
プロフィール
南條 和恵(なんじょう かずえ/旧姓:永井)1972年 京都府生まれ
仙台大学柔道特認コーチ(女子柔道部監督)
講道館柔道女子六段
主な戦績
1997年~1999年 全日本選抜体重別選手権大会 52kg級 3連覇
1997年 世界柔道選手権大会(パリ)52kg級 出場
1997年 東アジア大会柔道競技(釜山)52kg級 金メダル
主な指導歴
2007年、2009年 全日本学生体重別選手権大会 優勝
2023年 全日本学生優勝大会 第3位
活動歴
宮城県スポーツ協会 理事
宮城県柔道連盟 常任理事
みなさん、こんにちは。仙台大学の南條和恵と申します。
この度は女子柔道振興委員会からご推薦いただき、執筆の機会をいただきましたこと心より感謝いたします。
私は、2023年度まで本委員会で委員を務めさせていただきました。
どのような取り組みをすれば、女性柔道家にとって活躍の場が広がるだろう、やる気につながるだろうと当時の委員長松田基子先生をはじめとする皆さんと、熱く(時には楽しく)会議等で話し合った時間が懐かしく思い出されます。このJJ Voiceも読者の皆様にとって何かの励みややる気につながっていれば幸いです。
【現役時代のこと】
5歳の時に伯父が指導していた宇治警察署の道場で柔道を始めました。周りには男の子しかおらず、大会で勝った時の賞状の名前が「永井和忠君」となっていたことがあったりと、女の子が柔道をしていることがまだ珍しい時期でした。
当時はまだ、全中もジュニアも女子の部がなかった時代。高1春の高校選手権に出た時が、個人での初全国大会でしたが、自分がどれくらい強いのかも弱いのかも分からないまま出場し、優勝した自分に驚いたことを憶えています。
幸いにも大きな怪我もせず、16歳から29歳までの長期間にわたり、全日本強化選手として多くの経験を積ませていただけた、実に幸せな選手時代でした。
【女性柔道指導者として】
30歳(2002年)からは指導者としての人生が始まりました。縁あって赴任した仙台大学での指導も23年を迎えます。東北という不慣れな土地でしたが「ここで柔道がしたい」と集まってくれた学生たちと歩んだ時間はまさにチャレンジの連続でした。
就任5年目に、村井加緒里・田中美衣の2名が同時に仙台大学初の学生日本一に輝いた日は今でも忘れられない思い出であり、2011年の東日本大震災で「柔道ができる日常の尊さ」を学生たちと共に痛感したことも大きな経験となりました。また、まだ見本が少なかった育児をしながらの監督業継続は、学生の理解と夫(南條充寿)の助け、所属や周囲の協力がなければなしえなかったことだと感じています。
【東北から柔道界を支える人材を】
現在は卒業生の佐藤真佑コーチの力も借りて、37名の女子部員の育成にエネルギーを注ぐ毎日です。私たちが目指すのは、東北の大学としていまだどの大学も到達していない「団体日本一」の頂。これは単なるチームの夢ではありません。地方からでも全国の頂点に立てるという事実を示すことが、柔道界全体の発展につながると私は信じています。
前例がなく、とてもやりがいのある難しい挑戦であり、何度も跳ね返されます。
しかし、その挑戦を通じて人間力を磨き、いずれは柔道界だけでなく社会に貢献できる人材を1人でも多く育てるため、これからも畳に上がり続けようと思います。
- 息子を連れてコーチングを続けていた頃
- 初めて日本代表になった25歳(東アジア大会)
- 2023年全日本学生優勝大会3位入賞
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