まいんど vol.38 全日本柔道連盟
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オリンピック代表内定・角田が圧巻のV髙市、田中も金メダルに輝く■女子【48㎏級】準々決勝から登場した角田夏実(SBC湘南美容クリニック)は、ウォン・カリー(香港)から巴投で「技あり」2つを奪って一本勝ちすると、準決勝のグオ・ソンギン(中国)、決勝のアブジャキノワ(カザフスタン)には、ともに得意の腕挫十字固で完勝。圧倒的な強さを見せて優勝を果たしました。【52㎏級】志々目愛(SBC湘南美容クリニック)は、初戦のリン・スーワンチュを肩固で破りましたが、準々決勝でヒザを負傷。無念の途中棄権となりました。【57㎏級】玉置桃(三井住友海上火災保険)は1回戦のフルカワ(フィリピン)を袖釣込腰と袈裟固の合技、準々決勝のアミノワ(ウズベキスタン)を横四方固、そして準決勝のパク・ユンソン(韓国)をGSで、一本背負投で破って決勝へ進みましたが、決勝ではレン・ツェンリン(台湾)に隅落「技あり」で惜敗。準優勝となりました。【63㎏級】髙市未来(コマツ)は準々決勝のワタナベ(フィリピン)を小外刈で破ると、準決勝はキム・ジジョン(韓国)を大内刈と崩袈裟固の合技、そして、決勝ではタン・ジン(中国)をGSの末、「指導3」反則で破って優勝を飾りました。【70㎏級】田中志歩(JR東日本)は、準々決勝のサリナス(フィリピン)を崩袈裟固、準決勝のフェン・インジン(中国)を一本背負投「技あり」、そして、決勝のムン・ソンヒ(北朝鮮)を谷落と崩袈裟固の合技で破り、見事優勝を果たしました。【78㎏級】髙山莉加(三井住友海上火災保険)は、準々決勝のスーワン・シューフェイ(台湾)を大外巻込と後袈裟固の合技で破ると、準決勝はユン・ヒュンジ(韓国)を大外返で一蹴。しかし、決勝では地元・中国のマー・ジェンジャオにGSで、小外掛で敗れて準優勝でした。【78㎏超級】冨田若春(コマツ)は、準々決勝のマーン(インド)に背負投で一本勝ちしましたが、続く準決勝はシウ・シヤン(中国)に内股巻込「技あり」から崩袈裟固に抑えられて一本負け。3位決定戦ではベルリカシュ(カザフスタン)を大外刈で破り銅メダルを獲得しました。個人戦の不振吹き飛ばしオール4-0で完全優勝■男女混合団体戦▼準々決勝日本 4-0 ネパール[90㎏]田嶋剛希○袖釣込腰△サル[70㎏超]髙橋瑠璃○合技△ジョシ[90㎏超]太田彪雅○内股△ゴレ[57㎏]玉置桃○大外刈△シュレスタ[73㎏]大吉賢[70㎏]桑形萌花▼準決勝日本4-0 韓国[70㎏超]髙橋瑠璃○上四方固△キム・ハユン[90㎏超]太田彪雅○内股△キム・ミンジョン[57㎏]玉置桃○小外掛△ホ・ミミ[73㎏]大吉賢○裏投△イ・ウンキュル[70㎏]田中志歩[90㎏]老野祐平▼決勝日本 4-0 ウズベキスタン[90㎏超]太田彪雅優勢[技あり]△ユスポフ[57㎏]玉置桃○横四方固△ケルディヨロワ[73㎏]大吉賢○隅落△ユルドシェフ[70㎏]田中志歩○GS反則[指導3]△マトニヤゾワ[90㎏]田嶋剛希[70㎏超]髙橋瑠璃 個人戦では振るわなかった選手も、団体戦では力を存分に発揮。日本は3試合戦い無失点。すべて4-0の快勝でした。アジア競技大会の現地状況と練習パートナーとしての経験 第19回アジア競技大会が中国・杭州にて開催されました。結果は男子が金メダル1個、銀メダル1個、銅メダル1個(計3個)、女子は金メダル3個、銀メダル2個、銅メダル1個(計6個)であり、全14階級中9階級でのメダルの獲得という結果となりました。また前回大会から実施された男女混合団体戦では、金メダルを獲得し大会2連覇を果たすことができました。本稿では、現地で練習パートナーとして帯同し感じた、アジア競技大会ならではの問題と中国のインフラ面について寄稿します。 まず最初に国際総合競技大会となるアジア競技大会は、通常のIJFワールドツアーとは異なり、日本オリンピック委員会からの派遣大会となります。そのため、日本選手団としての規則が設けられている他、現地入りしてからの情報更新など予想外のことが多く起きた大会でした。 大会3日前に現地に到着し、翌9月22日から現地での調整練習を行いました。練習会場は前日に事前予約をするシステムとなっており、大会会場と練習会場は同じ施設であるため、調整練習として各国が使用できる時間は1時間の制約がありました。また、9月23日はアジア競技大会開会式のため、開会式が行われるメイン会場以外は立ち入ることができず、選手村内に設置されているトレーニング場にてサーキットトレーニングやストレッチ用マットを用いて、打込みや組み手争いなどをメインとする調整練習をせざるを得ない状況となりました。 大会1日目、多くの選手は当日のランダム計量に当たる可能性があるため、会場到着後、まずはランダム計量部屋に行き体重を計測しますが、この日、部屋は施錠されており大会役員に確認をするも即時の改善がなく、各国の選手、コーチは混沌としている状況でした。 そして、私は選手村外のホテルに宿泊していましたが、中国の街中で現金やクレジットカードが使える店はほとんどなく、決済にはアリペイやウィーチャットなどのQRコード決済が不可欠でした。また、日本では馴染みのあるGoogleやLineといったアプリは、ホテルのWi-Fiに接続すると規制されることがあり、中国ならではの社会的な制約を、身を持って感じました。今後、中国でIJFワールドツアーが開催された際には、これらの経験を活かし選手、コーチが最善の準備、そして結果が出せるように引き続き努力していきたいと思います。(全日本男子総務コーチ・山田祐太)◀会場の中国・杭州の蕭山臨浦体育館▼団体戦表彰の様子23まいんど vol.38

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