まいんど vol.34 全日本柔道連盟
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Contents巻頭特集全柔連が取り組む『転び方プロジェクト』とは 4特集グランドスラム東京2022一歩踏み込んで、大会を楽しもう! 12Report&News!視覚障がい者柔道&ID柔道全国大会を開催デフリンピック東京開催決定! 14全日本小学生柔道育成プロジェクト開催! 17誌上セミナー 毎日の体調管理と免疫力 28連載やわらたちのセカンドキャリア 21やわら通信 23L’Esprit du Judoコラボ企画 24普及の広場~柔道を「続けよう」「始めよう」~ 26柔道ゼミナール~メディカル編 30柔道ゼミナール~栄養&レシピ編 32登録係からの大切なお知らせ 35審判委員会からのお知らせ 37委員会インフォメーション 39FROM事務局 462022.11 Vol.34 今、SDGsという言葉が世の中に溢れています。みなさんの中にも取り組んでいる方もいることでしょう。SDGsとは、貧困をなくそう・飢餓をゼロに等、国連が掲げた17項目の開発目標です。 個々の目標は多様ですが、根底には2つの共通理念があります。まず、〝誰一人取り残さない〟です。自分のことだけを考えるのではなく、周りの人や未来の地球全体に思いを至らせることの大切さを訴えています。2つ目は〝変革する〟です。困難にもめげずに課題に立ち向かう決意を示しています。 この理念と柔道の本質は通じ合っていると思いませんか? 心と体を鍛えて仲間と高め合う関係を築き、社会貢献を目指す「精力善用自他共栄」の精神そのものです。【中長期基本計画】 この度、全柔連が策定した中長期基本計画では、課題に向き合って柔道界の変革、発展を目指しています。 全柔連が目指す、競技力の世界最高水準の維持向上のためには、直接的な選手強化活動と基盤強化のための普及活動が大きな柱となります。これまで組織的、計画的な活動が行われてこなかった普及事業を根本的に見直しました。 社会の柔道を見る目は、依然として厳しいものがあります。調査でも、いまだに「痛い、危険、暴力的」等の否定的な回答が出てきます。しかし、柔道は相手を倒すだけの格闘技ではありません。人づくり人間教育としての高い価値があります。この価値を一人でも多くの人と共有することが普及の出発点となります。【年代別の普及振興策】(P4特集)[未就学児・小学生]には、未経験者の導入指導への標準的モデルを開発します。ACP(アクティブチャイルドプログラム)活動の導入や、転び方指導など発達段階に応じた適切な指導の在り方を明らかにします。 また、小学校には柔道授業がありません。そこで体育の授業の中で、受身の効用を活用した転び方体験授業を広めていきます(P26〜27)。[中学生・高校生]には、これまで進めてきた「続けよう・始めよう」の取り組みを継続します。この年代の選手は目標も多様です。競技成績だけにこだわらない、さまざまな価値を追究できる指導を推進します。 また、本格化する中学校部活動地域移行を踏まえて、地域の道場・クラブで中学生の継続指導を促進するとともに、引き続き学校で指導を継続しようとする顧問教員への支援対策を検討します。[大学生・社会人]には、生涯柔道を目指します。女性が継続して柔道に関わり続けられる環境整備、シニア層の段階的な柔道復帰や転倒予防を切り口に、健康生活を維持できる柔道コグニサイズ等、多様なプログラムを開発していきます。【誰もが「柔道っていいね」と感じる】 どの年代でも、登録人口を増やすのは容易ではありません。しかし、自分では柔道をやらなくても、柔道の持つさまざまな有用性を理解する柔道理解者を増やすことは、それほど難しいことではありません。子どもが「柔道やってみたいな」と家族に話したとき、「柔道? 危ないからやめなさい」ではなく、「柔道っていいね、やってみたら」と勧める人が増えれば未来が開けます。 私たち柔道人にできること、それはSDGsにつながる柔道の教育的な価値やさまざまな効用を広め、まずは柔道理解者を増やすことです。今後もみなさまとともに、普及振興に邁進していきます。公益財団法人全日本柔道連盟 普及振興部長全国少年柔道協議会 中央委員長田中裕之柔道界は100年前からSDGs3まいんど vol.34

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