まいんど vol.44 全日本柔道連盟
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―柔道を通じた更生支援・地域貢献―矯正局柔道普及事業始動んよ全日本柔道連盟では、2024年度より法務省矯正局との連携のもと、柔道を通じた社会貢献活動の一環として「矯正局柔道普及事業」を始動しました。本事業では、オリンピックや世界選手権で活躍したメダリストのご協力のもと、全国各地にある少年院、少女苑、拘置所を訪問し、慰問活動として講話や柔道の受け身指導、投げ技の実演などを行い、柔道を通じた心と身体の在り方を伝える取り組みを進めております。また、刑務所施設に併設された柔道場を活用し、地域の小・中学生を対象とした柔道教室も実施しており、メダリストから直接指導を受けられる貴重な機会として、参加者および関係者の皆様から大変ご好評をいただいております。慰問活動における講話では、メダリスト自身が努力や挫折を乗り越えてきた経験を交えながら、柔道を通じて得た学びについて、率直かつ真摯な言葉で伝えております。特に少年院や少女苑で講話を聴いた少年・少女たちからは、「自分も変われる気がした」「やり直して、新しいことに挑戦してみたい」といった前向きな言葉が寄せられており、本事業が大きな意義を持つ取り組みであることを実感しております。この活動の根幹には、「柔道は人を育てる武道である」という理念が息づいています。競技としての強さのみならず、人間性を涵かう養する柔道の精神は、社会的な課題と向き合う場面にも活かせるものであると考えます。全日本柔道連盟は、柔道の持つ教育的・社会的価値を広く社会に還元すべく、今後も、本事業をはじめとする取り組みを継続・発展させてまいります。◆2024年度に訪問した施設、派遣したメダリストは以下のとおり。【5月】・浪速少年院(慰問活動:中村兼三氏)・大阪刑務所(柔道教室:穴井隆将氏、(新事業開発室)中矢力氏)【6月】・福岡少年院(慰問活動:中村兼三氏)・筑紫少女苑(慰問活動:中村美里氏)【7月】 ・東京拘置所(慰問活動:中矢力氏)・東京拘置所(柔道教室:谷本歩実氏、【1月】・沖縄少年院(慰問活動:中村兼三氏)中矢力氏)                               ▲浪速少年院での実技指導の様子▲▼東京拘置所での柔道教室の様子と集合写真▲浪速少年院での中村兼三氏、中矢力氏の講演▲筑紫少女苑での中村美里氏の講演

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