まいんど vol.28 | 全日本柔道連盟
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委員会 Informationしております。今後、再調査を含め臨機応変に対応していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 現在、感染拡大防止に配慮し、新しい生活様式に則した形での活動を求められ、現場ではさまざまな取り組みがなされていると存じます。嘉納治五郎師範は、講道館柔道の目的を「体育」「勝負」「修心」の3つであるとし、その修行方法として「乱取」「形」「講義」「問答」の4つをあげています。「乱取」や「形」については感染防止の観点から十分にできない状況にあります。しかし、情報技術の発展、映像資料等の充実には目を見張るものがあります。また、パソコンやスマートフォンにより、手軽にさまざまな情報を閲覧できる時代になりました。これらを上手に活用することで、これまで実践されてきた「講義」と「問答」をさらに発展させることができると思います。 明治維新後、文明開化の名のもとに西洋の文明文化、時に風習・慣習までもが、日本国民に浸透しました。反面、当時の社会が日本の文化、伝統を軽んじる傾向にあったことは否定できません。この時代に嘉納師範が、西洋から教育・スポーツについて学ばれたことは、大いに意義があったと存じます。その混沌とした時代に、嘉納師範と弟子たちは「乱取」「形」による厳しい修行、そして、「講義」と「問答」を繰り返すことによって講道館柔道を確立させていきました。 時代、状況は異なりますが、日常生活や柔道において、ともすれば社会の常識までもが変わる今だからこそ、私たちは、「変わらないもの・変えてはならないもの」があることに気づかなければならないと思います。そして、それを守っていくことこそが重要なのではないでしょうか。柔道には、その答えが数多くあると信じています。(文:部会長鎌塚智樹)柔道MINDプロジェクト部会「柔道MIND」の啓発にあたり、指導者、

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