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大会情報

平成25年全日本柔道選手権大会【大会レポート掲載】(13.5.7)

平成25年全日本柔道選手権大会(執筆:全日本柔道連盟広報委員会 渡邉昌史委員)

染井吉野の若葉がお堀端に映える昭和の日(4月29日)、全日本武道館で体重無差別の日本一を決める「全日本柔道選手権大会」が開催された。90㎏級ながら昨年の選手権者加藤剛の連覇なるか、ロンドン五輪100㎏級代表で今大会限りでの引退を表明した穴井隆将が優秀の美を飾るのか、はたまた待望される重量級のエースが誕生するのか注目された。

決勝の大舞台は穴井と講道館杯100㎏超級覇者で初出場の原沢久喜の顔合わせとなった。穴井は準決勝で昨年2位の石井竜太を体落で一蹴するなど4試合のうち3試合で一本勝ち、危なげない柔道で勝ち上がって来た。対する原沢も昨年10月の全日本学生体重別選手権を制して以来、3月の東京選手権まで負けなしの昇竜の勢いで今大会も順調に勝ち進んだ。

決勝、組み手を制した穴井は経験を生かした安定した試合運びで原沢に技を出させず、「指導」2つの優勢勝ちで4年ぶり2度目の優勝を遂げ柔道人生の集大成を締めくくった。

今大会は4強入りした垣田恭兵など、中量級の活躍で会場が沸いた。地区予選から代表権を得た選手のうち半数が重量級以外であったことも特筆されよう。

 

【1回戦】

小林悠輔○(判定3-0)△遠藤剛

初出場の19歳小林に対し、遠藤は3回目の31歳。体重差30㎏、身長差10㎝と体格で勝る遠藤は小林を引きつけようとするも、小林はこれを嫌い、組み際の大内、内股で攻め手数で上回った。

 

松本雄史△(指導3)○小林大輔

81㎏級の松本、組み際の小内刈で攻めるも、100㎏級の小林が終始前に出て、松本に「指導」3つが与えられた。

 

森本翔太○(判定2-1)△影野裕和

100㎏級の両者。影野は内股、背負投、森本は大外刈、背負投で攻め合うが決まらず、旗判定は別れた。

 

稲垣亮○(判定2-1)△奥嶋聡

体重95㎏、90㎏とほぼ同じだが、身長差15㎝と上背で勝る稲垣は大外刈で攻め、奥嶋は体落で応じる。

 

田中大貴○(有効)△野島恒久

一回りほど大きい田中。内股であげた「有効」を守りきった。

 

【2回戦】

辻玄太△(合せ技)○北見剛

体格で勝る辻のペースで進んだ。残り1分39秒、北見が一本背負投「技あり」を奪った。終盤、辻の動きがにぶくなり払巻込で体勢が崩れたところを北見が崩上四方固に極めた。6分12秒。

 

穴井隆将○(大内返)△佐々木智哉

リラックスした表情で登場した穴井。内股が空振りとなるも笑顔で動じず。穴井、佐々木の大内刈を形どおりに返し「一本」。2分18秒。

 

佐藤和哉○(指導3)△菊川顕

17年ぶりに高校生で出場の佐藤、緊張感からか動きが固い。対する6回目のベテラン菊川も思い切った技が出ず、両者に指導が重なる。佐藤は「指導」1つの差で初陣を飾った。

 

百瀬優○(判定2-1)△小林悠輔

186㎝120㎏の百瀬、173㎝90㎏の小林。序盤、小林に「指導」が与えられた後は展開に大きな変化はなく、旗判定は分かれた。

 

石井竜太○(指導3)△野田嘉明

野田は身長差19㎝、体重差37㎏を動きでカバーすべく、石井の先を動きかく乱する。石井は大外刈で攻めるも決められなかった。

 

吉永慎也△(指導3)○渡辺智斗

序盤は81㎏級の吉永が、上背で18㎝上回る渡辺の圧力をかわし、巴投、背負投で攻める。吉永は中盤からは疲れたか「指導」が重なり、終盤は渡辺が押し切った。

 

桶谷知生△(小外刈)○形部安彦

184㎝、110㎏の桶谷は内股、170㎝、75㎏の形部は背負投で攻め合うも互いに決め手を欠き、ここのまま終わるかと思われた残り10秒、形部が出足払から小外刈で一本勝ち。5分50秒。

 

大辻康太△(合技)○小林大輔

序盤は81㎏級の大辻が背負投で攻める。中盤、100㎏級の小林が低い内股で大辻から「技あり」を奪い、そのまま横四方固で合技一本勝ち。3分30秒。

 

穴井亮平△(有効)○高橋和彦

90㎏級の穴井と125㎏の高橋の対戦。高橋は開始早々の内股を見せたが、その後は体落、小外刈で攻める穴井のペース。残り40秒、高橋の払腰に穴井はたまらず横転して「有効」。穴井、果敢に攻めるもタイムアップ。

 

垣田恭兵○(指導2)△長尾翔太

81㎏級の垣田が90㎏級の長尾を背負投、巴投で攻め、長尾に「指導」が重なった。

 

今井敏博○(隅落)△中川裕喜

両者に「指導」の後、中川が仕掛けた技に今井が巧く身体を合わせて隅落「一本」。1分40秒

 

