まいんど vol.33 全日本柔道連盟
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井上康生氏の授業風景谷本歩実氏の授業風景山口県萩高校の合同部活動の様子メダリストが 中学校の柔道授業の講師に!~メダリストによる中学校武道(柔道)授業支援事業~全国には1万を超える中学校があり、保健体育の授業では男女とも武道が行われています。どの武道種目を学習するかは学校に任されていますが、約6割の学校は柔道を選択しています。一部の学校では、地域の柔道家の方々が授業協力者(アシスタントティチャー)として指導にかかわっている事例もみられます。しかし、指導する教員の9割以上は柔道の専門性を有していません。そこで全柔連は、昨年度からメダリストを授業に派遣する取り組みを始めました。一流の技の示範や講話を通して柔道のすばらしさを指導し、生徒の主体性を育てる事業です。今年度は、規模を拡大して実施します。都道府県教育委員会を通して全国の中学校に案内を送りました。メダリストとの授業を通して、どのように中学生を育てていくかを審査して実施校を決定する公募方式をとっています。■期間2022年9月~2023年1月■場所東京都内公立中学校:25校東京都外公立中学校:15校■内容保健体育科武道(柔道)授業 1校当たり1~3時間(1単位時間50分)目の前でメダリストの技を見て、講話で柔道の本質に迫る言葉を聞くなかで、中学生が柔道への関心を高めていくことが期待されます。昨年度は井上康生氏、谷本歩実氏に講師を務めていただきました。YouTube【全柔連TV】で授業の様子をアップしておりますので、左記QRコードよりご覧ください。休日の中学校部活動の 地域化の課題~中学校部活動地域化対策WG~ 2023年度の全国中学校柔道大会から、中学校単位だけでなく道場や地域クラブ単位での出場が可能となります。文部科学省、スポーツ庁から正式に発表され、メディアでも報道されています。そして同じく2023年度から、休日の中学校部活動の地域移行が始まります。これは政府の働き方改革の流れに基づいて進められている施策です。全柔連は、この施策に先立って、中学校部活動地域化対策WGを立ち上げて(『まいんど』32号参照)、休日の中学校柔道部活動振興を検討しています。しかし、地域クラブの活動が活発な欧米と異なり、日本は中学校、高校の部活動が中心となってきた歴史があります。実際の運用に際してはさまざまな課題が浮かび上がってきています。本WGでも実際に指導に当たる指導者を確保する問題、指導者への謝金等財源を確保する問題等が論議されています。将来的には高校も、そして平日の部活動も学校を離れて地域に移行していくとのことです。その場合は、中学校で柔道を始める生徒がいなくなってしまうのではないかという懸念もあります。今後の動向を注視しながら対応策を検討していきます。1.指導者の確保 全国各地で実際に指導できる指導者の確保 →部活動指導者人材バンク(仮称)の整備2.よき指導者の育成 部活動指導に携わる地域指導者の資質の担保、指導力向上 →指導者養成委員会が統括する指導者資格との連携3.よき活動事例の開発 すでに先行的に実施している地域の把握 ⃝企業と連携した資金援助を受けてクラブ運営 ⃝既存の少年団や道場が積極的に中学生を受け入れて運営 ⃝地域の柔道連盟が新たに団体を組織化して運営 ⃝高校が中学生との合同練習会を計画等 →先進的な先行事例を各県に紹介するシンポジウムの企画普及普及のの広場広場〜柔道を「続けよう」「始めよう」〜〜柔道を「続けよう」「始めよう」〜34まいんど vol.33

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