November 21, 2017

国際柔道連盟試合審判規定Q&A(2017.10.23)

最近実施している審判研修会でよく問合せがある内容を全日本柔道連盟審判委員会でまとめました。

・20171023国際柔道連盟試合審判規定Q&A(PDFファイル)

【技の評価】

・『スーパー一本』は継続されているか?

⇒ 『スーパー一本』はIJF独自の通称であり、国内の『一本』の見解に含まれている。国際大会では倒された選手の着地箇所を見て技の評価をするので、改正後の『技あり』になることが多い。

【罰則】

・延長戦で指導を与える場合(試合継続)は、合議をせずに主審の判断で与えて良いか?

⇒ 「指導」を与えて試合が終了するのであれば、合議(または合意)が必要である。「指導」を与えても試合が継続されるようであれば、主審が判断し、異議があれば副審が着席のまま訂正のジェスチャーをする。

・脚取り(又はベアハグ)された選手が抑え込みに入ったケースでは、どのタイミングで「指導」を与えれば良いのか?

⇒ 「抑え込み」を宣告し、両選手の視界に入る位置に速やかに移動した後、試合を止めることなくジェスチャーを行いながら「指導」の宣告をしても良い。あるいは「そのまま」で一旦試合を止め「指導」の宣告の後、「よし」で試合を再開しても良い。

 

・一本背負投を掛けた選手の脚を抱え、技を防ごうとした選手(反則行為)が寝技へ移り、絞技、関節技に入ろうとしたら?

⇒ 「待て」を掛け、脚を抱えた選手へ「指導」の罰則を与える。

・消極的な選手に「指導」を与えようとしたら、その選手が投げられた場合、ポイントと罰則の両方を取っても良いか?

⇒ 原則としては、一人の選手に対しポイントと罰則を同時に与えるケースは(通称ダブルパンチ)『脚への攻撃防御』と『ベアハグ』のみである。

・袖口に指を入れた場合は即「指導」で良いのか?

⇒ ポケットグリップやピストルグリップとは違い、袖口内に入れた指を負傷する可能性があるため、ハッキリと目視したら、直ちに「指導」を与える。

・ブリッジによる「反則負け」は合議が必要か?その際審判の意見が2-1に分かれたらどうすべきか?

⇒ 「反則負け」は試合終了となるので、必ず合議・審判委員・映像の確認をすること。映像がなく、審判員の意見が分かれた場合には審判委員を含め合議して決定する。

・場外に出てからの技で投げてもノースコアだが、自ら場外に出て技を施した場合は、例え投げたとしても場外の「指導」を取るのか?

⇒ 場内での攻防がない状態で、自ら場外に出る行為(両足とも場外に出た場合)は、出た瞬間に「待て」とし「指導」を与える。しかし、場内から攻撃動作が始まっている場合は止めてはならないので注視すること。

・標準的でない組手について『直ちに』とは何秒なのか?

⇒ 秒数ではなく、直ちに攻撃動作を行っているか、いないかを見極める。積極的に攻撃しようとしているのか、単に相手の組手をブロックしているだけの消極的な組手・動作かを見極めること。

・『投技を準備するのに時間がかかることもあるため、組んでから攻撃を掛けるまでの時間を45秒に延長し』とあるが、標準的な組み方であれば待つべきなのか?

⇒ 45秒の時間はあまり意識しない方が良い。お互いに標準的に組合い、機を伺う状態や積極的な動作が見られる場合は、「今までよりも時間的な猶予を与えよう」と言う考え方である。標準的な組み方であっても、ネガテブな姿勢が続く場合は、的確な罰則「指導」を与えるべきである。

・場内外の判断について、押し出しているのか、場外へ逃げているのかの判断が国内でもばらつきがある。IJFとしての基準があるのか?また、基準が無いようであれば国内だけでも基準を設けてほしい。

⇒ 場内外の判断については、現行のIJFルールの通りであり、国内外についての基準の差はない。故意に相手を場外へ押し出す動作があれば『押し出しによる場外「指導」』を与えるべきである。

・片手で相手の柔道衣を掴んでいたが、両手を離してベアハグを掛けた。「指導」の罰則となるのか。

⇒ 取りが受けの柔道衣のどこか一か所でも握って『組んだ状態』から瞬時にベアハグを掛けた場合は、ペナルティとはならない。手を組み合ったり、柔道衣に触れたりした程度は『組んだ状態』とはみなさない

【審判委員の権限】

・審判団の決定の後に、審判委員が異見を述べて良いのか?

⇒ 審判員の判断が混乱し、微妙な場面では、主審・副審が決定を下す前に審判委員は試合を中断し、審判員に映像を基に意見し、訂正を促す必要がある。主審・副審が決定した後でも、明らかに審判ミスであれば訂正しなければならない。
※審判委員制度の目的:主審・副審が判断ミスを行いそうな時に、正しい判断に導く最後の役割が審判委員である。

・審判委員は『技の評価のアップダウン』や「指導」の間違いに対して訂正してよいのか?

⇒ 映像を確認し、明らかな間違いであり選手に不利益が発生する場合は、試合を止めて審判員に意見をしなければならない。

【ジェスチャー】

・柔道精神に反する行為で「反則負け」にする場合のジェスチャーは?

⇒ この「反則負け」は様々なケースが考えられるので、ジェスチャーは決まってはいないが、これほどのケースで審判団が合議していれば、当該選手・コーチ・観衆も既に状況を理解していると思われる。従ってダイレクトに「反則負け」を宣告してよい。理解できていない少年等の試合であれば教育的観点から、口頭で説明して宣告しても構わない。また、コーチからの説明要求があった場合は、試合後にコーチを呼んで理由を説明してもよい。

・ブリッジでの「反則負け」のジェスチャーは?

⇒ 全柔連としては、後頭部(首付近)に触れて該当者を指す動作を推奨している。また、ダイビングとの差別化を図るため、頭を前屈させる必要はない。

 

【両者同時「反則負け」の取り扱い】

・両者同時「反則負け」の取り扱いについては、どのようにするべきか?

⇒ 本戦で両者「反則負け」の場合、その時点で延長戦となる。延長戦で両者同時「反則負け」の場合は、勝者なしとして試合を終了する。