まいんど vol.37 全日本柔道連盟
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め落ちた選手の救護処置について取り決めをしたうえで、全柔連が主催する大会で、ケガや絞め落ちが発生したときの対応として実践しています。しかし、地方で開催される数多くの大会にまで情報が十分には行き渡っておらず、医療スタッフが不在のまま多くの大会が開催されているのが現状です。また、指導員資格講習会での医学的な講義や、都道府県柔連で独自に開催されている安全指導講習会などに、医療の専門家が関わるほうが、より充実した内容になるのではないかと考えています。そこで、各都道府県で活動できる協力委員を置いて医科学委員会からの情報を伝達し、毎年開催している救護担当者講習会への参加を促して知識と技術をアップデートしていただき、また、講習会の講師を務めてもらうことで、地域の柔道の発展に寄与できると考えています。現在、全国で55名に協力委員を委嘱しています。さらに協力していただけるメンバーを募って体制を整え、協力委員を各都道府県に繋げるお手伝いをしていきたいと考えています。(委員長 三上靖夫)柔道MINDプロジェクト部会昨今、「周りへの配慮」が欠ける行動からトラブルが増えています。路上でのトラブル、公共交通機関でのトラブル、その他、飲食店などでのトラブル。飲食店での迷惑行為はニュース等でみなさんご存じのとおりですが、いろいろな事例が出ています。そんななか、柔道は相手あっての柔道。相手を尊重し、相手を敬うのが柔道。その柔道の場で、周りへの配慮が身に付けられているのだと思います。まずは、道場の整理整頓・清掃や元気のある挨拶。先日のマルちゃん関東大会で、トイレの使用後のスリッパを全部揃えている選手を何人か見かけました。また礼儀正しく元気なあいさつをする選手をたくさん見かけました。これは日々の活動の賜物で、大変すばらしい行動だと思います。柔道の技術向上だけでなく、社会性を高めることも柔道の意義の一つだと思います。日々の柔道での活動を通して、周りへの配慮ある行動がとれるようになってほしいと切に思います。こんなことを念頭に置いて柔道MINDの啓発・推進していくことが、本部会の使命であり責務です。指導者や保護者の方々、そして選手のみなさまに『柔道MIND』をより理解していただけるよう活動していき、一般社会で有益な人間が育つ柔道界としていきたいと思います。(委員 関根善晴)教育普及部会子どもは本来、「遊びとして行う運動」を通して動作を習得し身体能力を高めていくことから、「遊び」が子どもにとって最も自然なスポーツであると言えます。現代の子どもの体力・運動能力が全体的に低下している背景には、身体を動かす遊びの減少があることが指摘されています。ある幼稚園における調査では、特定の運動指導を行っている園に比べて、運動指導を行っていない遊びの要素が多い園のほうが、園児の運動能力が高いことが報告されています。子どもの運動は、指導者が強制して実施するものではなく、遊びとして自ら行うことのできる楽しいものが理想なのでしょう。さて、先日の7月16日全柔連主催で実施された『未経験者・初心者向け柔道教室』を視察いたしました。未経験者は遊びのような運動から転び方、最終的には受身の形

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