まいんど vol.34 全日本柔道連盟
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▲井上康生さんの特別公演の様子だき、「過去の論文を正確に丁寧に読まないと、解釈に誤解が生じる」という非常に重要なメッセージをいただきました。これは我々柔道医科学研究者へのメッセージとして、心して受け取らなければならないと痛感しました。 シンポジウムではこれまで扱われることが少なかった女性医学の問題や、少年柔道の現状や問題点についてもご発表いただきました。またCovid-19に関する医科学委員会の取り組みの総括や最新の知見などについてもご説明いただきました。加えて救護係の問題点を、特に外傷(脱臼整復)と絞め落ちの観点において、医師、柔道整復師、審判の立場からそれぞれ意見交換を行い、大変有意義なディスカッションが行えました。この議論をもとに、みなさんに広く使っていただけるような「全日本柔道連盟による救護マニュアル」を作成するべく、医科学委員会の委員のみなさまと行っていきます。 また一般演題では、東海大学女子柔道部監督の塚田真希先生ら多くの方からご発表いただき、こちらも熱のこもった議論が行われました。 今回、研究会を担当させていただき、全日本柔道連盟、医科学委員会のみなさま方には大変感謝申し上げます。最後に運営に関わっていただいた米田柔道整復専門学校の教職員、学生さん、東海学園大学の学生さんにもこの場をお借りし、お礼を申し上げたいと思います。次回、記念すべき第10回柔道医科学研究会は、大江裕一郎先生(全日本柔道連盟 評議員/国立がん研究センター中央病院 副院長)を会長として東京で開催されることになりました。(第9回柔道医科学研究会事務局/医科学委員会副委員長 紙谷 武)強化委員会科学研究部として日本代表チームをサポート 2021年11月より科学研究部の現場統括として活動をしております全日本柔道連盟科学研究部の山本幸紀と申します。科学研究部が行う活動である競技分析は、柔道衣を握る位置、得点を獲得した技、罰則の内容、試合時間などを分析項目として設定し、対象とした試合、および大会の競技内容を明らかにすることを目的としています。競技内容を明らかにすることで、選手の特徴や大会全体の競技傾向を把握することができます。競技分析によって得られた情報は、選手やコーチが試合における戦術や戦略を立てるために役立てられ、さらには、審判員の傾向や国際大会の流れを知るための材料にもなります。 今回の世界選手権では私を含む5名の科学研究部員が帯同し、試合の撮影や選手、コーチの要望に応え、大会の分析を行いました。撮影した映像をもとに選手の対戦相手に関する情報やルール変更に伴う審判の傾向等を即日分析し、選手やコーチの要望に応えるため必要に応じてフィードバックを行いました。 国際大会帯同時の主な流れとしては、組み合わせ抽選が行われ、選手の試合順を表

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