第24回世界柔道選手権大会
トーナメント結果(PDF)
-48kg 女子無差別 -60kg 男子無差別
大会4日目は男子60Kg級と女子48Kg級、男女無差別級の4階級の試合が行われた。
日本チームは今日も苦戦が続く。午前中に行われた準決勝までの予選、女子無差別級の薪谷 翠は何とか勝ち上がり、午後の準決勝へ。しかし、48Kg級の北田佳世が2回戦でキューバのベルモイに敗れたのを皮切りに、準決勝進出をかけた試合で無差別級の高井洋平、60Kg級の江種辰明が次々と敗れた。


会場の様子
薪谷の勝利に喜ぶ、女子チーム

タンザニアの柔道事情について、現地指導者 島岡 強氏から話を聞く山下IJF教育コーチング理事

アジア柔道連盟 竹内会長(右)と小俣審判員(左)も会場で大活躍

今大会は初めて5試合場、同時進行で試合が行われた

研究に余念のない選手

女子無差別級 薪谷翠は2回戦でロシアのシェライゼに先に技有を取られて、追い上げるという厳しい展開。しかも、古傷の膝の痛みが出たのか、動きが悪い。しかし、逆転の大外刈で一本を奪い、準決勝へ。
準決勝、ベラルーシのベリシクを相手に迎え、開始早々、有効を奪われる。しかし、体落で有効を奪い、そのまま上四方固で抑込。相手も必死に逃げるが、何とか25秒を抑えきり、3回戦に続く、一本勝ちを収めた。
決勝戦、相手はイギリスのブライアント。開始早々、薪谷が仕掛けた技で相手は大きく崩れる。しかし、ブライアントが上に入り、厳しい攻めで抑込に入る。薪谷、これにあきらめず11秒で抑込から逃げ、効果ポイントでとどまる。その後、両者指導を受け、中盤へ。薪谷が徐々に組み勝つようになり、しっかり組んだところで得意の小外掛を繰り出し、有効を奪って逆転。残り1分、疲れの見え始めた薪谷は強引な払腰を仕掛けるが、これを返され効果。リードはしているものの、いつ逆転されてもおかしくない状況の中、30秒を切る。ここでも、組負けそうになるが、ブライアントの一瞬の隙をつき、小外掛へ。これが、決まり悲願の金メダルを手にした。

決勝戦 対ブライアント

念願の金メダルを胸に満面の笑み


薪谷、優勝の瞬間


男子無差別級 高井洋平は1回戦、2回戦を一本勝ちで勝ち進み、3回戦でベラルーシの リュバックと対戦。自分より小さい相手を振り回し、高井のペースで試合を進めた。しかし、開始1分28秒リュバックの隅返に反応できず、一本負けを喫した。
銅メダルを目指しての敗者復活戦。予選での敗退から、うまく気持ちを切り替えることができたのか、2試合を一本勝ちで勝ち進み、3位決定戦へ。
3位決定戦の相手はキジラシビリ(グルジア)。開始から18秒、しっかりと組んだ高井の内股に相手は耐えきれず、会心の一本勝ちを収めた。

3位決定戦 高井×キジラシュビリ戦

初出場で銅メダルも悔しさいっぱい


敗者復活2回戦では強豪ミランに内股「一本」勝ち


−60Kg級 江種辰明は初戦から3回戦まで快調に勝ち上がった。しかし、準決勝進出をかけた4回戦、イギリスのフェロンに対し、開始直後に仕掛けた肩車をつぶされ、そのまま抑え込まれた。調子良く勝ち上がってきた中の、あっという間の出来事に、日本の応援団からはため息がこぼれた。
敗者復活戦ではイスラエルの に先に指導2を奪われる。ここから背負投、巴投、袖釣込腰などで追い上げをはかるが、攻めに行ったところを逆に背負投で効果を奪われ、そのまま逃げ切られた。

