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得意の寝技指導と、監督や選手からの言葉から、大きなやりがいを感じる日々

――イスラエルで指導をしてみて、日本の柔道と違いを感じるのはどんなところですか。

一番の違いはフィジカル面だと思います。イスラエルの選手は力と瞬発力があるんです。ジムに行ったり、ウエイトトレーニングをする時間が長いのでその影響があると思います。
技術面で言うと、基本練習をあまりしないんですね。なので、前襟を持ち手首を使っての細かい動作などは苦手というところがあると思います。日本人が打ち込みや反復などの基本練習にかける時間をトレーニングにかけているという印象です。技術が足りない分、フィジカルで補っているということだと思います。

――ナショナルチームの普段の活動はどのようになっていますか。

現在、女子の強化選手はシニアが15~16人、ジュニアが20人、カデが40〜50人くらいいます。こちらは日曜日始まりなので、日曜から金曜まで練習拠点の国立スポーツセンターで練習しています。金曜日の午後と土曜日は休みです。毎日が合宿しているような感じで、シニアは国立スポーツセンター内のホテルに滞在して週末だけ自宅に帰るという人が多いです。
私は基本的にシニアのチームを指導していて、主に寝技を担当しています。

――担当は細かく分かれているのですか?

そういうわけではないのですが、私と選手たちの寝技にあまりにも違いがあるということで、「ミキ、寝技をやって」ということになった、という感じです。
私が来るまでイスラエルには寝技を教えられる人がいなくて、寝技と言ったら三角に入るというくらいで、崩し方も身体のさばき方も知らないようなレベルだったんです。これでよくオリンピックに出ていたな、というくらいで。最初の頃はどこから手をつけていいのかわからないくらいでした。
そんなところから始まったんですが、ある大会で、私が教えたとおりに足をさばいて抑え込んで勝った選手がいたんです。それは誰が見ても田中が教えた技術だとわかるものだったので、監督から「これはミキの仕事だね、ありがとう」と言われて。うれしかったです。

――「ミキの仕事だね」。すてきな褒め方ですね。

こういう褒め方は日本ではあまりないですよね。選手もこういうふうに言ってくれることもあるので、そういうときに、やりがいをすごく感じます。

――指導にあたって日本と違うと感じるのはどんなところですか。

こちらの選手は、練習の目的や意味を理解しないとやらない、というところでしょうか。例えば、「打ち込みは足を揃えたところから入りなさい」と言うと、「乱取りではそんな状況から入らないのにどうして?」と聞かれるんです。日本であれば、指導者が言ったことは、とりあえずやってみると思うんですが、そうではないんですよね。
この場合だと「たしかにそうかもしれないけれど、技に入るスタート位置がわかっていないと技が崩れていたり、自分がまっすぐに立っているという感覚がつかめない。だから、毎回足を揃えて入ることが必要なんだ」と説明したら、納得してやってくれるようになりました。
一事が万事こういう感じなので、最初の頃はどう説明したらいいのかわからないことが多くて、日本の知り合いや先生に相談したりしていました。日本語で言うのも難しいのに英語でなんてもっと大変で。最初のうちはとくに大変でした。
あと、びっくりしたのは、選手に「ミキ」って名前で呼ばれること。中高生にまでそう呼ばれて、「え? 待て待て待て、私はあなたたちの友だちじゃないぞ」って(苦笑)。中高生のなかには、コーチと選手との間に線引きができない子もいるんですね。はじめの頃は戸惑いましたが、今は、近くなっていると思ったら私から距離をとるようにしたりしています。

 

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