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生活の面倒もすべて見て初めて「先生」

――生活の面倒とは具体的にどういったことですか。

こちらは失業率が70%くらいで仕事を持っていない人がほとんどなので、みんなその日暮らしです。病気になった、結婚する、自然災害で家が壊れた、とかいろんなことが起きますが、何かにつけお金がかかります。そういう面倒もみるということです。そういうことをしてはじめて「先生」ですから。柔道を教えているだけ、というわけにはいかないんです。

――ザンジバルの人々にとって柔道はどんな魅力があるとお考えですか。

柔道で強くなれば外国に行くことができるところじゃないでしょうか。ここには島から一歩も出たことがない人がたくさんいます。東アフリカ選手権や世界選手権に出場したり、2~3年に一度、順天堂大学で2~4人ほど3か月ほど預かってもらっているんですが、これもそうです。つまり、人生の可能性が広がっていくわけですよね。
アフリカに「サファリに出るということは勉強することだ」ということわざがあります。サファリ(safari)とはスワヒリ語で旅という意味ですが、旅に出ることはとても大事なことだと考えられているんですね。だからザンジバルの柔道家は尊敬されるんです。そういう立場にいるので個人個人が柔道家としてのプライドを持ってしっかり生きていくことが大切ですし、そういう弟子を多く育てていくことが私の仕事ですね。

――東アフリカ選手権がとても重要な大会ということですが、その理由は。

ひとことで言って参加しやすいんですね。飛行機に乗って行かなくても、船とバスだけで参加できるので。それにメダルを獲る可能性が高い。それが大きいと思います。世界選手権とかでメダルが獲れるわけではありませんから。あと、国際柔道連盟の主催大会にはタンザニアとして出場しますが、東アフリカ大会にはザンジバルとして出場できることもあります。ザンジバル人としての誇りをかけて戦うことができるわけです。
この大会は、ザンジバル、タンザニア本土、ケニア、ブルンジ、ルワンダ、エチオピア、ウガンダなど7カ国が参加して行われていて、昨年は第12回大会でしたが、ザンジバルは第5回大会以来の総合優勝を果たすことができました。ここ数年は厳しい戦いが続いていたのですが、今度こそ何が何でも優勝しようということで、かつての弟子たちが若い弟子に稽古をつけて1か月半近く合宿をして準備をして、全員で勝ち取った優勝でした。だからみんなすごく喜んでいました。

 

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