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【女子柔道振興委員会】JJ Voice No.179:阿部純香さん

プロフィール
阿部 純香(あべ すみか/旧姓:町) 1992年 福岡県生まれ
就労支援施設 リベルタ 支援員
講道館柔道女子四段

主な戦歴
2013年 全日本学生柔道体重別選手権大会 78kg超級 準優勝
2017年~2019年 全日本実業柔道個人選手権大会 78kg超級 3位

この度は貴重な機会をいただき、心より感謝いたします。山梨学院大学の1学年下にあたる井上愛美さんよりご紹介いただきました阿部(旧姓:町)純香と申します。井上さんは私の柔道人生において一番試合した相手です。初めて試合をした際は、瞬殺され、全国にはこんなにも大きくて強い人がいることに田舎者の私はとても驚きました。学生時代から社会人までたくさん対戦し、今では笑い話になるくらいいい思い出です。

私は父がきっかけで柔道を始めたのですが、病気がちだった父を元気づけるために続けてきた柔道を通して、誰かのために力を尽くすことの素晴らしさを学びました。私の父は現役時代、オリンピックの候補選手だったと聞いており中学、高校、大学と父の後輩にあたる方々にご指導していただきました。私が小学生の頃から入退院を繰り返している父のお見舞いに行った際に「私が強くなるのとお父さんの病気が良くなるのとどっちが早いか勝負ね!」と励ますためによく話をしていました。高校3年生の金鷲旗高校柔道大会は体調が安定していたため応援に来てくれました。その日は大雨の影響で私の会場への到着が試合開始1時間前というハプニングはありましたが、当日が父の誕生日という中、3位という結果をプレゼントすることが出来て良かったです。

大学2年生の頃、母から父が危篤状態になったと連絡がありました。開催県の大将を任命されていた山口国体を1週間後に控えていたため、試合の準備をしたうえで急いで帰りました。父の顔を少し見たあと試合に向けて出発するために、父に話しかけたところ、ずっと意識がなく眠っていた父が頷き返事をしてくれました。父からパワーをもらい挑んだ山口国体では初めて全国大会で決勝戦まで進むことができ、父だけでなくここまでご指導してくださった恩師にも少しですが恩返しができました。

その翌年の全日本学生の3日前に父は他界しました。この時も試合に出ないという選択肢はなく、試合の準備を済ませてから父のもとに向かいました。試合に出るには父を最後までお見送りすることが出来ないため、親戚からは反対されましたが、恩師の方々に「親父さんのために試合に行くよな?」と背中を押してもらい出場した試合では入賞することが出来ました。試合に行くことを反対していた親戚から泣きながらお礼を言われた時も、恩返しができたような気がしました。

いつも応援してくれている家族、一から柔道を教えてくださった恩師の方々、一緒に切磋琢磨し合った仲間たちなど、この人のために頑張りたい、その人を笑顔にしたいという気持ちを持つことで発揮できる力が大きくなるということを私は柔道を通して学ぶことができました。この貴重な機会に、改めて私の柔道人生を振り返ってみると、ほとんどを誰かのために取り組んでいたということを感じました。ぜひ、皆さんにもその事をお伝えしたく筆を取らせていただきました。その想いが、これからの皆さんの力になってくれれば、私も嬉しく思います。

 

※女子柔道の振興ページではJJ Voiceコラムのバックナンバーをはじめ様々な情報を掲載しています。
こちらから是非ご覧ください。

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