まいんど vol.28 | 全日本柔道連盟
47/52

C100 M90 子どもたち、保護者、柔道と関わりのない方々に、如何にしてその意味を、理解してもらえるかを検討してまいりました。 柔道の技は、一歩間違えば相手を傷つける行為となります。ゆえに互いに相手を尊重、信頼し合えなければ柔道は始まりません。これを行動や態度、動作で示すものが礼法となります。 次に他からの援助を受けず、干渉されないのが自立となりますが、人は自立をしていく過程において、多くの人に支えられていることに気づきます。この依存していることを自覚するのが真の「自立」と考えます。それにより相手を思いやる気持ち、相手への感謝、尊敬の念が生じ、礼法に心が入ることで「礼節」の確立となります。 さらに、「M:礼節」と「I:自立」の相互作用の実践により、正しい思考、判断ができるようになり、正々堂々とした振る舞いにつながっていきます。勝ってもおごり高ぶらない謙虚さ、負けても心から相手を称える潔さ、これら互いの行為はルールを超えたより善き自己への抑制によって成立し、「N:高潔」さが示されています。 こうして「M:礼節」と「I:自立」に基づく実践により、この「N:高潔」が備わることで、他者や、周囲から自ずと信頼が寄せられるような「D:品格」が完成されるのではないでしょうか。「柔道MIND」の目指す先には嘉納治五郎師範の教えである「精力善用」・「自他共栄」の精神があると言えます。 今回のデザインは木を成長させることでこの相乗効果を表現したものと、「M:礼節」「I:自立」「N:高潔」「D:品格」をそれぞれわかりやすく表現したものです。 コロナ禍においてさまざまな制約のなか、ぜひ各道場、学校において、指導者、先生方と子どもたち生徒が「柔道MIND」について考え、話し合う時間を共有していただければと存じます。今回のデザインがその一助となれば幸いです。

元のページ  ../index.html#47

このブックを見る