まいんど vol.32 全日本柔道連盟
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ける広報活動と普及活動、指導者の養成に取り組む必要があります。最後に一言「大きなメッセージの一つは、私たち全員が柔道をすることができるということです。柔道は奥が深く多くの側面を含んでいます。例えば、技は際限なく改善され、他の技と組み合わせることができます。柔道は技術的にも人道的にも深いです。これは「心技体」の下によくまとめられています。柔道は健康の面で私たちの体に良い競技です。たくさんの可能性を持っていることが素晴らしいことであり、40歳近い私にとっても、学ぶべきことがたくさんあるので、自分がまだまだ成長できることを実感するのは本当に楽しいことです。柔道には、陽気で家族的な雰囲気もあります。対戦相手にもなり得る相手とのやりとり。自分を成長させ、自分をより良くするのを助けるものでもある相手。相手と一生懸命戦う乱取が大好きですが、終わったら仲良しです。柔道におけるこうした気持ちや感情すべて、これは本当に素晴らしいことです。もう一つの重要なメッセージは、柔道を練習しながら楽しんでうれしい気持ちになることです。喜びの概念は非常に重要です。今は20歳代ではないですが、これからも楽しみたいです。柔道は、若くなくなった私の体に多くの犠牲と努力を必要としてきましたが、いま私はエンジョイしていて、稽古と一緒に切磋琢磨する柔道仲間と過ごす時間を最大限に生かしたいと思っています。柔道のおかげで、私はたくさんの異なる環境の人々に出会うことができ、それは非常に勉強になることです」とサンドリンは言いました。サンドリンの次の挑戦は、新しい視覚障がい者のカテゴリーのなかで、48㎏級でパリ・パラリンピックに出場することです。またパリ・パラリンピックの運営委員会のメンバーにも選ばれました。そして、彼女はそれまでの間に招待講演者として企業に行き、そこで社会に変化をもたらし、障がい者と女性のスポーツの認知度を高めようとしています。彼女は発表を通じて、障がいについて人々に知らせ、柔道やその他のスポーツ活動を実践するよう人々に勧めます。これは、障がいを持っているから恥ずかしいと感じている人々が、仕事や社会一般で障がいを抱えていてもより良い生活を送るのに役立ちます。「私の話と経験を活かして、より多くの人の意識を高め、障がいのある若者に可能性を与えたいと思っています。それは柔道やその他のスポーツをするために、また彼らの満足感のために、それが提供する社会的絆、そして彼らの人生にもたらすさまざまなことのためにです」そうしていくことで、サンドリーヌ・マルティネは嘉納治五郎師範の『自他共栄』を忠実に体現しているのではないでしょうか。

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