まいんど vol.37 全日本柔道連盟
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委員会 Informationになっていました。初心者も同様に遊びからゲーム形式、受身、投げ技の基本まで行い、あっという間に時間が過ぎていきました。子どもたちが楽しく笑顔で、最後まで活発に行動していました。子どもたちが安全に「遊びとして行う運動」ができる場所の一つに柔道場があるのだと改めて感じました。近年、子どもの転倒事故が増加しているようです。これも、子どもの運動機会の減少が要因の一つと言われていますが、すでに、全国各地のさまざまな場で柔道指導者の方々が、子どもたちへの安全な転び方講習を実施して、成果が上げられているとのことです。「受身」を習得することにより転んでもケガをしない身のこなしを身につけ、そして、お互いにケガをしない、させないように気をつけるようになります。このような「遊びとして行う運動」ができる場の提供や、日常生活における怪我防止、さらに、相手のことを思い、考えて行動できるようにすることは柔道の大きな付加価値ではないでしょうか。柔道のそのものの魅力、すばらしさを高めることと同様に、今後、さまざまな付加価値を見い出していくことを、本部会の課題の一つとして捉えております。(部会長 鎌塚智樹)視覚障がい者部会フランス国際交流合宿報告2023年6月9日~19日の11日間、IBSA国際ブラインドスポーツ連盟柔道部門前会長のジャン・クロウド・プリエル氏(8段)の企画で、フランスのパリ市郊外にあるDojo de Susy(スーシー道場)を中心にパリの南側に点在するいくつかの道場を訪問し、交流会を行いました。主な日程として、午前中はランニングトレーニングやサーキットトレーニング、オリンピックメダリスト指導者による技術練習、視覚障がい者選手によるストレッチ講習会などに参加しました。昼には、ERSPギノという視覚障がい者の職業訓練学校や国立柔道研究所そしてSUSY市役所を表敬訪問し、ギノ訓練学校長・フランスパラ柔道連盟会長・SUSY市長・その関係者と意見発表会などで交流し、施設見学も行いました。また、フォントネークラブとヴィルジュイフクラブの昇級審査会にプレゼンターとして参加し、参加者の多さに圧倒されました。夕方には、各柔道場の選手たちやフランスのパラ柔道ナショナルチームとの合同練習やその後の『友情の一杯』という交流会が催され、派遣団員たちは、仏日の文化の違いに戸惑いながらも積極的に交流に努めました。フランスにおける柔道は生活と密着しており、特に多くの小学生たちが日本の学習塾のように柔道を習いにきていました。高段者には敬意を持ち、視覚障がい者と健常者との接する際も壁を感じることなく意見交換をする場面も見受けられました。フランスの障がい者における柔道を通じた自立教育はとても興味深く、今後このような国際交流を頻繁に行うことで、世界での視覚障がい者スポーツへの理解と選手の自立が発展されることを期待します。■派遣団スタッフ:出口達也(広島大学)、佐藤伸一郎(拓殖大学)、阿部恭子(武蔵野美術大学)、野中経太(のなか接骨院)、牧野拓哉(自営)、山本和恵(日本福祉大学)選手:加藤裕司(伊藤忠丸紅鉄鋼)、廣瀬誠(愛知県立名古屋盲学校)、石井亜弧(三井住友海上あいおい生命保険)、廣瀬順子(SMBC日興証券)、小川和沙(伊藤忠丸紅鉄鋼)

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