まいんど vol.28 | 全日本柔道連盟
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直前特集東京2020オリンピックに挑む日本代表!7/28(水)—オリンピックを一番意識した瞬間を教えてください。「入社当時(2012年)は、志高く入社したんですけど、簡単に口にするものではないというレベルの高さを体感して。一年一年経験していくなかで、気持ちを固められたのは世界チャンピオンになったときです。必ず出るんだと強く思ったのはその頃ですね」—自粛期間のトレーニングについて教えてください。「去年から体幹を鍛えています。柔道に活かせる筋肉。ガンガンやるというよりは、技に繋がる動きを意識したトレーニングをしています」—心理面で意識していることは?「シンプルに、こうやって勝ちたいんだというものを、軸をぶらさず貫き通すことです。少しでも弱気になると、動きや姿勢の不安定さに繋がる。すべてがセットです。どこかが欠けていたらオリンピックで力を発揮できない。総合的に、持っているものをしっかり出せるよう、作り上げていきたいです」—波があった5年間、代表争いで一番きつかったのは?「2019年の東京世界選手権後の半年間くらい。自分のメンタルがおかしくなりかけていたと思います。帰省したり休暇を経て、改めて自分の目指す場所を持てた。たくさんの人に支えてもらいました」—世界の70kg級、クセが強い個性的な選手が多い。そのなかで、自分の個性はどう表現しますか?「足技ですかね…、そこが強みなので。相手は絶対にイヤだと思うし、自信を持って出していきたい。足から崩して内股、それが一番イヤだと思う。だからこそ研究してくるとは思いますが」―いまの自分について。「いろいろな経験があるからこそ、いまがあると思います。人生において、無駄な経験は何ひとつない。あきらめないでやっていれば必ず達成できる、と胸を張って言えるように、まずはオリンピックで金メダルを獲るために、信念を持ってやっていきたいと思います」(取材/5月30日)―現在の調子を教えてください。「オリンピックなんだな、大事な試合なんだな、という実感が湧いてきたという感じで、練習も取り組めているかなと思います」―4月には自分の柔道を見つめ直すとおっしゃっていました。「自分を突き詰めるということでは、今回はやっぱり背負投。自分には背負投しかないんだなと改めて実感したので、もう一度背負投を見つめ直して、入り方だったり、身体の動きを確認しながら練習に取り組んでいます」―我慢の柔道といつもおっしゃっていますが、心・技・体で言うと、何を重要視しますか?「やっぱり『心』じゃないですかね。精神が安定していれば負けることはないんじゃないかと思いますし、気持ちのムラをなくすことが自分の課題なので、それをしっかりやれればいいのかなと」―自分の感性を信じるということ?「そうですね。情報が多すぎました。(アドバイスをもらっても)俺はその先生たちじゃない。俺は俺。自分のことは自分でないとわからない。自分の感覚を信じたいし、自分との会話を多くするというか、どういう技に入りたいとか、そういうことを考えたりする。足りないことを指摘してくれることには感謝しています。そうじゃなくて、練習中や試合中に言われたときに、これは要る、これは要らないと選別するようにしました」―オリンピックに向けての意気込みを。「普通にやれば勝てると、ようやく本来の自分の強さを頭のなかでイメージできました。それを残り1か月、良い子にならず、自分の感覚を研ぎ澄まして、楽勝で優勝したいです」―オール一本?「どころか、世界に柔道を教えてあげるよと。楽勝で優勝したいです」―「楽勝」とおっしゃいましたが、自分はいま実力でいうと何番目?「そういうのはないですね。オリンピックって、その日に強いやつが勝つ場だと思いますので、あまり考えていません」(取材/6月28日)新井千鶴ARAI Chizuru向翔一郎MUKAI Shoichiro三井住友海上火災保険株式会社1993年11月1日生(27歳)埼玉県出身男衾中学→児玉高校ALSOK1996年2月10日生(25歳)富山県出身雄山中学→高岡第一高校→日本大学女子70kg級男子90kg級9まいんど vol.28

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