まいんど vol.28 | 全日本柔道連盟
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向翔一郎ですが、今年に入り、ワールドマスターズ、グランドスラム・アンタルヤ、アジア選手権と3大会に出場し、課題も収穫もありました。その課題と収穫を生かし、本番に向けていい調整ができていると思います。海外選手では、今年の世界チャンピオンであり、世界ランキング1位のシェラザディシヴィリ(スペイン)が頭一つ抜き出ていますが、世界選手権の決勝を争ったボボノフ(ウズベキスタン)やいま勢いに乗る20歳のベカウリ(ジョージア)、イゴルニコフ(ロシア) と、役者が揃っている階級で、当日の調子次第で番狂わせも考えられます。担当コーチ山元一歩男子90kg級髙藤直寿ですが、コロナ禍の制限のなか、できないことをやるというよりできることをやり尽くすという考えで準備をしてきました。4月のアジア選手権は安定した内容で優勝。その後は国内で分散合宿などして調整をしてきました。髙藤本来の得意技のやぐら投などに加え左右の背負投や小内刈、寝技を徹底し、攻撃の幅も広がっています。残りあと1か月、さらに戦術面などを詰めていきたいと思っています。強豪選手は、2019年の世界チャンピオンのチクビミアニ(ジョージア)、ヤン・ユンウェイ(台湾)、ムシュビドバゼ(ロシア)らで、警戒が必要な選手です。阿部一二三に関しても、やるべきことをやり尽くすということで準備してきました。代表に決まったのが遅かったこともあり、国内での調整期間を延ばし、4月のグランドスラム・アンタルヤに出場。決勝では小内刈、足技で勝つことができたのが、オリンピックに向けていい弾みになったと思います。その後は、予定していた海外合宿を、国内合宿に切り替えて練習を積んできています。今後は細かな確認、戦術的な部分でしっかりと準備をして大会に挑みたいと考えています。強豪選手はアン・バウル(韓国)、ロンバルド(イタリア)、ヨンドンペレンレイ(モンゴル)らの選手です。担当コーチ古根川実男子60kg級男子66kg級大野将平ですが、強化拠点は天理大ということで変わりませんが、1か月のうち2週間くらいは都内に来て合宿をするような形でやっています。練習先は、こういう状況なので限定的になってしまいますが、練習量、質はキープできています。5月の中旬に、カザン(ロシア)での国際合宿に参加し、いまはまた天理で練習をしています。海外のライバルとしては、アン・チャンリン(韓国)、一番の強敵と考えています。コンスタントに上位進出するオルジョフ(アゼルバイジャン)、変則的な柔道をするマシアス(スウェーデン)、センドチル(モンゴル)なども要注意です。永瀬貴規に関しても、練習の拠点は筑波大ながら、月に2週間、半分くらいは都内で練習しており、やはり練習量・質はしっかりとキープできています。3月上旬のグランドスラム・タシケントに出場し、残念ながらパルマティ(イタリア)に負けましたが、永瀬らしい柔道はできていたかなと思います。強豪選手としては、先日の世界選手権で優勝したカッセ(ベルギー)、2019年世界チャンピオンのムキ(イスラエル)、2018年世界チャンピオンのモラエイ(モンゴル)、あと新鋭のグリガラシュヴィリ(ジョージア)ら。上位選手の実力が接近しており、混戦が予想されます。担当コーチ金丸雄介男子73kg級男子81kg級ウルフアロンに関して、心配されていた右ヒザの状態は、水がたまることもなく、だいぶ良くなってきているようです。現在は、受け入れていただける企業、大学等での出稽古中心の練習を行っています。実戦に関しても、グランドスラム・アンタルヤで2位、アジア選手権で優勝と、久々に試合をして得られたものも多いようです。強豪選手としては、2019年の世界選手権で敗れたチョ・グハン(韓国)、アンタルヤの決勝で敗れたコツォイエフ(アゼルバイジャン)、世界選手権2連覇のフォンセカ(ポルトガル)らが挙げられ、要注意選手と言えます。原沢久喜の現状としましては、1か月後のオリンピック本番に最高の状態になるよう、いまは追い込み期として、走ってウエイトトレーニングして柔道の稽古をしてと、その3つを着実にこなしているところです。国際大会では、グランドスラム・アンタルヤで2位、アジア選手権優勝。久々の大会ということで、緊張して息が上がり、腕がパンパンになって力が入らなかったようです。やはり実戦を経験したことはよかったと思います。最大の敵はリネール(フランス)。一番怖い選手かなと思います。その他、クレパレク(チェコ)、バシャエフ(ロシア)も要注意です。担当コーチ鈴木桂治男子100kg級男子100kg超級取材/6月17日各階級の見どころ12まいんど vol.28

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