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【女子柔道振興委員会】JJ VoiceNo. 83 鮫島 元成 さん

プロフィール
鮫島 元成(さめしま もとなり)1950年 鹿児島県生まれ
講道館柔道八段
公益財団法人講道館 参与(2022年3月31日まで道場指導部長)

指導歴:
筑波大学附属高等学校教諭(1975~2014年)
公益財団法人全日本柔道連盟女子強化コーチ・委員(1993~1996年)
公益財団法人全日本柔道連盟教育普及委員会 委員(2005~2014年)

尊敬する森脇先生からボソッと依頼がありました。先生とは学生時代試合をし、負け、全日本女子のコーチを長年一緒に「耐え」、そしてその後、森脇、柳沢(当時のヘッドコーチ)先生、鮫島の3家族で毎年旅行に出かけていました。柔道家の中でも際立って謙虚な先生です。ここからは一緒に女子柔道の創成期1983年から14年間強化コーチを経験させてもらった「感慨深い」思い出を書きます。

① まず、選手から何本投げられたか計算もしたくない、よく身体が壊れなかったと思う、今まだ歩ける身体があると思う。時々腰痛で歩けないときもあるが。選手の技は、実際に組まないとわからない。お互いに柔道衣を握ったときに、目を合わせたときに、そして打ち込みを受け、投げられた時に、その選手の技の巧拙だけではなく、その日の心身の調子、人間性までわかる。その理由から全日本強化の「腕組みコーチ」は失格である。

② いろいろ特徴のある選手がいた。特徴というのは「特長」ではない。いいも悪いも人と違うということである。はっきり述べると、とんでもないことをする選手がいたということだ。今なら、即、強化選手を首という処置を取られるであろう。私も指導不足の責任上、強化委員長に辞表を提出したことがある。委員長は「君が辞めるのであれば俺も辞める」と辞表を返された。今もその辞表は手元にある。ところが、時が経過して現在、そのとんでもない選手たちはどのような生活をしているのだろう。嘉納師範が考えた柔道教育の恩恵は素晴らしい。機会あって各地の講習会、大会に出かけると「先生」と言って声を掛けてくれる。暫くは誰だかわからなくても、時間の経過とともに過去の思い出がじわじわと染み出てくる。皆立派になっている。柔道界で活躍している人はもちろんであるが、自分の可能な範囲で精一杯社会貢献している。強化であるから、勝つことが宿命である、だから負けるものもいる。試合で負けても人生で勝てばいいのである。それが柔道を通しての教育である。

③ 高校の教員生活をしながらのコーチであった。選手が高校に練習に来る。生徒の練習が終わってからさらに選手の練習を続ける。家に帰るのは夜更けが多かった。疲れ、ストレス癒しの赤提灯のせいもあるが。年間強化合宿が10回以上ある。職場もよく許可してくれた。家庭も我慢してくれた。引っ越しを2回したが自分は立ち会っていない。合宿が終わり元の家に間違って帰った。

④ ⑤⑥⑦とまだ続けたい。思い出し始めるときりがない。女子柔道の本も書けるかもしれない、でも字数が限られているのでまとめたい。
自分の人生は、柔道を通しての教員生活、そして強化コーチの経験がそれを裕福にした。教育の成果は時間が経たなければわからない、数字では表せない。だから柔道を経験した皆さんは、必ずや立派な人間になっていると確信したい。痛いのに何回も投げられて、好きな食べ物も我慢し、やっと減量して出た試合では負けて、それを何回も経験した、それでも辞めなかった。「引退します」という言葉をいつ言うかと悩んだ。そのような選手を何人見てきたことか。私は勝とうが負けようが柔道衣を着てがんばっていること、それがすばらしいと思う、美しいと思う。

次のバトンは、私が一番苦心して指導させてもらい、その成果をいかんなく発揮し、試合の面白さを見せてくれ、今立派なお母さん、柔道指導者、職業人として頑張っている、愛すべき小澤(旧姓:福場)由里子さんに渡します。

1990(平成2)年8月、全日本女子ジュニア強化選手フランス遠征。左から森脇先生、阿武さん、牧野さん、馬場さん、田村さん、菅原さん、永井先生、中橋さん、加藤さん、吉田さん、鮫島。(当時の姓名にて記載)
2024年アブダビ世界選手権大会

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