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2005年 講道館杯
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講道館杯[女子戦評]
女子 48kg超級
「16歳チャンピオン中村美里(渋谷教育学園高1年)誕生」
それは、ゴールデンスコア2分54秒に起こった。北田佳世(ミキハウス)が小外掛にくるところを、中村は上手く合わせた大内刈に北田は真っ直ぐに下がって落ちた。主審の「効果」(副審の一人は「有効」を)の声が高く響いた。
再起をかけた北田は、2回戦,3回戦と一本勝ち、準決勝では成長著しい山岸絵美(三井住友海上)に苦しみ、開始早々18秒の背負投「効果」で逃げきり決勝に。高校1年生の中村は3回戦で全日本学生チャンピオンの福見友子(筑波大2年)とゴールデンスコアを戦い抜く10分の激闘の末に「判定」で下した。準決勝はベテランの大井麻里子(近大クラブ)を開始43秒の体落で「技あり」そのまま上四方固で抑え込み、「一本」勝ち。 決勝は、北田が背負投を再三かけるが、キレが無く決まらない。中村は足技と朽木倒や肩車を狙ってもぐり込み応戦。北田は巴投も見せるが中村にさばかれて5分が経過した。この時点で北田のほうが少し攻め勝っていたと思われる。しかし、それが延長ゴールデンスコアの中盤で疲れが出て、真っ直ぐ下がったといえる。
3回戦で中村に敗れた福見友子は、敗者復活戦を勝ち上がり、3位決定戦で山岸絵美を「効果」3つを奪う一方的な試合で学生チャンピオンの面目を保った。また、もう一人の3位も高校生の伊部尚子(大阪工大高3年)で、大井麻里子を相手に開始25秒の大内刈で「技あり」を奪った。
女子 52kg級
「ベテラン岡崎綾子(創電社)、涙の初優勝」
努力は報われる!今までの成績は3位が最高だった岡崎が世界代表の横澤由貴(三井住友海上)を敗った。一昨年は57kg級から階級変更、そして所属をかえるなどの末につかんだ栄光である。岡崎は好調だった。決勝までの4試合のうち3試合を「一本」で勝ち上がった。特に準決勝は、昨年の覇者吉村依子(セコム)を開始30秒で鮮やかな袖釣込腰で「一本」を決めた。対する横澤は「効果」ポイントで勝ち上がる苦しみながらの決勝進出。準決勝は4月の選抜体重別で優勝した君島奈津子(警視庁)にゴールデンスコアまで持ち込まれた。
決勝戦でもその差が出たといえる。左組み手の岡崎が大内刈、払腰、体落と先に先に技をかけていく。横澤は引き手がなかなかとれず、釣り手だけの背負投を出すが単発な技になっていた。横澤は中盤に技が止まり、2分34秒に「指導」をうける。追いかけたい気持ちはあるが、組み手が思うようにならない横澤は、肩車や背負投をみせるも不十分。岡崎は体落で応戦し、勝利のブザーを聞いた。
君島奈津子は、学生チャンピオンの西田優香(淑徳大2年)を指導1で退け、吉村依子はベテラン磯崎祐子(ジャイロック)を1分59秒に豪快な払腰「一本」で勝ち、共に3位となった。
女子 57kg級
「階級を上げて復活! 佐藤愛子(筑波大4年)2階級制覇」
動きがいい!スタミナもパワーもある。そんな佐藤愛子の復活は、社会人チャンピオンの岩藤理恵(三井住友海上)を残り20秒に力で抑え込んでの上四方固「一本」だった。 佐藤は、3回戦で世界代表の宮本樹理(帝京大4年)、準決勝では学生チャンピオンの野中未奈(山梨学院大3年)と強豪を共に「効果」ポイントの差で退けた。一方の岩藤は準決勝までの4試合中3試合を「一本」で勝ち上がり好調だった。
決勝の序盤は互角の戦いに見えたが、佐藤の動きの方が上だった。そして徐々に佐藤のペースになると2分6秒に朽木倒で「効果」、3分40秒に背負投から大内刈への連絡技で「効果」。最後は、岩藤が内股を掛けにきたところを潰して、相手を立たせずに寝技で攻めた圧勝だった。
敗者復活戦を勝ち上がった宮本樹理は、七條晶(東海大3年)を大内刈で「有効」を奪い、野中未奈は今田純子(金沢学院大4年)を払腰「技あり」で勝って、共に3位を確保した。
女子 63kg級
「2連覇達成!上野順恵(三井住友海上)は4月の選抜に続き2冠!」
粘り強さが持ち味の上野は、最後まで谷本歩実(コマツ)に柔道をさせず「指導」1つの差をつけて、勝利のブザーを聞いた。上野の道のりは険しかったといえる。準決勝までの3試合は全て5分間で決着がつかず、ゴールデンスコアにもつれこんでの勝利。まさに粘り強さで勝ち上がった。対照的に谷本は3試合を全て「一本」で退けて、決勝は2強の戦いとなった。
