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【女子柔道振興委員会】JJ Voice No.36 塚田真希さん

プロフィール

塚田 真希(つかだ まき)1982年 茨城県生まれ
東海大学体育学部 准教授
講道館柔道女子六段

主な戦績:

2004年 アテネオリンピック 78kg超級 金メダル
2007年 世界選手権大会(リオデジャネイロ)無差別 優勝
2008年 北京オリンピック 78kg超級 銀メダル

このような機会を頂きましたので競技を通して得たものと今、自分が大切にしていることについて述べたいと思います。
中学から柔道を始め実業団で7年間お世話になり計17年間、柔道に励んできました。その中で得たものは主に、考える力と現実を受け入れる力、この2つになります。
勝つために対戦相手を想定した練習を日頃の練習で実現することができるか、そこが課題となりました。当時の強豪選手は中国の選手で自分よりも体格があり体力も優れていました。そういった相手をどう攻略したら良いか、男子選手の協力を得て実現を目指しました。方法は決してシンプルなものではなく、自分の体力に合わせてもらう練習ではリアルを追求できず、かといって本気を出してもらうと怪我をしてしまい、力の差が歴然で練習として成立しなくなってしまうといった両極端な課題をどう克服していくかが大きな問題でした。この繰り返しの中で状況を設定することと自分自身が練習にテーマを持って取り組むことを心掛け、試合と普段の稽古を結びつける努力をしました。また、優勝を目指し出場した試合では当時練習していた大外刈を返され一本負けをしましたが、その経験から独りよがりの練習の無意味さを痛感させられました。この2つの経験から考えたことを実戦へ活かす重要性を学び現在に至ってもこの方法を活用しています。理想を持つことはモチベーションも上がりますし大切なことだと思います。それと同じくらい現実を見ることが大切だということを、柔道を通して学んだと振り返ります。

大会では調子が良くても必ずしも思い通りの結果に結びつくとは言い切れません。対戦相手がいて更に第三者の審判も加わり勝負が総合的に決まります。そのような中で、出た結果に対して納得いくものでなかったとしても受け入れていく度量が必要になります。出た結果に対しどんな状況でもうまくいく方法を模索し選手時代を過ごしてきましたが、結果に対し自分自身で決断し行動していくことが習慣となり現在の自分を支える力になっています。
現在は、東海大学の教員、柔道部監督、そして全日本のコーチをしていますが、競技者として勝つことをゴールにすることが全てではないということを大切にしています。競技者として勝ちを追求することは大前提にその先にどうしていくか、課題克服に努めた方法を柔道以外に役立てていくことが競技力を高める以上に重要なことと自分自身に言い聞かせています。教員になりたての頃、書類一つ作成することが困難で心が折れそうになる時期もありました。ですが、白帯から柔道を始めた時を思い出しながらこなし、なんとか現在に至っています。

最後になりますが、日々の学生の指導や全日本の選手と目標達成に向け柔道に励む中、新しいことを発見したとき、また再認識する度に柔道に魅了されています。特に柔道の技術を対象となる選手の身体の特徴にあわせ応用できたときの面白さは他のスポーツに比べその可能性の幅が広いのではないかと感じています。現在の自分自身を作るものが柔道から得た経験からできていることは間違いありません。柔道に携わる皆さんにとって柔道が何かしらの力を与えてくれるものであることを願います。

次回は、塚田真希さんの土浦日大高校時代の後輩にあたる、福見友子さんが登場します。

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