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第29回全日本女子選抜体重別選手権大会-総評-

アテネ五輪メダル組完全復活するも、「日本女子」の花曇りは晴れず


 アテネ五輪メダリスト3人は順当に勝ち上がった。70kg級の上野雅恵(三井住友海上)は圧倒的な強さで完全復活をアピール。63kg級の谷本歩実(コマツ)も安定した試合運びで「一本取る柔道」を展開した。78kg超級の塚田真希(綜合警備保障)も危なげなく4連覇を達成した。いずれも世界選手権後の時間を無為とはしなかったことを証明した。
 48kg級は谷亮子(トヨタ自動車)が出産直後のため欠場するなか、急成長の16歳の中村美里(渋谷教育渋谷高)のほか、優勝した19歳の山岸絵美(三井住友海上)の台頭も大きな収穫であった。
 78L級の中澤さえは2連覇を果たしたものの、組み手に大きな課題を残した。「剛」の柔道に「巧」が加われば、世界の頂点もおのずから見えてこよう。
 しかし、逆に言うならば図らずも層が薄いという問題も浮上してきた。ベテラン、世界王者を脅かす、二番手、三番手が「日替わり」ならぬ「大会替り」の状態ではいかにも心もとない。また、ライバル不在ではトップに立つ選手のモチベーションの維持も難しい。
 さらに厳しいと言わざると得ないのが52L級、57L級である。確かに、国内で第一人者となることが世界への切符とつながるが、それが果たしてそのまま金メダルへと直結するであろうか。否であろう。国内のライバルを倒すための柔道ではなく、世界を見据えた柔道を期待したい。
文 全日本柔道連盟 広報委員 渡邉昌史
写真協力 ウメダフォトスタジオ ・ 03-3234-0275
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