まいんど vol.44 全日本柔道連盟
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フランス女子チームの復活…GMジョシネが語るフランスの野心フランスは自らを安心させる外から見れば重大な疑問があります。それは、パリオリンピックで約束された金メダルを持ち帰ることができなかったフランス女子チームを、どうやって復活させるかということです。ロマヌ・ディッコは、大きな可能性を秘めているものの、昨年夏の失敗が少しトラウマになっています。アマンディーヌ・ブシャールは柔道とラグビーの融合プロジェクトのために今回はチームから離れ、オリンピックで2つのメダルを獲得したサラ=レオニー・シジクは依然としてヨーロッパ選手権と世界選手権の両方を狙っています。オドレー・チュメオは復帰しましたが、2024年オリンピックに出場したマドレーヌ・マロンガはレーダーから姿を消しました。クラリス・アグベニューも忘れてはならなりません。彼女はブダペスト世界選手権への選出に非常に不満を抱いて、SNSを通じてヨーロッパ選手権への選出を要求し、6回目の大陸タイトルを目指しました。連盟とは依然として対立していて、彼女がそこから何を得るかは誰も理解していません。これらの選手は全員、立ち直る必要があります。ヨーロッパ選手権が答えの最初の部分を提供するでしょう。フランス側が得た教訓はなかなか興味深いもので、パリオリンピック出場の14人のうち8人が参加し、連盟の創立50周年記念の一環としてモンテネグロで初めて開催されたヨーロッパ選手権に初出場した選手が5人いました。フランスの選手18人のうち15人が4日間の試合の最終ブロックに進み、合計10個のメダルを獲得しました。これは、2014年にモンペリエで行われたヨーロッパ選手権、すなわち「ホームグラウンド」大会(13回の表彰台)以来の国内最高成績であり、今年の記録でもあります。内容は金メダル3つ、銀メダル2つ、銅メダル5つで、フランスの実績リストに追加されました。モンテネグロで女王となったシリヌ・ブクリ(48㎏級)とロマヌ・ディッコ(78㎏超級)が、それぞれ4回目と5回目の優勝を果たし、記録を更新し続けています。さらにすばらしいことに、オリンピックで2つのメダリストであるロマヌ・ディッコは、この階級の各年代で一度も負けたことがなく、カデ(2016年)とジュニア(2017年)でそれぞれ優勝を果たし、シニア部門での覇権を固めています。’ duJudo』の記者を派遣するなどして、そ権にも注目しており、全日本選手権についてもフランスから、特に雑誌『LEspritの動向を注視していました。オリンピック後のこの状況において、私たちは、すでに好成績を収めている実績のある選手か、これから伸びてほしい若手の選手かによって、ヨーロッパ選手権に出場する選手と、世界選手権に出場する選手とを選び、ヨーロッパ選手権を優先することにしました。結果だけでなく、私たちが求めているのは精神状態です。エンツォ・ジャン(60㎏級、22歳)、マーサ・ファワズ(57㎏級、22歳)、アルノー・レグバ(81㎏級、23歳)といった若手の台頭を見てきました。私が就任した時、フランス柔道の競争力を高め、競争を活性化させる狙いを話しました。私たちは経験と意欲にあふれたチームです。私が言ったように、出場枠があり、打算的にならずに全力を尽くす選手には、ロサンゼルス行きのチャンスが十分にあり、大陸と世界のメダルを得ることになるでしょう。選考のカウンターはゼロに戻っているのです」。2025年最初のIJFツアー、パリグランドスラムではフランスチームは3個の金メダルを含め15個のメダルを獲得しました。タシケントのグランドスラムでは銅メダル2個に終わりました。ヨーロッパ選手権と世界選手権が続く状況でフランス柔道は自らに疑問を抱いて、特別な戦略を打ち立てました。昨冬からフランスチームのゼネラルマネージャーを務めるかつての名選手、フレデリック・ジョシネは数週間前、ヨーロッパ選手権を前に、フランスの野心について語りました。「同じ週に予定されている他の大陸選手28フランスの人気柔道専門誌L’ Esprit du Judo (Spirit of Judo/ 柔道の精神)まいんど vol.44ヨーロッパ選手権で5度目の優勝を果たしたロマヌ・ディッコヨーロッパ選手権からコーチ席に座ったジェーン・ブリッジヨーロッパ選手権と世界選手権フランスの戦略Tex t/Olivier Remy / Spirit of Judo Magazine

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