まいんど vol.36 全日本柔道連盟
25/48

フランスの人気柔道専門誌L’ Esprit du Judo (Spirit of Judo/柔道の精神)パリ五輪まであと1年。フランスのいまOlivier Remy (with Thomas Rouquette) / Spirit of Judo Magazineパリ・オリンピックに向けて、さらに進化を遂げているテディ・リネールEmmanuel Charlot/Spirit of Judo「フランス男子が 復権を果たす!」これが「100日評価」です。何の? 昨年末にフランス男子代表の新体制を任されたバティスト・ルロワ氏(46歳、元60㎏級代表選手)に関してです。フランス選手権で3回の優勝を含む10回のメダル獲得を誇る彼がクリストフ・ガリアーノ氏の後を継ぎ、ラルビ・バンブダウ氏はハイパフォーマンスディレクターの職を退きました。バティスト・ルロワ氏は今回、2000年の欧州選手権2位(60㎏級)で、シドニー五輪代表のエリック・デスペゼル氏とコンビを組みました。自然な結びつきではありませんでしたが、2人は明らかに、大きな公約を果たすため、長い時間をかけて模範的に見出されました。フランスチームの結果は、当然彼らが来る前からの影響も含まれますが、一般的に彼らのコミットメントであると思われます。その結果、フランスの男子チームは、信じるに足る理由を見つけることができたのです。東京オリンピック60㎏級メダリストのルカ・ムハイゼは、右膝靭帯断裂から1月に復帰し、アルマダ・グランプリとテルアビブ、アンタルヤのグランドスラムで優勝しました。トルコ(アンタルヤ)の舞台では、フランスは最初の4階級で金メダルを獲得し歓喜に沸きました。ムハイゼに加え、好調な女子48㎏級のブランディーヌ・ポン、女子52㎏級のアマンディーヌ・ブシャール、さらに66㎏級のマキシム・ゴベール。同じ週末には、81㎏級のアルファ・オマール・ジャロがメダルを獲得しており、新世代に大きな期待を寄せるこの苦しい男子チームにとって、何かとてもポジティブなことが起きている予感があります。オリンピックで輝くにはまだ長い道のりがあり、フランスは世界選手権に100㎏級を派遣していないなど、脆弱なカテゴリーもありますが、テディ・リネールはもう孤独ではないようです。そしてこの春の朗報の一つは、オリンピック2連覇のリネール自身によるものでした。昨年夏に右足首を負傷しタシケント世界選手権は棄権しましたが、パリでのグランドスラムで優勝。ケガをして復帰するまでの間、相手を投げることもとても困難で「自分は、本当に復帰できるのかと疑っていました」と、リネールは率直に説明しました。「カザフスタン、ブラジル、日本に行き、いろいろなことを学び、本当に生まれ変わったように感じます。ルーティンがなくなり、再び進歩していることを実感しています。体調が良いと、稽古で練習メニューを最後までやって意識を高め、試合でそれを再現することができます。私は、稽古のなかに技術的な要求を強制的に入れるようにして、自分へのロックを解除することで、さらに自分が進化していることを感じています。柔道は何よりもまず感覚と振動の物語です。たとえチャンピオンになったとしても、大きなタイトルを目指したとしても、本当の喜びは、先生たちが私たちに教えてくれた、柔道を上手くやること、柔道を楽しむことです。正しい技の喜び、技術を習得したときの感覚、それは素晴らしいものです。そして今、私はその喜びと、上手くやる感覚を再発見しているところです」とりわけ、寝技において、彼が良好な動きを回復していれば、正鵠を射ることができるでしょう。ライバルたちは警告を発しています。

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る