まいんど vol.44 全日本柔道連盟
11/52

令和7年天皇杯全日本柔道選手権大会満員御礼のオールスター大会香川大吾が悲願の初優勝飾る!令和7年天皇杯全日本選手権大会は、恒例の4月29日(昭和の日)に、東京・九段の日本武道館において開催されました。今大会には、昨年のパリオリンピックメダリストとアブダビ世界選手権優勝者が推薦出場できるということで、パリ五輪金メダリストの阿部一二三(66㎏級)、銅メダリストの橋本壮市(73㎏級)と永山竜樹(60㎏級)、そしてアブダビ世界選手権チャンピオンの田嶋剛希(90㎏級)と田中龍馬(66㎏級)がエントリー。さらに、昨年のチャンピオンである中野寛太(旭化成)をはじめ、過去4度の優勝経験を持つ王子谷剛志(旭化成)、2度優勝の原沢久喜(長府工産)、平成31年優勝のウルフアロン(パーク24)、令和4年優勝の太田彪雅(旭化成)と、5人の全日本選手権者が顔を揃え、まさにオールスター戦というに相応しい大会となりました。オープニングマッチ、1回戦の第1試合からウルフが登場し、阿部拓馬(山形県警察)に豪快な大外刈で一本勝ちして、朝から満員となった日本武道館はいきなりヒートアップ。以後も橋本壮市、田中龍馬、田嶋剛希、阿部一二三、永山竜樹といった推薦選手たちの試合が続き、会場は1回戦とは思えないような盛り上がりとなりました。準決勝に勝ち上がったのは、中野寛太、香川大吾(ALSOK)、原沢久喜、増山香補(パーク24)の4選手。そして、準決勝で香川が中野を引込返「技あり」で、そして原沢が増山を谷落「一本」で破って決勝へ進出しました。決勝は過去に2度優勝の経験を持ち、昨年に続くファイナル進出となったベテランの原沢と初優勝を狙う香川との一戦。両者ともに、それまでの激戦の影響で満身創痍。原沢は開始早々から足がつる状態ながら、それでも残る力を振り絞って内股を繰り出し、香川も内股、小内刈で応戦。そして試合時間5分、香川の渾身の大内刈に原沢が大きく崩れて「技あり」。この時点で疲労度は極限状態ながら、原沢が内股、小外刈と必死の反撃に出て、優勝への執念を見せるもタイムアップ。香川が全日本選手権出場7度目でついに、悲願の日本一に輝きました。■香川大吾のコメント「高校生の時から挑戦し続け、11年目でやっと頂点に立つことができました。今までターニングポイントで原沢選手に負けてきたので、今日、決勝で勝つことができてすごくうれしいです。世界選手権の代表でもある後輩の太田に勝ってベスト8の壁を破り、これで『トップ戦線に香川もいるぞ』と言える。今日まで僕を支えてくれた家族、東海大学の関係者のみなさんに本当に感謝しています」から内股で攻め込む◀決勝。消耗の激しい原沢は短期決戦を狙い、序盤10まいんど vol.44      ▲決勝。4分58秒、香川が大内刈で原沢から「技あり」を奪取▲7度目の出場でついに悲願の初優勝を成し遂げた28歳の香川大吾■天皇杯全日本柔道選手権大会結果優 勝・香川 大吾(ALSOK)準優勝・原沢 久喜(長府工産)第3位・中野 寛太(旭化成)第3位・増山 香補(パーク24)第5位・太田 彪雅(旭化成)第5位・上林山裕馬(福岡県警察)第5位・木元 拓人(日本製鉄)第5位・佐藤 和哉(日本製鉄)

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る