加藤博剛○(腕挫十字固)△森本翔太

前年の覇者加藤、落ち着いた試合運び。腕返しから寝技に持ち込み腕挫十字固「一本」。1分12秒。

 

増渕樹○(一本背負投)△長瀬貴規

増渕は内股、長瀬は体落、小外掛で攻め合う。増渕、組み際の低い一本背負投で一本勝ち。4分52秒。

 

原沢久喜○(内股)△稲垣亮

原沢、稲垣の奥襟を取り、払腰、大外刈で攻め立てる。原沢が組み際に放った内股に稲垣の身体は大きく一回転。1分25秒。

 

斉藤俊△(判定0-3)○棟田康幸

最多出場回数を15回に伸ばしたベテラン棟田。ケンカ四つの組み手で互いに引き手がとれず、技の攻防も見られない展開。旗は棟田にそろう。

 

七戸龍○(内股)△田中大貴

七戸、大外刈で「有効」、さらに内股で一本勝ち。3分4秒。

 

【3回戦】

北見剛△(合技)○穴井隆将

穴井、北見の一本背負投に一瞬身体が浮くも、それさえも楽しんでいる様子。穴井は冷静に払腰で「技あり」、そのまま横四方固の合せ技で決めた。5分23秒。

 

佐藤和哉△(技あり)○百瀬優

佐藤、初戦突破で硬さがとれた動き。中盤、百瀬の大内刈で佐藤は腹這いに。以降は佐藤が大内刈、出足払で果敢に攻める。残り25秒、百瀬が大外刈「技あり」、袈裟固は佐藤が逃れ「有効」。18歳の佐藤のすがすがし戦いぶりに会場からは大きな声援が送られた。

 

石井竜太○(浮落)△渡辺智斗

巨漢の両者、釣り手は背を取り合う。石井は上体のみで渡辺をねじ伏せるように倒し「有効」。さらに浮落で一本勝ち。2分59秒。

 

形部安彦△(腕挫十字固)○小林大輔

73㎏級の形部、100㎏級の小林ともに積極果敢な動きの展開。小林は形部の姿勢が崩れたところを背後から巧みに腕挫十字固に極め「一本」。3分27秒。

 

高橋利彦△(指導2)○垣田恭兵

86㎏級の垣田、長身の高橋の懐に飛び込んで低い背負投を連発。高橋に「指導」が重なる。垣田、高橋に組ませず、終始先手を取り続けた。

 

今井敏博○(技あり)△加藤剛

上背で勝る今井、奥襟を取り引き付ける。加藤は自分の間合いを保ち、腕返しで寝技に誘うなど、落ち着いた試合運び。中盤過ぎ、加藤が抱分で「有効」を奪い、そのまま終わるかと思われたが、終了間際に今井が引込返で逆転の「技あり」。6分。

 

増渕樹△(指導2)○原沢久喜

体格、パワーで勝る原沢。内股で攻め立て、増渕に「指導」が重なった。

 

棟田康幸○(判定2-1)△七戸龍

身長差24㎝、ケンカ四つの両者。釣り手を持ったままでの組み手争い続く。「指導」1つずつの旗判定は分かれた。

 

【4回戦】

穴井隆将○(指導3)△百瀬優

穴井が組み手で圧倒し、百瀬は技が出ない。安全運転に徹した穴井、技ポイントこそないものの、危なげない勝利。

 

石井竜太○(大外刈)△小林大輔

石井は払腰、大外刈を放つも組み手不十分でポイントを奪えず。小林は、組み際に飛び込んで大内刈で攻める。中盤、小林の大内刈「技あり」で場内が沸く。石井の大外刈に小林はこらえたかに見えたが、石井は巨体をあずけて刈り倒し「一本」。3分17秒。

 

垣田恭兵○(浮落)△今井博敏

中量級ながら勝ち上がってきた垣田、今井は加藤を倒し共に勢いにのる両者の対戦。垣田の浮落が決まって「一本」。1分14秒。

 

原沢久喜○(指導3)△棟田康幸

上り調子の原沢が放つ払腰、内股をベテランの棟田はしぶとく受ける展開。技が出ない棟田に「指導」が重なった。

 

【準決勝】

穴井隆将○(体落)△石井竜太

穴井、組み際に狙いすました体落で一本勝ち。14秒。作戦勝ちの穴井に石井は柔道をさせてもらえず。

 

垣田恭兵△(内股)○原沢久喜

しぶとく勝ち上がってきた垣田がここでも本領発揮。垣田は背負投で攻め、原沢に「指導」。さらに垣田、原沢の内股を透かし「技あり」。終盤、疲れの見えてきた垣田を原沢は渾身の内股で跳ね上げ「一本」5分2秒。

81㎏級の垣田、初出場で3位入賞の健闘。

 

【決勝】

穴井隆将○(指導2)△原沢久喜

「最後の舞台」を楽しむかのように、時折笑みさえ見せる穴井。初出場初優勝を狙って気負う原沢。原沢の払腰を受ける穴井に「指導」が与えられるが、落ち着き払った穴井は組み手を制し前へ出る。原沢は得意の内股をすかされてからは攻めにも迫力を欠き、「指導」が重なる。終始、組み手で圧倒した穴井に原沢はなすすべもなく、ブザーが鳴った。

大会公式HP

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