September 21, 2017

平成19年度事業報告概要

 平成19年度は、平成20年8月に開催される北京オリンピックを見据えて、ブラジル・リオデジャネイロでの世界柔道選手権大会での金メダル獲得と全階級のオリンピック出場権獲得を最大の目標に、強化に取り組んだ日本柔道であったが、残念ながら金メダル3個、銀メダル2個、銅メダル4個の成績に終わった。
これらの結果を真摯に受け止め、以前より掲げている「一本を取る強力な技を持ち、最後まで攻め通す精神力を持った、たくましい選手作り」を目指し、強化策を見直すなど、北京オリンピックでの金メダル獲得に向けて、継続して選手強化に鋭意取り組んでいる。

柔道界を支える登録人口は、過去6年連続、20万人を超えていたが、平成19年度は残念ながら20万人をわずかに下回った。「法人会員」登録は、6年連続、全国で200団体を超えた。
財政面では、当期中に基本金に150,000,000円の繰入れを行い、
当期収支差額は、   △44,385,766 円
次期繰越収支差額は、 403、548,551 円 となった。

事業面では、全日本選抜体重別選手権大会、及び嘉納治五郎杯東京国際大会を男女同時開催するなど、全国大会や国際大会の充実した運営に取り組んだ他、日本代表選手や強化選手を海外に派遣する事業、強化選手を強化・育成する事業を精力的に行った。
また、「JUDOフェスタ」や「柔道の安全指導」講習会、講道館との合同事業である柔道ルネッサンス活動などの普及・振興や啓発事業、審判技能向上のための審判研修会やAライセンス認定のための審判員試験などの審判事業、アジア柔道連盟・国際柔道連盟の日本人役員の活動支援や選挙活動等の国際力強化事業、リサイクル柔道衣送付等による国際貢献活動、一貫指導システムを活用した全国10ブロックにおける有望な小中学生選手の合宿などによる、将来を見据えた育成・発掘事業等々を行った。

事業報告の主なものは下記の各事業報告のとおりであるが、内外の期待に応え、1年間、充実した諸事業を展開することができた。

     

  1. 総務関係事業
     平成20年12月から施行される「新公益法人制度」に対応するため、新制度の内容や新制度移行への諸手続きについての確認及び検討を行った。「全日本柔道連盟障害補償・見舞金制度」については、柔道の指導現場における事故防止の対応策を徹底するため、「安全指導」講習会を全国各地で積極的に実施した。
    また、登録の拡充・奨励、及び登録費改正に伴う還元策の一環として、小学生を対象とした「顔写真付きプラスチック製登録カード」を発行した。
  2.  

  3. 大会関係事業
    本連盟が主催する国際・国内大会の競技運営や指導・補助を行い、大会を成功に導いた。
    また、充実した大会運営をめざし、各種大会の開催時期や会場の調整を行う一方、参加資格、競技規則などの整備、検討を行った。そして、平成20年度からの施行に向けて、国内における大会運営の規則となる「全柔連大会運営規程」の企画・編集を行った。
  4.  

  5. 広報関係事業
     全日本柔道連盟公式ウェブサイト(ホームページ)における情報の多様化・速報性を図り、掲載内容の充実に努めた。
    広報機関紙「全柔連だより」第30号、第31号、第32号を発行し、都道府県柔道連盟(協会)などを通して配布した。また、年次報告書「柔道年鑑平成18年度版」を発刊した。
    「JUDOフェスタ」は、強化委員会と協力して、全国一斉に5ブロックで開催し、小学生・中学生への柔道の普及・振興に努めた。
    また、強化合宿等における公開取材日の設定、大会での記録配付やインタビューでのプレスサービスなど、充実した報道対応に努めた。
  6.  

  7. 教育普及関係事業
     日本体育協会公認コーチ養成講習会は、日本体育協会補助事業が定める定員に満たなかったため、実施を中止としたが、平成20年度開催に向け、日程・カリキュラムの見直しを検討した。
    普及事業として、全国5ヶ所で柔道教室を開催するとともに、日本武道館との共催の地域社会武道指導者研修会や全国少年競技者育成事業等に講師を派遣し、地域における柔道の普及・振興に努めた。
    また、視覚障害者による強化合宿への支援を引き続き行った。
  8.  