3回戦 得意の肩車で一本勝ち

4回戦 ファロンに横四方固めで敗れる




−48Kg級 北田佳世は2回戦で敗れた後、敗者復活戦を2試合勝ち上がって、迎えた敗者復活最終戦。ルーマニアのデュミトルとの対戦はデュミトルの厳しい組手に序盤から防戦一方。北田に指導1がきた後、デュミトルの払腰でさらに効果を奪われた。その後も、北田は攻めあぐね、残り時間はどんどん少なくなる。残り1分、北田が強引にいった技に対しデュミトルの返しが決まり、技有を奪われる。残り30秒、最後まであきらめない北田は渾身の裏投を放つ。しかし、これも上手く体を浴びせられ、技有。合わせて一本で、北田の世界初挑戦は幕を閉じた。

敗者復活3回戦 ドゥミトルに一本負け

北田×ヤネット

写真提供/東京スポーツ新聞社

大会四日目の結果
48Kg級
北田 佳世
1回戦 レスチャンカ ベラルーシ 崩横四方固
2回戦 ベルモイ キューバ 優勢(有効)
敗者復活1回戦 マグノロフィ イタリア 背負投
2回戦 ガオ 中国 優勢(指導2)
最終戦 デュミトル ルーマニア 合技
60Kg級
江種 辰明
1回戦 ドラクシック スロベニア 優勢(技有)
2回戦 チンバト モンゴル 腕ひしぎ十字固め
3回戦 アルバラシン アルゼンチン 肩車
4回戦 ファロン イギリス 崩縦四方固
敗者復活1回戦 イェクティエル イスラエル 優勢(指導2)
女子無差別級
薪谷 翠
1回戦 バンドルファー ドイツ 横四方固
2回戦 シェライゼ ロシア 大外刈
準決勝 ベリシク ベラルーシ 上四方固
決勝戦 ブライアント イギリス 小外掛
男子無差別級
高井 洋平
1回戦 シェドリー チュニジア 小外掛
2回戦 イリアディス ギリシャ 払巻込
三回戦 リュバック ベラルーシ 隅返
敗者復活一回戦 ミラン イラン 内股
最終戦 タングリエフ ウズベキスタン 大外刈
三位決定戦 キジラシビリ グルジア 内股

中村兼三 観戦記
高井は負けた試合では途中まで、うまく相手の組手をさばいていたのだが、頭が下がった時にうまく隅返に入られた。警戒はしていたのだが、相手は隅返・引込返のスペシャリストなので、ワンチャンスでやられた。その後は、気持ちをきらさずに見事だった。今回の経験では課題も見えていると思うので、次に期待したい。
江種は一瞬の隙をつかれた。ファロンは寝技の得意な選手。マークもしていたと思うので、油断をしてしまったのだろう。敗者復活戦はやはり気持ちを奮い立たせないと勝てない。
男子チームは、金メダルが2つ。数としてはだいたい予想通りであった。内容は良かった選手と自分の柔道ができなかった選手で分かれた。これから他国の選手ももっと研究してくるが日本はそれ以上に研究して、上をいかなければならない。

阿武教子 観戦記
薪谷は今まで、ケガにも負けずにがんばってきた甲斐があった。いろんな事に耐えてきた結果、最後に得意技が出た。本当におめでとうと言いたい。
北田は初戦から足技が出ていたので、リラックスしていて、いいかと思っていた。負けた試合は技が小さくなっていた。谷選手がずっと勝ってきた階級だけに無言のプレッシャーがあったとは思うが、勝てる実力を持っていただけに、残念だ。今回の経験を忘れず、自分の柔道を良く見直してもらいたい。
女子チームは最後に薪谷が金メダルを取ったが、もう少し欲しかった。世界が研究しているのを実感した。追いかけるよりも保つ方が大変なので、もっと研究を重ねていかなければならない。日本の女子柔道はワンチャンスをどう生かすかが当面の課題だ。

試合を終えた選手の声
塚田選手

「課題を持って厳しい練習をしてきましたが、負けてしまいました。もう一度、鍛え直しです。自分で切符をとって、こういう舞台に再び上がりたいです。」
上野選手
「個人戦では力を出せませんでした。明日の国別対抗戦ではがんばります。」
宮本選手
「自分の柔道ができませんでした。代表に決まってから今まで4ヶ月間、やってきたことは試合で出せなかったけど、ムダにはなっていないはず。この結果を受け止めて、次につなげていきたいです。」
棟田選手
「自分が弱かったということ。(銀メダルには)負けてしまったのでゼロ。全然満足していない。もっと研究して、より良い柔道を作っていきたい。」

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