まいんど vol.35 全日本柔道連盟
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 スポーツ団体が持つ課題や長所・利点とスポーツ周辺のテクノロジーを掛け合わせ、新たなアイデアを創出し、スポーツビジネスの拡張を図ることを目的に、スポーツ庁が取り組む『イノベーションリーグ・アクセラレーション』。2022年度のコラボレーション・パートナーとして全日本柔道連盟が選ばれ、一般社団法人スポーツを止めるなの『1252プロジェクト』と連携しながら、全柔連として、女性の「生理」の問題に正面から取り組んでいくことになりました。ジェンダーを問わず、誰もが安心安全に柔道に取り組める環境を、みなさんと一緒につくっていきたいと思います。昨年12月に開催されたグランドスラム東京。会場の東京体育館の館内に、15ページのようなポスターが貼られていましたが、来場された方、気づかれましたでしょうか? 興味深そうに立ち止まってご覧になられている方もいらっしゃいましたが、あのポスター掲示が、現在、全日本柔道連盟が一般社団法人スポーツを止めるなの『1252プロジェクト』と連携して推進している、女性柔道家の生理、健康課題への本格的な取り組みの第一歩と言える活動でした。実際に、15ページのポスターの質問に答えてみてください。いかがですか? とくに男性は、わからない方も多いのではないでしょうか。近年、女性指導者も増えてきてはいますが、町道場、中学、高校、あるいは大学でも、柔道の現場は、まだまだ圧倒的に男性指導者が多いのが現実です。そして、男性指導者も勉強されているとは思いますが、やはり自分では経験できないことであり、生理に関しては、ある程度は理解していても、どうしても苦手意識のようなものがあり、ナーバスになるケースが多いように思われますし、女子選手自体も、男性指導者には話しづらいのではないでしょうか。これまで、なかなか手が付けられなかった「生理」というテーマに対して、全柔連として、これから、本格的に取り組んでいこうというのが今回のプロジェクトなのです。今回、『1252プロジェクト』と連携する目的としては、①骨の成長期である10代への啓発②スポーツ界に向けたロールモデルの構築③柔道イメージの向上④強化への貢献などが挙げられています。柔道界にかかわらず、他の競技においても、生理の問題は対応・対策が十分だとは言えないようです。ただ、柔道競技の場合は減量もあることから、女子選手における生理の問題は、より難しく、複雑な部分もありますので、女子選手の身体を守るためにも、このプロジェクトの推進は急務であり、みんなで考えていかなくてはならない重要なテーマです。これを機に男性の指導者だけでなく、男子選手、関係者も、女性の生理について学び、理解し、誰もが一緒に、安心安全に取り組める柔道界を築いていきたいと思います。 15ページで、『1252プロジェクト』の活動について少し紹介をしていますが、YouTubeの【Talkup1252】では、さまざまなトップアスリートのお話が聞けますし、インスタグラムでは、生理に関するさまざまな情報や知識が掲載されています。人に聞きづらいこと、知っておいたほうがいいこと、悩みの解決に役立つ情報も満載ですので、ぜひ、一度ご覧ください。女性柔道家の生理の悩み・健康課題への本格取り組みスタート!誰もが安心安全に柔道に取り組み、応援したくなる環境づくりを!全日本柔道連盟14まいんど vol.35

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