まいんど vol.32 全日本柔道連盟
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2024年のオリンピックの約800日前の現在、フランスの柔道が真剣に取り組んでいることは、何よりも国家プロジェクトを進めることです。柔術と体操(柔道をベースにしている体操)のイメージアップ、そして、フランス全土での大会の再開。これらの実現は、連盟を支えているクラブに大きな力が与えられます。パリ2024は決して遠くありませんが、いくつかの躍動が共存しています。今回はそれについて説明します。(訳:ピエール・フラマン/広報委員)フランスの人気柔道専門誌L’ Esprit du Judo (Spirit of Judo/柔道の精神)フランス、もう一つの躍動Olivier Remy / L’Esprit du Judo-Spirit of「チャンピオンへの道のり」のイベントの様子①「チャンピオンへの道のり」のイベントの様子②盛り上がったヨーロッパ選手権全部で4人のジャーナリストが参加しました。コロナウイルス感染リスクを減らすために、4月21日にオンライン形式で開催された柔道のフランスナショナルチームについての最後の記者会見は、多くの人々の感心を得られなかったので、人数が少ない会見でした。フランスではこの実質的な構築期間は非常に興味深い期間ですが、アスリートと管理チームに対しては少し失礼な感じがします。西ヨーロッパではコロナウイルスの感染対策は精神的な疲労となるため、オンラインの影響で参加者は少なかったかもしれませんが、現実的な選択として理解できます。なぜかというと、オミクロンの変異株は西ヨーロッパでは重篤なインフルエンザのようなイメージで広く表現されているからです。とはいえ、4月末に40か国から360人の選手が登録したソフィア(ブルガリア)でのヨーロッパ選手権は、トリコロール側(フランスチーム)で盛り上がったことは確かです。妊娠の最後の数週間になったクラリス・アグベグネノウはいませんでしたが、オリンピックのメダリストであるブシャール、シシーク、マロンガ、ディコが女子チームの中にいました。再編成された男子チームは、2024年の候補者を出場させることでした。右膝の十字靭帯に重傷を負ったルカ・ムハイジェは、東京オリンピックでは60㎏級の銅メダリストですが、おそらく年末まで競技を再開できません。とはいえ、東京オリンピックに出場しなかった9人の選手を見る機会となりました。「モンゴル、トルコ、そしてフランスでの合宿後、チームはやる気いっぱいでヨーロッパ選手権に臨みましたが、いくつかの未知数もありました」と、アトランタ・オリンピックメダリストで現在男子チームを担当しているクリストフ・ガグリアーノ氏は言いました。ヨーロッパ選手権後のカレンダーでは、特に若いシニア選手にとって、私たちのプログラムにピッタリ合う試合は用意されていません。そのため、6月終わりから7月初めまで待って、再び試合に出す必要があります。ユニバーシアード(6月29日〜7月2日)のために中国に行く選手もいますし、地中海大会(6月25日〜7月5日)アルジェリアのオランに行く選手もいます。一方、連盟は、クラブが選手を直接登録できるように、モンゴルのグランドスラム(6月24日~26日)への参加も可能にしました。6月初旬に予定されているトビリシのグランドスラムが開催されるかどうかは定かではありませんが、ブダペストのグランドスラム(7月8日~10日)後、世界選手権の代表選手の少なくとも一部を公表することを考えています。 フランス全土での再開いくつかの期待はありますが、本当の盛り上がりはありません。理由は? おそらく、変わりつつあるフランスの柔道に理由を見つけられるでしょう。まず、強化選手が一つの理由ではないでしょうか。主導しているリネール選手(7月の初めに行われるブダペストのグランドスラムへの出場を予定している)、アグベグネノウ選手(娘の出産を予定している)はパリ・オリンピックを目指し、自らのリズムで計画を決めました。他の選手は、8月から10月に変更された次のウズベキスタン世界選手権の際に、練習内容が加速する計画に沿うことになるでしょう。とりわけ、フランスでのパンデミックの状況は少しずつ収まってきているので、柔道は地域および全国選手権、ベテラン大会、柔術および寝技のさまざまな大会を再開できるようになってきました。このことは、4500のクラブと45万の登録者を含むフランス柔道を再びときめかせるのに十分なことです。26まいんど vol.32

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