  9. 審判関係事業
     改正公認審判員規程に則り、新設されたS級ライセンス審判員の審査を行い、7名を認定した。また、Aライセンス審判員試験や審判員研修会・講習会の実施、各地の審判講習会への講師派遣等により、審判員の技術向上に努めた。
    一方、円滑な試合進行ならびに審判への疑義を払拭するため、国内主要大会において審判委員の配置及びVTRの導入を行った。
    国際的な審判員育成のため、アジア・ヨーロッパの主要国際大会に延べ20名の審判員を派遣した。また、国際柔道連盟公認審判員試験には3名が受験し全員合格した。
  10.  

  11. 強化関係事業
     平成19年度は、北京オリンピックを見据えて、2007年ブラジル世界柔道選手権大会での金メダル獲得を最大の目標に、強化を行ったが、納得のできる成績を残すことができなかった。これらの結果を真摯に受け止め、従来から掲げている「一本取る柔道」、「粘り強い柔道」を柱に、技術面、精神面の強化策を見直し、また、改めて外国人の柔道の研究と対策等を施し、継続して強化に取り組んだ。
    その他、ストレングス、メンタル、情報戦略、栄養、ドクター、トレーナー等の専門家のサポート体制の充実に努めた。
  12.  

  13. 国際関係事業
     国際柔道連盟及びアジア柔道連盟の総会において、それぞれ役員選挙が実施され、立候補した日本人役員の選挙活動に努めた。
    海外チームの受け入れや海外への指導者派遣、リサイクル柔道衣等の送付支援については継続的かつ積極的に実施し、国際貢献に努めた。また強化委員会が派遣しない国際大会にも参加支援を行うなど、国際交流に努めた。
    最新の国際関連情報は全日本柔道連盟公式ウェブサイトに掲載し、情報公開に努めた。
  14.  

  15. 医科学関係事業
     国内大会での救護活動、選手強化事業における国際大会や国内強化合宿などにドクターを派遣したほか、強化サポートスタッフと協力して、強化選手のコンディショニングに対するサポート等を行った。
    12月に開催された嘉納治五郎杯東京国際柔道大会の時期に合わせ、柔道医科学シンポジウムを開催し、参加した諸外国の医科学関係者との情報交換や親睦を図った。
  16.  

  17. アンチ・ドーピング関係事業
     アンチ・ドーピング活動は、主にドーピング検査の実施と、選手・指導者に対する啓発活動の2本柱である。
    ドーピング検査は7大会で162検体について実施し、その結果はすべて陰性であった。
    啓発活動としては、強化事業として全国5ヶ所で行っているジュニアブロック合宿の際、アンチ・ドーピング講義を実施した。合宿、国際大会などにドクターを帯同させた際には、随時、強化選手への啓発を行った。また、選手・指導者からの使用薬物に関する問合わせの対応を行った。
  18.  

  19. 柔道ルネッサンス関係事業
     平成19年度も、平成18年度より開始した「キャッチフレーズ」、「スピーチ」、「都道府県柔道ルネッサンス」、「広報」、「中学校柔道の支援」、「女性プロジェクト」、「少年・少女教育」、「障害者との交流・支援」の8つのプロジェクトによる活動を継続実施した。とくに都道府県柔道ルネッサンス活動については、各都道府県とのネットワークを構築し、相互の情報交換を深めた結果、地方における本活動の組織化が図られ、自主的な活動が数多く展開された。
  20.  

  21. 少年競技者育成関係事業
     全国10ブロックにおいて、将来有望な競技者の発掘、育成を目的に、小中学生を対象とした強化選手を指名し、合宿を実施した。
    全国展開を始めて5年が経過し、本事業で育成された選手の中から、各種大会で好成績を上げる選手が輩出されるなど、成果が現れはじめている。さらに技術だけにとらわれず、日常生活における規律やマナーを重視した人間教育についても取り組んでいる。
以上