まいんど vol.32 全日本柔道連盟
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委員会 Informationとなりました。選手たちは、新型コロナウイルスの世界的なパンデミックの影響で、海外派遣はもちろん、外国人選手と組み合うこともできませんでした。そうしたなか、大会までの準備には、いくつもの課題がありました。それらをクリアしていくため、また、選手たちとの相互理解を目的に数回にわたり、オンラインでのミーティングを行い、準備を進めました。1)外国人選手(国際大会)への対策 国際大会が初出場の選手もおり、外国人選手への対策を練るうえでの情報共有を図りました。科学研究部の山本幸紀先生にもご協力いただき、外国人選手の組み手や技の特徴、国際大会での傾向など、動画や資料にまとめて、コーチと選手で意見交換を行いました。新井千鶴アシスタントコーチによるアドバイスもあり、選手たちにとって『世界で戦う』イメージが見えてきた取り組みであったと思います。2)現地滞在期間の食事 国際大会での食事は国内での大会とは異なり、コンディションを整える重要な要素となります。移動中の機内やバブルシステムのなかで、どんな工夫や準備が必要なのか。栄養士の上村香久子先生にレクチャーしていただきました。現地では選手たちがホテルでご飯を炊き、試合当日におにぎりを持参しており、その成果がうかがえました。3)隔離期間のトレーニング 現在の規定では大会前後、一定期間の自主隔離期間があります。そうした時間を有効に使うため、トレーナーの池田未里さん、柴田昌奈さんにホテルの部屋でも可能なトレーニング方法の動画や資料を提供していただきました。 国際大会において、試合の準備が結果を大きく左右します。そうした意識を高め、大会に向かいました。協力してくださったみなさまには心より感謝いたします。大会の総評 今大会を通して、ジュニア選手たちに国際経験が重要であることを改めて実感しました。2年間のブランクはやはり大きく、外国人選手の変則的な組み手に対して、苦戦する場面が多く見られました。また、1月から国際規定の解釈が変更され、クロスグリップなど変則的な組み手であっても、攻める準備段階であれば、認められたことも逆風だったと言えます。 そのうえで、国際大会で勝つためには何が必要であるのか。まずは、寝技の習得があげられます。立ち技が変則的であっても、寝技になれば影響がありません。特に、立ち姿勢から寝技への移行は、選手全員に徹底していきたい技術です。次に、試合のなかで対応する能力です。外国人選手の動きや特徴、試合の状況によって、対応する意識を身につけること。たとえ、ポイントを先取される展開でも、冷静に試合を組み立て、逆転できる対応力を磨いてほしいです。 本来の力を発揮できなかった試合では、組み手に反省すべき点が多かったように思われます。十分な形になれなくとも、積極的に技を仕掛けていけることも必要となり

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