脱⽔リスク低⾼水分補給の仕方どのくらい飲めばよいか食べる水分補給!体重を計測して、自分の水分補給がどの程度必要なのか確認してみてください。もし、体重減少が2%以上の場合は、練習中スポーツドリンクなどを意識してとりましょう。運動内容や気温、湿度、体調によって必要な水分量は変化します。自分がどのくらいの量を飲めば良いのか練習前後の体重や尿チェックで把握しておくことで、より良いパフォーマンスにつながります。飲み物の温度については、お好みですが、夏場は冷たい飲料を飲むことで体内から冷え、体温上昇を抑える効果が期待できます。水分補給は練習中だけが重要とは限りません。間食や食事などから食べる水分&ミネラル補給もお忘れなく。夏場のおすすめは夏野菜や果物です。例えばトマトやきゅうり、スイカやキウイフルーツなどがあります。野菜や果物は塩分が少ないですが、水分が多く、汗の成分にも含まれているカリウムやマグネシウムなどのミネラルも豊富です。きゅうりやスイカに塩を少しかければ塩分も一緒に摂取できます。ただ、果物は果糖など糖分が多いので、食べ過ぎて食事に影響がでないようには注意してくださいね。夏の水分補給の例を紹介します。発汗量や練習時間は人それぞれですので、自分に合った補給方法を見つけてみてください。【図③】水分補給は柔道の動きを維持するだけでなく、身体が正常に機能するためにとても大切だということが伝わりましたでしょうここまで水分補給の大切さについて説明しました。これからはどのように水分補給を行うか説明していきます。発汗量の増える夏場の練習では、水分だけではなく、電解質(ナトリウムなど)も含むほうがおすすめです。飲料に食塩として0・1~0・2%含むことが推奨されており、この食塩濃度をナトリウム濃度に換算すると100㎖あたりおよそ40~80㎎となります。また、塩分の吸収をよくするため、同時に糖質も一緒に摂ることが大切です。しかし、糖質の濃度が高くなりすぎると逆に水分吸収が抑えられてしまいますので糖質の濃度は4~8%くらいにしましょう。市販のスポーツドリンクは上記を満たしているものがほとんどですが、ラベルにある栄養成分表示で確認するようにしてみてください。運動前にたくさん水分を摂る必要はありませんが、運動前から脱水状態では大変です。運動前には体の水分量を十分な状態にしておきましょう。脱水状況は尿の色によって確認することができます。【図②】尿の色が薄い場合は体の水分量・水分補給が十分だとわかります。もし尿の色が濃い場合は、脱水リスクが高いので、積極的な水分補給が必要となります。運動中では意識してミネラルウォーターやスポーツドリンクをこまめに飲みましょう。練習内容などで難しい場合もあるかもしれませんが、夏場の目安は1時間あたり3~4回程度です。飲む量については、個人の体質や体格、気象条件、運動環境や運動強度によってさまざまです。そのため○㎖補給すればよいと数字でお伝えはできませんが、動きに影響が出にくいコップ1杯程度を目安に調整してみてはいかがでしょうか。適切な水分の補給量の確認は、体重減少が運動前と変わらない、もしくは体重の1%以内が理想です。多くても2%以内にとどめてほしいです。運動終了時に体重が減っているのは、単に水分量が減っているということですので、練習中の前と後でか。これから暑い夏が近づいてきます。体調管理を行い、乗り切れるように準備していきましょう。夏バテ防止などの食事や栄養については今後みなさまへお伝えできればと思っております。参考:厚⽣労働省熱中症の予備軍 『隠れ脱⽔症』の⾒つけ⽅【参考文献・資料】本 柔 道 連 盟:熱 中 症 対 策 の 徹 底https://www.judo.or.jp/news/12762/ /総務省消防庁「令和37 まいんど vol.44日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドライン」/日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2015・2024」/石原健吾 水分補給「エッセンシャルスポーツ栄養学」市村出版2020/全日6年( 5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」/厚生労働省「熱中症の予備軍 『隠れ脱水症』の⾒つけ⽅」/馬場星吾,奈良典子ほか「運動時の発汗により損失するミネラル量の実態調査」2014年 第69回日本体力医学会/奈良典子 日本代表科学サポート報告書『こちら科学研究部』近代柔道2005年/奈良典子 考えて食べる!実践・食事トレーニングブックハウス HD図③尿の⾊から脱⽔症状チェック夏の⽔分補給の例※気温・湿度・発汗量などにより異なる30分〜1時間前ごろからコップ2〜4杯を⽬安に補給。ミネラルウォーターなど練習前▶2時間以上の練習や⾷事量が少なくエネルギー不⾜気味。スポーツドリンク、エネルギーゼリーなども。10〜20分間隔でコップ1〜2杯程度を⽬安に補給。ミネラルウォーターやスポーツドリンクなど▶発汗量が多い、練習時間が2時間以上など→スポーツドリンクを積極的に飲む。→⻑時間練習でもエネルギーゼリーで集中⼒を維持する。練習中▶猛暑で⽔分補給だけでは⾝体の冷却が間に合わない。→氷嚢で⾸の後ろを冷やす。→⾵通しの良い場所で休憩。30分〜1時間以内に⽔分補給と疲労回復。スポーツドリンク1杯とエネルギーゼリー1つ程度。または⽜乳1杯とオレンジジュース1杯程度。▶⽔分でお腹いっぱいにならないようにする。その後、栄養バランスの良い⾷事。練習後図②図②問題なしこまめな⽔分補給をしましょう。問題なしコップ1杯程度補給しましょう。1時間以内に約250mlの⽔分をとりましょう。屋外、あるいは発汗していれば500mlの⽔分をとりましょう。今すぐ250mlの⽔分をとりましょう。屋外、あるいは発汗していれば500mlの⽔分をとりましょう。今すぐ1Lの⽔分をとりましょう。この⾊より濃い、あるいは⾚/茶⾊が混じっているときは、脱⽔症状以外の問題が考えられます。すぐに病院に⾏きましょう。
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