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【女子柔道振興委員会】JJ Voice No.29 森山かおり さん

プロフィール

森山 かおり(もりやま かおり/旧姓:八戸)1964年 北海道生まれ
神奈川県立舞岡高等学校教諭
神奈川県柔道連盟理事
北海道函館市観光大使
講道館柔道女子七段

主な戦績:

1982~1985年 全日本女子柔道選抜体重別選手権大会 61g級 4連覇
1984年 世界女子柔道選手権大会(ウィーン)61g級 3位
1985年 アジア女子柔道選手権大会(東京)61㎏級 優勝
1986年 全日本女子柔道選手権大会 優勝

最近のマスコミ報道で驚きました。2021年東京オリンピック・パラリンピック開催に世界中の関心が集まる最中、開催国である東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会のトップの座におられた方がオリンピック精神に反する女性軽視の不適切な発言がありました。このニュースを耳にし、私が柔道を始めた時代にタイムスリップしたような思いに駆られました。私が柔道を始めた頃「女性が柔道⁉️」「女性は女性らしく」等、女性が柔道を志す事に対して、理解度は、現在のように高いものではありませんでした。母ですら、柔道の練習に行くことに良い顔をしませんでした。当時の日本柔道界はオリンピック、世界選手権でメダルを総なめにする男子柔道が主流で、女子柔道は二の次。しかし、女子も世界選手権がスタートする事となり、ようやく女子柔道の強化も、始まりました。その頃の女子柔道は、高校、大学、実業団で、練習環境は整っておらず、先輩女子柔道家達は手探りで練習出来る場所を求め、恵まれない環境の中、世界で優勝するという大きな夢を抱き情熱を持ち、日々、練習に励んでいました。高校生であった私は、先輩達から大きな影響と感動を受け、この熱き情熱を受け継いで行こうと決心しました。高校卒業後、同郷の佐藤宣践先生が監督しておられる東海大学に進学しました。大学では女子柔道部が、まだ設立されておらず、男子120名の中に女子が少数いるだけでした。女子の指導者からは「ここにいる男子は世界でメダルを目指している。お前らと稽古しても、男子は何一つプラスにはならない」という事をよく言われました。男子相手の激しい日々の稽古は、ひたすら投げられ気が遠くなるほど受け身をしました。負けず嫌いの私は日本一の道場で練習する毎日が幸せで、指導者の厳しい言葉に奮起し「男子に負けてなるものか!」と、練習に邁進しました。「男だから女だから」なんて考える余裕もない学生生活でしたが、恩師や先輩、後輩仲間達の暖かい励ましのお陰で卒業間近に、行われた第1回全日本女子柔道選手権大会で優勝を果たすことができたのは本当にラッキーな出来事でした。

現在私は神奈川県の公立高校で教鞭をとる日々を過ごしております。教科指導、担任、部活動の指導と、自問自答しながらも前向きにチャレンジしております。授業、部活動では、全員が男子の時もあれば女子だけ、男女混合と様々です。常に思うことは、柔道を通して学んだ「精力善用・自他共栄」の嘉納治五郎先生の教えの通り、生徒の心に向き合い共に努力し成長しようということです。生徒達には「男性、女性の特性を理解し、尊重し合いながら、社会を作っていくのが、君達なんだ」と常々伝えています。競技においての日本女子柔道の礎を築いた一員でもある私ですが、何よりも嬉しいことは、後輩女子柔道家たちが先駆者達の「JJスピリッツ」を受け継いでくれていることです。男子柔道に引けを取らない堂々とした世界での活躍ぶりに自分のこと以上に嬉しい気持ちでいっぱいになり、いつもエールを送っています。2019年から神奈川県柔道連盟の理事に就任すると同時に、女子柔道普及に向けて練習会も設立し、女子柔道の普及活動にも取り組んでいます。物事に情熱を持って成し遂げていく強い気持ちは男性、女性の違いはありません。男尊女卑の歴史のある日本、これからは女性の権利を主張するだけではなく真の実力を身につけていかなければならないと考えます。そして時代の流れを敏感に察知しスポーツ分野のみならず様々な分野において男性、女性の特性を尊重し、協調し合いながらより良い社会を構築させていくべきと考えます。

2019年からスタートした神奈川県女子柔道練習会
指導している神奈川県立舞岡高校柔道部、東海大付属相模高等学校で行われた越年合宿参加で撮影したものです。恩師佐藤先生、東海大付属相模高等学校前監督林田先生の協力もあり白帯から始めた男子柔道部員達が3年間で立派に成長しました。

次回は、選手時代切磋琢磨し、苦楽を共にした神取忍さんが登場します。

TOKYO 2020特設ページ
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