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【女子柔道振興委員会】JJ Voice No.3 中村美里さん

プロフィール

中村 美里(なかむら みさと) 1989年東京都生まれ
三井住友海上火災保険株式会社女子柔道部 選手兼アドバイザー
講道館柔道女子四段

主な戦績:

2008年 北京オリンピック 52kg級 銅メダル
2015年 世界選手権大会(アスタナ)52kg級 優勝
2016年 リオデジャネイロオリンピック 52kg級 銅メダル

「金メダル以外は同じです」
これは私が初めて出た北京オリンピックで銅メダルを獲った時に言った言葉です。オリンピックには3度出場しましたが、第一線で戦っていた自分にとってはそこで勝つことが全てでした。そんな私が、自分の中で最後と決めていたリオデジャネイロ大会後にどんな挑戦をしてきたのか、少し書かせて頂きます。
オリンピックから8ヶ月後、私は筑波大学の社会人大学院(※)に入学しました。高校卒業後は進学ではなく実業団を選んだこともあり、競技以外のことを学びたいという想いがありました。在学中は“柔道トップアスリートの妊娠・出産に関する研究”というテーマで、ママアスリートを取り巻く環境の改善に関して考えを深めました。世界を見ても柔道家で出産後に第一線に復帰した事例が少なく、個人差も大きいため、ママアスリートの復帰に関しての課題は山積みです。
それから選手としては、野望ともいえる目標にも挑戦をしました。それは無差別で女子の日本一を決める皇后盃への出場です。テーマは“柔よく剛を制す”の体現。52㎏級で皇后盃出場を目指すのはかなり難しいとも言われましたが、小さくても大きな相手に勝てるという柔道の魅力を、少しでも多くの人に知ってほしい!という想いを持っていました。1回目の東京都予選では、あと一歩のところで本戦出場を逃しましたが、翌年に再挑戦。体重差約50kgの相手にもなんとか勝ち、皇后盃の出場権を掴むことができました。それまではオリンピックの金メダルだけを目指していたのに、この予選突破は、涙が滲むほど嬉しかったです。それはその目標と向き合い本気で挑み、成し遂げたからこそ感じた達成感でした。目標を立てるときに大切だと思うのは、大会の大きさでもレベルでもなく、“自分が完全燃焼できるかどうか”だと思います。
指導の面では、国内外で行っていた柔道教室等で、技を披露するだけではなく、楽しみながら学んでもらえるようなメニューを一から自分で計画する新たな取り組みをしました。中でも指導者養成コースの講師としてブラジルに招かれた際に、ナショナルチームのコーチらに行った柔道指導。今後の指導者像を描くのにとても貴重な機会となりました。
現在は、所属先で自分の練習を続けながら選手兼アドバイザーとして活動しています。現役であることで、後輩たちに実践的な感覚でアドバイスができるメリットがあると考えています。これからも選手として試合を目指しながら、将来は選手それぞれの個性を活かせる指導者になるべく取り組んでいきたいです。
また、柔道家7人で#standupjudoというプロジェクトを立ち上げました。新型コロナウイルスの蔓延で、全世界で厳しい状況が続いています。それでも世界で戦ってきた私たちが中心となって柔道界を盛り上げ、人と人が繋がるきっかけになれば嬉しいです。
今こそ視野を広げ、安全の範囲内で、自分らしい新たな挑戦を始めてみましょう

※筑波大学人間総合科学研究科スポーツ健康システム・マネジメント専攻(社会人対象)

皇后盃出場権獲得
ブラジル柔道指導

 

次回は、中村美里さんとライバルとして共に鎬を削った
西田 優香さんが登場します。

TOKYO 2020特設ページ

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