まいんど vol.27 | 全日本柔道連盟
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約4か月後に迫った東京オリンピック。しかし、Covid-19の脅威は、まだ世界を脅かし続けています。果たして諸外国では、東京オリンピックをどのように考えているのでしょうか。エスプリジュードー誌のオリバー・レミー氏のレポートを紹介します。(訳◎ピエール・フラマン/広報委員)フランスの人気柔道専門誌【L’Esprit du Judo】とのコラボ企画(エスプリジュードー/柔道の精神)欧米からみた東京オリンピックText/Olivier Remy / L’Esprit du Judo▶フランスINSEPでの練習風景◀カナダナショナルチーム  2021年、オリンピック――どこで? 東京。――いつ? 開催されるかどうかの疑問はまだ解消されていませんが、7月24日から31日までに、おそらく……。――どうやって? ……オリンピック5か月前の欧米から見たら、この質問に答えるのは難しいです。  1年の遅れ、どんな影響?バルセロナオリンピック(銅メダル)とシドニーオリンピック(井上康生との決勝戦後の銀メダル)のダブルオリンピックメダリストであり、カナダで尊敬される監督となったニコラス・ギルは、この状況について興味深い分析を行っています。SNSは現実を反映しているわけではなく、インスタグラムを多く使用し、自分をアピールしていた選手が前回の大会で一番強かった訳ではありませんでした。私の選手が他の選手のインスタグラムを見て自分が遅れていると感じさせないために、それは現実ではないということを伝えないといけません。SNSの情報に迷わされることがないように、これからは注意しないといけないということがわかってきました。しかし、ブダペスト、テルアビブとタシュケントのグランドスラム、ヨーロッパ、アフリカ、パンアメリカ選手権とマスターズで、フランス、イスラエル、韓国、ジョージア、ロシア、日本のような柔道が根付いていて、しっかりとした体制を持っている国が結果を出し続けることができるということがわかりました。その体制とともにチームのスタッフと練習相手の良さは、たとえ彼らが苦しんでいるとしても、間違いなく他の国の状況よりも良いのです。最近アマル・ベニクレフも、同じような証言をしていました。彼はCovid-19によって孤立に陥ったアルジェリアのナショナルチームの監督です。「タシケント・グランドスラムの準備ですか? 私たちは何週間も何もしませんでしたと北京オリンピックの銀メダリスト(90㎏級)は説明しています。アルジェリアでは、すべてが閉鎖されました。トレーニングを再開することができたとき、非常にコンディションの悪い選手もいました。空港に関しても完全に閉鎖されています。ウズベキスタンに行くために、私たちはチュニジアまで車で8時間、そこからトルコまで空路、そしてそこで乗り換えタシケントへ行きました。私たちには闘志があり前向きですが、準備は少し混乱しています。私たちはチュニジア人とエジプト人と一緒に練習をし、より多くの練習相手とより高いレベルの相手を得ることができることを願っています。 アメリカ大陸の他の選手は、10月末の

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