December 7, 2019

アルメニアOSコース(川内谷一志氏)報告(07.6.18)

アルメニアOSコース(川内谷一志氏)報告(2007.6.18)

川内谷一志

1.派遣国

アルメニア共和国
面積
2万9,800平方キロメートル(日本の13分の1、旧ソ連邦の中で最小)
首都
エレバン
民族
アルメニア人(97.9%)クルド人(1.3%)ロシア人(0.5%)
言語
公用語はアルメニア語(インド・ヨーロッパ語族に属し、独立の一語派をなす。独自の文字を持つ)
宗教
キリスト教(東方諸教会系のアルメニア教会) なお、アルメニアは、国家として、また民族としても、世界で最初に公式にキリスト教を受容した国である(301年)

2.期間

2007年4月22日~28日

3.受入機関

アルメニアオリンピック委員会 アルメニア柔道連盟

4.会場

「HAYASTAN」Sport UNION  ―アルメニアスポーツ学校― 日本製の畳があり、建物自体は古い感じを受けましたが、講習に問題はありませんでした。

5.アルメニアの柔道事情

柔道人口は3千人程ですが、すでに国際試合で活躍している選手もいます。60kgのダビチアン選手は2007年グルジョア国際3位、ドイツ国際優勝。同じく60kgのナザリアン選手はドイツ国際5位。その他世界学生選手権で入賞した選手もいました。 アルメニアの柔道はサンボが基礎になっていて、旧ソ連時代からサンボの選手が指導に来ていていました。日本人としては私が初めての指導者でした。 オ リンピックソリダリティーからは、ロシア人のコーチを推薦されたのですが、オリンピック委員会のスポーツディレクターの「ロベルト、ジャニベキヤン氏」が 強く、日本人の指導者を希望したそうです。オリンピック委員会と柔道連盟が協力して強化にあたっていますが、やはりどうしても予算がネックになっているよ うです。オリンピックや世界選手権に向けては、1月から始まるヨーロッパでの試合や合宿への参加を提案したのですが、チームで送ることなどとても難しく、 1,2名の選手を送るのが精一杯のようです。また柔道着の獲得も難しく、日本の柔道連盟に協力してほしいということや、また、今回のような短期の指導者で はなく、長期の指導者も派遣してほしいという協力依頼もされました。

6.講習の内容

期間は4月22日から28日までの7日間でした。会場はアルメニアスポーツ学校で行われ、柔道の他にレスリングやサンボ、陸上競技、サッカーなどが行われています。 午前と午後の2回の講習を提案したのですが、遠方から来ている方が多いということで1日1回、11時から3時までというプログラムでした。参加者は指導者が多くトータルで65名でした。 内容は帯の結び方に始まり、礼法、柔道の歴史、立ち技においては、背負い投げ、大外刈り、大内刈り、小内刈り、体落とし、内股、袖釣り込み腰、谷落とし、打ち込み、組み手を指導しました。寝技ではおもに相手が四つんばいのときの攻め方を指導しました。 2005 年のトルクメニスタンのときは、私の拙い英語で自信が無かったのですが、今回はものすごく日本語が堪能な通訳の方がついてくれたおかげで、かなり細かいと ころまで説明できたと思っています。毎日講習の最後にディスカッション(質問タイム)を行ったのですが、ほとんど毎日1時間を越え、受講者の真面目に取り 組む姿には感激しました。先にも述べたように旧ソ連時代からサンボの選手に指導されていたので、初めて聞く柔道の基本である礼法や、柔道には教育学や哲 学、心理学が必要といった内容にはビックリしていました。 

7.まとめ

私が日本から来た初めての指導者だからでしょうか、非常に熱心に受講してくれました。特に、毎日熱心に手帳にメモしていた指導者の方々には、ただただ頭の下がる思いです。 現 在、柔道連盟やオリンピック委員会では、経済的な理由から十分な活動が出来ていないのが実情です。畳、柔道着、指導者の不足は、他の国同様にここアルメニ アでも深刻な問題です。このような国に指導に来ると、いかにオリンピックソリダリティーの持つ意義が重要であるか痛感します。 最後に、滞在中すべてにおいてお世話になった、柔道連盟の会長、「アレクシィ、アベチスヤン氏」、そして、このような機会を与えていただいた、IJF理事の山下泰裕氏、全日本柔道連盟の関係者の方々に心からお礼を申し上げまして報告と致します。