『塚田 オール一本勝ちで3連覇! アテネ切符を獲得』
 アテネ・オリンピックの78kg超級代表最終選考会を兼ねる全日本女子選手権。体重無差別で36選手が参加して争われたが、昨秋の大阪での世界選手権78kg超級2位の塚田真希(22=綜合警備保障)が初戦から決勝までの5試合を一本勝ちして優勝。
 初のオリンピック代表の座を射止めた。6連覇の田辺陽子、4連覇の阿武教子に続く、大会史上3人目の3連覇である。

『好調な試合運びで薪谷・塚田が決勝へ』
 一週間前の横浜での全日本女子選抜体重別選手権78kg超級決勝と同じ対決。塚田と薪谷(23=ミキハウス)は、どちらが勝つにしても選考されれば、初のオリンピック代表であり、アテネ行きの一枚の切符を狙って赤い炎を燃やしていた。
 パート氓フ全日本女子選抜体重別選手権では、塚田が積極的に前に出てプレッシャーをかけ、指導の差で勝負をものにしていた。
 普段は強化合宿でも姉妹のような二人。一年上の薪谷を塚田は『優しい先輩』と尊敬している。だが、生涯に1度かもしれない ゛オリンピックの夢゛がかかっている、となれば話は別で、そこには厳しい勝負の現実があるわけだ。
 塚田も薪谷も好調だった。塚田は1回戦から169cm,115kgの体力を生かした柔道で勝ち進み、準々決勝で中澤さえ(20=淑徳大)を型通りの右体落で投げると、準決勝の松_みずほ(25=コマツ)に対しても開始53秒、右の小外刈で一本勝ち。
 薪谷も準々決勝の近藤悦子(22=ダイコロ・前年度2位)が内股にくるところを返して寝技に引き込むと、崩上四方固でガッチリ抑え込み、準決勝の江口 啓(23=松前柔道クラブ)の粘りのある柔道に手を焼きながらも、小外刈で有効を奪っての優勢勝ち。1週間前よりも明らかに動きが鋭くなっていた。

『塚田 最後まで自分の柔道ができて 女王に』
 決勝は激しい攻防となった。開始10秒、薪谷が得意の左小外刈で攻め、塚田を腹這いにさせた。国際ルールなら「効果」だろう。塚田は『薪谷先輩、先週とは違う』と思ったことだろう。しかし、塚田はあわてず、逆に闘志に火をつけると以後は自分の柔道に徹した。右の奥襟をつかむと、162cmと自分より上背のない薪谷を上から押え込む感じにして、プレッシャーをかけた。体落を連発し、前へ前へと出る。薪谷も左から攻め込むが、腰の重い塚田はこらえる。薪谷が左肩を痛めて顔をゆがめる。塚田は攻撃をゆるめない。最後は、薪谷の疲労がひどくなると、必死の小内刈にくるところを返して浴びせ倒し、そのまま抑え込んだ。ガッチリと横四方固に入り、30秒が経過した。4分6秒の決着であった。

『強くなった塚田 攻めて、攻めて、アテネで万里の長城を崩せ!』
スキのない試合ぶりでの5試合一本勝ち。自分の体力を100%生かす柔道で他の追従を許さないのは見事だった。
 『守りに入ったらダメと思って、攻め続けた。先週は固くなって満足に動けなかった。この1週間は長かった。先週の反省を生かして、前に出る柔道ができたことがよかった』と塚田はインタピューで語った。
 試合後、薪谷に『頼んだから!』と言われて『複雑な気持ちでしたが、責任重大。一からやり直すつもりで頑張ります』と。
 右膝の大ケガから立ち直っての準優勝となった薪谷は『力負けです。皆んなに助けてもらったのに、結果を出せなくて申し訳ない。負けてしまったらダメです』と完敗を認めた。
 塚田は昨秋の世界選手権の時よりもはるかに強くなっている印象だ。大外刈、小外刈、体落と決め技の幅があり、寝技への連絡が速くなった。何よりも相手より先きに先きに攻めようとする心構えがいい。
 オリンピック3連覇中の中国勢だ。世界選手権、福岡国際、フランス国際でも敗れており、そのカベは万里の長城のようだが、恐れずに挑戦して欲しい。

全日本柔道連盟 広報委員会委員長  横尾 一彦

全日本柔道連盟 広報委員会委員長  横尾 一彦
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