まいんど vol.36 全日本柔道連盟
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普及普及のの広場広場〜柔道を「続けよう」「始めよう」〜〜柔道を「続けよう」「始めよう」〜▲和歌山県柔道連盟は、田辺市教育委員会と連携して2月に市内小学校で転び方授業の指導者講習会を開きました。当日は県柔連関係者、教員等20数名が授業を視察、協議会に参加しました初めて見る柔道衣に興味津々の子どもたち小学生にこそ 柔道のすばらしさを身近な所で柔道に親しむ機会を作る取り組みは普及の大きな柱です。映像を通して柔道を観ることで、投技の鋭さや攻防の醍醐味が伝わる半面、「危険」「痛い」というマイナスなイメージを持たれてしまうこともあります。身近な場所で柔道に関われる場を持てれば、柔道の持つ多様な効用を実感することができ、柔道理解者を増やすことができます。現在、日本全国六千を超える中学校、高校の保健体育の授業で柔道が行われています。指導者に柔道の専門性がない場合は柔道の魅力や効用を正しく伝えられずに、一部では柔道嫌いを増やすという逆効果も懸念されていますが、まずは実施できていることが重要です。一方、小学校には柔道の授業がありません。実は多くの小学校では、転んでケガをしてしまう子や、思いやりの心を持てない子が増えていることが問題になっています。小学生にこそ、受身を身につけたり礼節の心を学んだりする柔道の教育的価値を広める必要があるのです。そこで全柔連では、小学校体育授業の「体つくり」単元で受身体験を行う事業を展開しています。東京都内小学校で示範授業を行うとともに、和歌山県柔道連盟、島根県柔道連盟等は県を挙げて普及に取り組んでいただいています。なかでも秋田県柔連は、県内小学校での授業実践を進め、秋田県版指導計画、指導案を作成しました。詳細は全柔連HPに掲載するとともに、今後は指導内容を紹介するビデオを作成する予定です。小学校に勤務している方はもちろん、地域で小学校教育に関わりのある方、中学校・高校で近隣の小学校との連携が取れる方等、工夫次第で授業を行う機会は容易に作れます。今年度は、さらに授業展開の機会を多く作ります。小学校に受身体験=転び方指導を通して、柔道の教育的価値を広めていきましょう。(普及振興部長 田中裕之)小学校体育授業での「転び方教室」秋田県柔道連盟 安全指導・指導者養成委員長 菊地 至昨年の8月に転び方教室の指導計画検討会を開催しました。アドバイザー(教育委員会指導主事経験者等)から助言等をいただきながら検討を行いました。その後、学校の教育目標や研究主題、児童の実態等と照らし合わせながら指導案を書き上げ、アドバイザーに指導助言をいただきながら修正を重ねていきました。そして最後に、秋田県教育庁保健体育科の米沢谷修指導主事に新学習指導要領との整合性がとれているのかについて確認していただき完成させることができました。授業をするにはこの指導案の検討が大変重要で十分な時間をかけて取り組むことができました。【研究授業】11/28秋田市立上北手小学校(近藤菜那教諭)11/29大館市立矢立小学校(櫻庭あさひ教諭)2/27大館市立西館小学校(成田大佑教諭)11月の授業には全柔連の中里壮也専務理事と田中裕之普及振興部長にも参観いただきました。遠藤純男秋田県柔連会長や三戸範之理事長も参加し、充実した授業研究となりました。近藤教諭の授業では、米沢谷指導主事からも指導助言をいただくことができました。どの授業も生徒の振り返りや授業アンケートを見ると、柔道の「怖い」というイメージを見事に「受身があれば安全」というイメージに変えることができていました。体つくり運動の一つとして受身を活用しながら、各学年に合わせた取り組みで大きな成果をあげてくれたように思います。櫻庭教諭は大館市の教職員実践発表会でも今回の授業を発表し、多くの先生方から指導案の提供を依頼されました。一方、米沢谷指導主事からはいろいろな課題も指摘されました。・狙いとして、この授業で子どもに身に付けさせたいことを明確にすること。そのためにどんな活動ができればよいのかを具体的にすること。楽しく安全にできる遊び方を選んだり友だちの良い動きを見つけたりすること。それを友だちに伝えることがこの授業の目指す子どもの姿であること。・この授業の狙い、学習活動(学習内容)、評価規準の整合性を図ること。30まいんど vol.36

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