まいんど vol.45 全日本柔道連盟
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柔道を楽しむとは?自分が成長することを実感すること田中先生方からたくさんの実践例やアイデアをいただきました。始めるには少しハードルが高いのが柔道という競技ですが、その段差を低くするさまざまな工夫、本当にすばらしいと思います。中学生になって新たに柔道を始める子の大部分は学校での活動からで、それは自分の身近なところで活動しているからです。生徒をその気にさせる第一の秘訣は、やはり楽しさだと思います。その楽しさには2種類あり、一つは行為自体の楽しさ。投げる楽しさで、もう一つは、自分が成長できた時に感じる楽しさです。できないことができるようになるためには、時にはつらい稽古も必要です。その正しい方向性を先生方がわかって指導されているから、人が集まるし、厳しくても辞めずに続けると思うのです。今後も、多くの初心者に、柔道の良さを広めていただきたいと思います。中里みなさん、大変貴重なお話をありがとうございました。全柔連で何ができるのかということを考えながらうかがっておりました。柔道マガジン杯のように、オープン大会で、予選リーグと順位ごとのトーナメントで、最低でも3試合はできる大会も行っています。そういった大会も、生徒の目標として利用していただければと思います。それと、動画を作る時には全柔連のアーカイブをご利用いただいても構いません。また、柔道を専門とする先生がいない学校に対して、メダリスト派遣もやっています。全柔連にしてほしいご要望があれば、遠慮なくお伝えいただければと思います。すべてができるとは限りませんが、できる限り協力したいと思います。本日はお忙しいなかお集まりいただき、貴重なお話をいただき、ありがとうございました。りの人のために動けないといけないという話もしていて、学校内での活動に参加したり、ボランティア活動をしたり、いろんなことに協力できる人というのを目指しています。そうしてきたことで、他の先生方や校長先生や地域の方々から協力してもらえることも多くなってきました。また、競技の成果としては、5月の県大会で、初めて、中学から柔道を始めた子が優勝しました。これは他の生徒たちにとっても大きな励みになると思います。今後も柔道を始める子を増やし、本当の          意味で、柔道を楽しむということを、伝えていきたいと思っています。田中柔道の楽しさを子どもたちにわかってもらう、そのためには実際に体験させること。そして、先輩たち(2、3年生)が楽しんでいるということです。先生方のお膳立てはあるのですが、先輩たちが楽しんでいることがわかるから、新入生たちは「やってみようかな」という気持ちになっているんだと思います。もう一つは積極的に小学校に出向き、小学生に対しても働きかけを行っていることです。世の中は中学校部活動地域展開で、今さら部活動の時代ではないという声も聞こえてきます。しかし休日はともかく、平日の夕方に中学生を指導できる地域の受け皿は、全国を見渡してもごくわずかですし、学校の施設を使って中学生が柔道をする形はなくならないと思います。自治体によって異なりますが、希望する先生が部活動を続けるのか、兼業兼職届を出して地域クラブ活動として続けるか2つの形があります。どちらにしても、活動場所の多くは学校です。中学校での活動がなくなったら、中学生になって柔道を始める子はいなくなってしまうのではないかと危惧されています。ですから、全柔連としては中学校柔道振興協議会を立ち上げ、学校で活動を継続する動きを推し進めています。〈オブザーバー〉神谷をやらせていただいていまして、地域移行に関して、いろんな諸問題、ご意見をみなさんからいただきながらまとめている状況です。各都道府県、考え方がバラバラで、本当に地域展開はできるのかなというのが本音のところです。私自身、大成中の柔道部の監督もしています。もともとは強化の部活動で、日本一を目指すところからスタートして、今もそれを目指していますが、部長をさせていただく中で、いろんな先生の話を聞き、やはり各県の先生方が柔道人口をどうやって増やしていこうかと考えているというのが非常によくわかりました。大成中は強化が中心ではありますが、実は初心者が毎年3名ぐらい入部してきています。正直、受験勉強で入ってきた生徒ばかりなので、ひ弱な6人の先生方に共通して言えるのは、いま私は日本中体連で柔道競技部長生徒が多いです。そんな生徒が体験に来た場合は、強い選手を最初に投げさせるところから始め、その喜びを教えて、続けさせるというのが一つです。ただ、その一般の生徒とする約束が一つあり、柔道部に入ったからには、うちは中高一貫なので、6年間続けるということです。それは、『継続する力』をつけてほしいという思いからなのですが、実際、いま高校3年生で、初心者から続けている生徒が2人いまして、この前黒帯をとりました。競技で勝つのとは違う喜びがあります。松田私はいま、全柔連の中学校柔道振興協議会の東海ブロックの代表をしており、東海4県の先生方ともいろいろとお話させてもらっていますが、地域移行については、地域によってさまざまなので一概には言えないところはあります。人口の多い都会と田舎とでは取り組みにも大きな違いがありますし三重県内でもずいぶん違います。私はその中でもすごい田舎の地域で、小中学校併設校の校長をやっています。全校生徒0名、全体で300名しかいません。その中でも地域移行とか、選手をどう集めるかという課題はあります。先生方の話の中でとくに興味深かったのがムービーです。それぞれの中学でどのようなものを作り、どのように活用し、どんな反応があるのか、改めてぜひお聞きしたいと思います。13 まいんど vol.4540名です。熊野市でも中学生は各学年10特別企画◎新規登録者優良校指導者座談会新鹿小・中学校松田元先生中学校柔道振興協議会東海ブロック代表愛知真和学園大成中学校神谷兼正先生日本中学校体育連盟柔道競技部長

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