41 25)( アスリート委員会の役割は、「現役選手の声を吸い上げ連盟の運営や各種事業の実施に活かす」ことです。選手と連盟、時には所属やメディアも巻き込んで、柔道界の橋渡しができるような役割を目指しています。そして、現役選手からの声を吸い上げやすい体制づくりと並行して、柔道界、スポーツ界における次世代のリーダー育成を課題として掲げています。柔道のすばらしさを広めていくためにもさまざまな分野で活躍し、リーダーシップを発揮できる人材が必要です。委員長は、全柔連の理事会や常任理事会などの会議にも出席し、活動を報告する機会や、ルール改正に伴う選手側の意見を述べる機会もあり、重要な役割を担っていると感じています。また、ＪＯＣアスリート委員会の会議やイベントにも出席し、他競技のアスリートや関係者との交流を図る機会も多くあります。さて、ここからは今まで取り組んできた活動についてお話しさせていただきます。まず一つ目は、強化選手に向けたアンケートの実施です。現役選手の声を吸い上げるための取り組みとして、一部の強化選手を対象にアンケートを実施しました。内容は、「強化選手の活動に関すること」、「柔道の普及に関すること」、「アスリート委員会への要望」、「柔道のイメージアップのためのアイディアについて」としました。アンケートの結果については、アスリート委員会内で議論を重ね、連盟執行部会長、副会長、専務理事、事務局長へ報告を行いました。このアンケートの実施を通して、課題として感じたことの一つが「アスリート委員会の活動があまり知られていない」ということでした。冒頭でお話しした、次世代の育成に取り込むにあたり、まずは活動を知ってもらうことが必要であると考え、アスリート委員会のInstagramアカウントを開設し、ＳＮＳの活用に取り組み始めています。続いて社会貢献活動についてお話します。委員による発案や協力のもと、選手たちから次世代を担う子どもたちにメッセージを送り、元気を届ける企画にも取り組んできました。また、常に社会に目を向け、『令和２年西日本豪雨』により被害を受けた九州南部を中心とする被災地の支援のためのチャリティーオークションや、新型コロナの影響を受けたキッズ柔道家たちを応援するためのオークション、ウクライナ柔道界の未来を担う選手のためのオークション等を実施し、アスリートの力をもって支援を必要とされる方への援助事業を継続して実施しています。しかしながら、これまでの支援事業は利益者が一部の人に限定される形であるという課題もありました。そこで、２０２４年度は、能登半島地震の復興支援を目的とした募金活動やチャリティサイン会の実施に加え、実際に現地へ足を運んで、仮設住宅や被害があった施設への訪問、柔道経験者、未経験者への柔道教室を実施し、現地の方々と多く交流する機会を設けました。続いて柔道の普及振興のための取り組みについてお話しします。柔道の競技人口は、コロナをきっかけにピーク時の半分となる約12万人に落ち込んでいます。この競技人口の定義が「全柔連登録人数」であるため、実態と多少のずれはあると思いますが、裾野を広げる取り組み、柔道ファンを増やすことにも積極的に取り組んでいます。昨年12月のグランドスラム東京では新たに『ＡＪＪＦＡＷＡＲＤＳ』という表彰式を行いました。オリンピック・パラリンピックの金メダリストや、次世代の選手たち、引退した選手や国際審判員、長くアスリート委員を務めた選手などが登壇しました。グランドスラム東京や全日本選手権では、連盟スポンサーとのタイアップ企画にも携わり、さまざまな観点から柔道普及に目を向けて行くことが大切です。また、全柔連主催の柔道教室やイベントにも積極的に講師を派遣しています。最後になりますが、現役選手や次世代を担う子どもたちが誇れる柔道界であり続けるためにも、多くの関係者を巻き込みながら、アスリート委員会の責務を全うしていきたいと思います。Contents3 まいんど vol.44公益財団法人全日本柔道連盟アスリート委員会 委員長吉田優也使いやすくて便利!『道場ナビ』をご活用ください! 巻頭特集ブダペスト世界選手権代表選手紹介男女監督の意気込み レポート天皇杯全日本選手権大会 皇后盃全日本女子選手権大会 12今年の天皇杯＆皇后盃ルール変更でどう変わったのか 全日本選抜体重別選手権大会 15アスリート委員会が能登半島地震復興支援イベントを実施 16中学校柔道振興協議会情報 矯正局柔道普及事業始動 連載普及の広場 やわらたちのセカンドキャリア THE柔道人 L’Esprit du Judoコラボ企画 海外｢JUDO｣ホントのところ 転倒予防法開発のための会議報告 32柔道ゼミナール～メディカル編 34柔道ゼミナール～栄養&コンディショニング編 登録係からのお知らせ 委員会インフォメーション FROM事務局 アスリート委員会の「役割」「課題」「活動」について2025.5 Vol.44 4 10 14 18 22 24 21 26 28 30 36 38 50
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