お互いに手の内を知っているだけに、序盤から組み手の争いとなった。1分16秒に両者「指導」が与えられると、右と左のけんか組み手で引き手が取れない中、上野は引き手を取るとすぐに技を出す。谷本はしっかり引き手を取って技をかけたがるので、攻めが遅くみえる。その差が、残り1分02秒、谷本に再度「指導」が与えられた。思うように組ませてもらえない谷本は残り18秒、左大外刈から払巻込をかけたが、決まらない。最後は上野が体落で攻め込んで、時間となった。
3位には、昨年の福岡国際で勝った徳久瞳(三井住友海上)が、敗者復活戦から3位決定戦までを全て「一本」勝ちして入った。また、学生チャンピオンの平井希も、寺島桂子(ワイエスフード)から「効果」を2つ奪って3位入賞をはたす。
女子 70kg級
「ポスト上野は、2連覇の岡明日香(コマツ)か!」
圧倒的な強さを見せつけた。岡は國原頼子(淑徳大2年)のペースにさせず、残り1分23秒に袖釣込腰「一本」で軽く2連覇を達成した。
決勝までの3試合も2試合を「一本」、準決勝もベテラン貝山仁美(三井住友海上)を大外落「技あり」と「指導2」で退けた。対する國原も4試合中3試合を「一本」と「技あり」勝ち一つと好調であった。
決勝の序盤は互角にみえた。しかし、徐々に岡のペースになり、國原も大外刈をかけて攻めるが、逆に返されて腹這いになる場面も出て、2分19秒には國原に「指導」が与えられる。岡の攻め込みに國原も対応するが、最後は岡が相手の組み手を殺した袖釣込腰で國原を見事に一回転させた。
岡を追いかける立場の渡邉美奈(コマツ)は、敗者復活戦3回戦で敗れた。3位には、社会人1年生で後輩の清水千晶(三井住友海上)を貝山仁美が一方的に攻めて入り、もう一人には、今井優子(東海大2年)が東陽子(日体大2年)の大外刈をを豪快に返して、講道館杯で初入賞を果たした。
女子 78kg級
「リベンジ!昨年2位の堀江久美子(兵庫県警)が初優勝」
カイロ世界選手権銀メダリストの中澤さえ(淑徳大4年)に、昨年のこの大会で敗れた堀江が社会人になり、つけた力が実をむすんだ。
波瀾は3回戦に起こった。優勝候補の中澤が、平岡麻美(平成国際大学柔道ク)に「技あり」を取られて負けた。その平岡を、打倒中澤!としていた学生チャンピオンの鳥谷部真弓(帝京大4年)が下し、決勝に勝ち上がった。堀江は、決勝までの4試合を全て「一本」で勝ち上がる強さをみせていた。
初優勝を意識したのか、堀江のそれまでの思い切りの良い技が前半に出ない。一方の鳥谷部も中澤が敗れたチャンスを自分に引き寄せたい思いが強いのか、技がでない。中盤の1分55秒に鳥谷部に「指導」が与えられるが、まだ硬い。ついに3分07秒に2つ目の「指導」を受けた。堀江は引き手が取れない中、組みぎわに払腰をかけるなど技をかけていた。残り6秒に故意に相手と組まない反則を堀江が取られるも、すぐに終了のブザーがなり、堀江が混戦を征した。
中澤さえは、敗者復活戦を勝ち上がり、松みずほ(コマツ)とゴールデンスコアまでもつれ、2分25秒に払腰で「有効」を取って3位に。また、中山彩香(筑波大1年)が敗者復活1回戦から全て「一本」勝ちで初入賞となった。
女子 78kg超級
「初優勝!杉本美香(筑波大3年)薪谷・塚田に近づいたか!」
圧倒的な強さで優勝したと言える。決勝を含め4試合中3試合を「一本」勝ちした杉本である。準決勝の馬籠恵子(東海大4年)にも、残り50秒で払腰「有効」のポイントをとって勝った。決勝の相手、ジュニア3冠の白石のどか(埼玉栄高3年)は、準決勝で立山真衣(東海大1年)にポイントを取られていたが、立山が「指導3」を受けて自滅した形で勝ち上がった。
序盤は白石も姿勢がよく、互角の戦いに見えた。しかし、杉本は白石の釣り手を上から抑え込んで、圧力をかけていた。その圧力が後半に効いて、白石が釣り手を背部に移して内股にいったところを、脇をすくうように内股すかしで「有効」を奪い、最後は疲れが出た白石が小外掛で前に出た瞬間、残り39秒に鮮やかな浮落で宙を舞わせ「一本」勝ちとなった。
立山は、敗者復活1回戦から勝ち上がった石井麻弥(水戸葵陵高3年)を、残り1分に小外掛「一本」で破り3位初入賞。馬籠も同じく敗者復活1回戦から勝ち上がった清水伊穂理(ヤックスケアサービス)を、中盤2分08秒の小外刈「一本」で退けて、入賞を果たした。
文:全日本柔道連盟 広報委員 三浦登
写真協力:ウメダフォトスタジオ(03-3234-0275)
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