September 21, 2019

全国七大学柔道優勝大会報告(07.10.31)

全国七大学柔道優勝大会報告(2007.10.31)

旧聞に属しますが、2007年6月に行われた全国七大学柔道優勝大会について報告します。

全国七大学柔道優勝大会は、今年で第56回を数える、歴史のある大会であり、旧帝大を基とする全国七大学(北から順に北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学)(以下七大学)の総合体育大会の一環として行われる。

七大学の柔道部には推薦選手(柔道特待生)がいない。その関係か、柔道部員は少なく、総じて選手の体格も大きくはない。また、大学に入ってから柔道を始める者もいて、柔道が必ずしも強いとは言えない。ただ、気迫と根性では誰にも負けないと言う者が多く、日夜稽古に励んでいる。勿論、学業との両立が前提であり、特に理科系の学生は実験の授業に追いまくられつつ、稽古に精進している状態である。

七大学柔道は「立って良し、寝て良し」の柔道を目指しているが、旧高等学校専門学校柔道(以下旧高専柔道)の流れを汲み、引き込みを認めているため、試合ではどうしても寝技が多くなっている。初心者でも、寝技であれば三ヶ月もあれば使いものになるため、その観点からも寝技に励む傾向がある。旧高専柔道は独自の寝技を確立したが、七大学も多くの部分でそれを踏襲して独自の寝技スタイルがある。前三角締めはその典型ではあるが、寝技における時間の使い方も国際柔道等とは一線を画す。6分間の試合で、時間を使って体勢を少しずつ良くし、ラスト1分で抑え込みに入り、一本を取ると言うパターンが多いのはこの柔道の特徴ではないかと思う。一旦寝技に入れば、「待て」はなく、場外に出ても場内に戻される試合のあり方が、寝技に時間を掛けることを容認するものである。更に七大学戦は15人の勝ち抜き戦で、一本勝負と言うのも寝技を駆使する要因になっている。勿論、立ち技の試合も数多くあるが、対戦相手によっては試合開始と同時に寝技に入り、寝技の攻防に明け暮れると言うのは、国際柔道マンにとって、かなり異質なものに見えるかも知れない。

七大学柔道部の諸君の七大学柔道にかける思いは非常に強く、誰にも負けない気迫と根性を持って、試合は壮絶なものとなる。締めで畳を叩くものは皆無で、七大学での敗戦は人生の転機にもなる位で、母校の名誉と個人の尊厳をかけた闘いは、一種独特な雰囲気があり、ある意味異様ともとれる盛り上がりを見せる。

今年の七大学戦は2007年6月16日及び17日、京都の武徳殿にて行われた。京都武徳殿は旧高専柔道の発祥の地であり、暑い最中ではあるが、試合は大きな盛り上がりを見せた。

最近の柔道部員の減少により、15人揃えられない大学が3校もあり、今後の問題を露呈したが、人数とは別に熱戦は続き、1日目に1回戦及び敗者復活戦を行った。ここで、大阪大学、名古屋大学、東京大学が振い落とされた。翌日準決勝/決勝と進み、4回生が充実していた京都大学が準決勝で九州大学に、決勝で東北大に完勝、7年振りの優勝を果たした。京大は、昨年は最下位に沈んだが、臥薪嘗胆、一躍優勝を成し遂げたのは見事であった。

結果は優勝京都大学、準優勝東北大学、3位九州大学/北海道大学、5位東京大学、6位大阪大学/名古屋大学であった。

来年は仙台、杜の都での七大学戦である。これから一年、どう鍛えて試合に臨むのか、どんな試合を闘ってくれるのか、母校は勝てるのか、そして自分はどう母校の柔道部に貢献して行けるのか、今から心躍るのである。

全柔連総務委員会 宇野 博昌(東大柔道部OB)