勝または入賞しており層が厚い。これに休養中の谷を含めこれからも当分ハイレベルのせめぎ合いがみられそうだ。

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女子52kgは北京五輪3位の中村美里とリオ世界選手権3位の西田優香のライバル対決による決勝戦となった。立ち上がりから中村は足技、西田は担ぎ技を中心にチャンスを狙う。中盤中村の鋭い小内刈に西田はなんとか腹ばいで逃れる。その後,両者ポイントを奪うことなく延長戦に突入する。3分間の攻防中、西田の小内刈に中村は尻もちをつくが「有効」には届かない。結局,旗判定となり3‐0で西田の優勝が決まった。

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女子57kgは北京五輪代表の佐藤を破った宇高菜絵とワールドカップ・ウィーン優勝の松本薫の決勝戦となった。上から奥をたたく松本とその手を絞りたい宇高はお互い不十分ながらも積極的に技を打っていく。しかし決定打に欠き延長戦にはいる。2分が過ぎたところで宇高に「指導1」が与えられるが結局旗判定3‐0で松本の連覇となる。 この階級は好調日本女子の中で五輪や世界選手権で唯一金メダルを手にしていない階級である。世界初挑戦の若い松本の活躍に期待したい。

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総評  (広報委員 中村 勇)

2日間にわたって世界代表の座を争う男女の戦いが行われた。男子では第1シード者の優勝が4人、女子では1人もいなかった。
しかし内容をみると、男子はどちらかというと思い切りに欠けた消極的な試合運びがめだったのに対し、女子は最後まで激しく攻め合う試合が多かったように感じた。日本人は「一本」をとる技を持っていると言われても勝負のかかった大舞台で、それを思い切ってかける勇気と執念がなければ宝の持ち腐れだ
男子では最近階級を上げてきたベテラン選手の活躍が目立った。無理して減量するよりしっかり食べて、追い込んで、良いコンディションで大会に臨む方がいいということだ。特に昔に較べて大会数も増え、選手寿命も延びた今の柔道環境では無理な減量は不利と言える。しかし、その一方、その階級の中堅、若手選手には奮起を期待したい。
女子は代表選手と次の選手の差が小さく国内大会だけでなく海外大会でも実績を競い合っており、活性化につながっているようだ。
まだ男女とも最重量級の代表選出が決まっていない。数週間後に行われる全日本選手権ではふがいない成績に終わった候補選手達の奮起を願いたい。

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