まいんど vol.28 | 全日本柔道連盟
39/52

暑さに慣れて熱中症対策 熱中症とは、高温多湿環境のなかで人間が必要とする水分や電解質などのバランスが崩れたり、身体を健康に保とうとする調節機能がコントロールできなくなることにより起こります。熱中症を良く知り、そのための予防や対策を講じれば防ぐことができます。さて、2020年は多くの人が家のなかで過ごす「巣ごもり生活」時間が増加しました。今年も外出の機会の減少傾向が続いています。例年であれば、徐々に身体を暑さに慣らしながら日常生活を送るなかで、次第に暑さに慣れて(暑熱順化)、暑さに対する抵抗力が向上し、汗を上手にかける身体ができあがるのですが、今年も外出の制限などにより、暑さへの身体の準備ができないまま夏を迎えることが考えられます。屋外での身体活動の機会が少ない人ほど、例年以上に慎重に「暑熱順化」に取り組むことが必要です。夏本番を迎える前のいまの時期から、軽めの運動から始め、体調に注意しながら徐々に負荷を高めて汗をかく練習をしていくと良いでしょう。また服装は、汗の蒸発を妨げない服装が好ましいです。「暑熱順化」を行うことにより、血流量が増え汗をかきやすくなるだけでなく、汗中の塩分を失いにくくなります。結果的に体温調節がスムーズになり体温が上がりにくくなります。ただし、暑さに順化するには約1週間かかり、暑さから遠ざかると身体が順化前に戻りやすいこともわかっています。初夏の暑い日、新しい環境での活動時、梅雨の合間の急に暑くなる日、梅雨明け、お盆などの連続した休日明けなどに注意し、計画的に継続して暑熱順化した状態を保熱中症対策 誌上セミナー(協力 大塚製薬株式会社)本格的な夏を迎える前に知っておきたい38まいんど vol.28

元のページ  ../index.html#39

このブックを見る