まいんど vol.28 | 全日本柔道連盟
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つことが大切です。暑熱順化すると発汗量が増えるということは、汗の分だけ身体のなかの水分(体液)が失われることになるため、水だけでなく体液に含まれる電解質(イオン)の補給も意識的にしなければなりません。公益財団法人日本スポーツ協会によると、0・1~0・2%(100mlあたりナトリウム0・1~0・2g)の塩分濃度と、4~8%の糖分を含んだものが水分補給には適しています。市販の飲料を購入する場合は、栄養成分表示を確認して食塩相当量をチェックしましょう! イオン飲料など体液に近いイオンバランスの飲料を飲むことで、効率的に水分を補給することができます。アイススラリーを活用した 身体内部冷却で熱中症対策スポーツの成績は体温上昇に強く影響されます。身体冷却は、暑い環境下でも体温(深部体温、以下体温)の過度な上昇を抑え、熱中症の対策、持久運動能力や認知機能低下の抑制、脱水予防などにつながると、いま注目されています。冷却方法には、アイスパックやアイスバスなど身体の外部から冷却する「身体外部冷却」と、冷たい飲料などを摂取し身体の内部から冷却する「身体内部冷却」の2つがあります。最近では、あらかじめ活動前に体温を下げておくプレクーリングが、活動中の体温や筋温の過度な上昇を防ぎ、熱中症対策としてだけでなく、疲労感や暑さなど主観的な感覚も和らげるなどとして注目されています。身体内部冷却の方法の1つ、氷と飲料水を混合した「アイススラリー」の摂取が注目されています。「アイススラリー」とは細かい氷の粒子が液体に分散した状態の飲料で、氷よりも流動性があり、液体よりも冷却効果が高い特長があります。(公財)日本スポーツ協会でも、身体冷却効果に加え、水分、電解質、糖質も同時に補給できるアイススラリーは、身体内部冷却として効果的な方法としています。今年の夏に向けて、暑さに慣れる身体づくり「暑熱順化」と、身体の内部から冷却する「アイススラリー」を活動前や外出前に取入れるとともに、吸湿性や通気性の良い服装、こまめな水分・電解質補給、バランスの良い栄養補給と十分な睡眠や休養をとることも意識して熱中症対策にお役立てください。39まいんど vol.28

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