まいんど vol.36 全日本柔道連盟
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 日本スポーツ協会(JSPO)は、初代会長である嘉納治五郎氏の「精力善用」「自他共栄」の精神と志を継承しつつ、スポーツの力を主体的かつ健全に活用するとともに、新しい時代におけるグローバルな社会課題の解決に貢献することを使命としています。 また、当協会は、子どもが楽しく、積極的に遊ぶことを通して、発達段階に応じて身につけておくことが望ましい動きを習得する運動プログラムである「アクティブ チャイルド プログラム(JSPO-ACP)」の理念やノウハウを広く普及させることを目指しています。 「スポーツの力で、人も社会も元気になる仕組みを“ともに”つくる」をミッションに掲げる当協会にとって、嘉納師範が創始さ れた柔道競技の統括団体である全日本柔道連盟 様と、今回の取り組みを行うことができるのは 大変大きな喜びです。全編はこちら@柔道場で@柔道場で楽しみ楽しみながらながら基礎体力アップ!基礎体力アップ!【楽しさの中で鍛える】最近の子どもたちは運動に親しむ機会が減っています。一方、柔道は投げたり抑えたり激しい動きを伴います。気軽に経験できるレクリェーション志向のライトスポーツとは異なりますから、未経験者には以前にも増して敷居が高くなっています。また、受身は柔道の最も大切な基本ですが、せっかく入門したのに毎日受身の練習だけでは飽きてしまいます。カラダが馴染んでいないのに、いきなり抑え込まれたり投げられたりしたら、柔道衣を着るのが嫌になってしまうでしょう。「厳しい修行に耐えてこそ立派に成長する」のですが、それは本格的に柔道に打ち込むようになってからの話です。まず、柔道場へ行くのが楽しいと感じられることが大切です。アクティブ・チャイルド・プログラム(ACP)は、日本スポーツ協会(JSPO)が推進している、子どもたちが楽しみながら積極的にカラダを動かしていく取組です。幼児期や児童期は神経系機能の発達が顕著で、新しい動きや巧みな動きの獲得、向上に適した時期です。昔からの遊びである「手押し相撲」や「鬼ごっこ」をはじめ、楽しみながら子どもの発達段階に応じたスキルを身につけられるプログラムが用意されています。楽しい遊びの要素が含まれることで、継続的にカラダを動かす習慣づくりにつながります。昔ながらの練習方法とは異なる面もありますが、未経験者の導入段階や本格的な練習のウォーミングアップとして、ACPは有効な運動です。多様な動きを経験することで、身体能力の基盤を育成することができます。全柔連はACPの効用に着目し、毎月のオンライン柔道教室、本年2月のACP中央講習会等で実施してきましたので、すでに体験された方も多いと思います。柔道は小内刈、大内刈、払腰をはじめ、片足で立って動作する機会が多くあります。〝けんけん〟の状態での多様な遊び(ACP)は、柔道に活用できる筋力やバランス感覚の向上につながります。そこで、スポーツ全般に汎用性の高いACPから一歩進め、柔道の運動特性にも合致する『ACP@柔道場』の開発も進めていく予定です。今年度は、JSPOの専門講師を招聘する中央講習会に加えて、全国数カ所で地区ACP指導者講習会を実施します。また、指導者講習会等の機会を活用して広くACPを指導プログラムに組み込んでいきます。指導者のみなさんは、機会を捉えてふるって参加をお願いします。日本中の道場、クラブ、学校でACPの輪を広げていきましょう。(普及振興部長 田中裕之)日本スポーツ協会日本スポーツ協会森岡裕策専務理事森岡裕策専務理事16まいんど vol.36

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